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2025年03月24日

「日々是好輪~第19回~ 富士ヒルシルバーリングの女性に聞いてみた。その2/丸山裕子さん、どうしてそんなに速いんですか?」

『2024年 年代別2位の丸山裕子さんにも聞いてみた!』

大石さんに続いて、富士ヒルでシルバーを獲得したもうひとりの女性、丸山裕子さんにもお話を伺いました!

はじめて富士ヒルに参加したのは2021年、1:34:11でした。
2022年は1:20:19、2023年は1:15:04、そして2024年は1:14:18とシルバーを獲得!

丸山さんは自転車(ママチャリ)に乗るのは昔から好きだったと言いますが、運動経験はお子さんのマラソンの練習に付き合ったことがあるくらい、とスポーツには消極的。
もうひとつの趣味である学生から楽器(サックス)を続けており、現在もジャズバンドに所属して毎週練習しています。

『初めてのヒルクライムレースで回収されたんです!』

買い物をするためにママチャリで片道小一時間ほど走っていた丸山さん。
そんな彼女に友人から「クロスバイクだったらもっと楽で速いよ」と言われたことがきっかけでLivのクロスバイクを買ったそうです。
ちなみに身長は149センチなのでサイズの合うクロスバイクがほとんどなかったとか。

「クロスバイクなら思ったよりももっと遠くに行ける!」と自信がついていく日々。
そんな2019年のある日、インターネットで富士山ヒルクライム(スカイラインを走るヒルクライムレース)を見つけ、なんとなくエントリー。
ところがゴールまであと数100メートルで回収車に乗せられてしまったのです。

すると「それが悔しくてすぐにロードバイクを買いました!」とその数日後、Livのロードバイクを購入。
一見おとなしそうに見える丸山さんですが、とにかく悔しがり屋なんだそうです。

『丸山さんの2021年からの富士ヒルの戦績』

2021年に初めて富士ヒルに参加。
「完走が目的。とはいえひょっとしたらブロンズが取れるかもと思っていたのですが取れませんでした。すごく惜しかったです!」と自分に期待する気持ちもあったけど、素直に受け入れることができたそうです。

翌2022年は1:20:19で3位となりブロンズを獲得!
しかしこのときの目標は年代別優勝。達成できなかったら機材投資をする! と決めていた丸山さんは(Livハイグレード)に買い換えました。
機材の知識はほとんどないという彼女は、一緒に練習している仲間から情報を得て、すべてのパーツにいちばんヒルクライムに適したものを揃えたそう。

そして2023年は優勝、目標達成! と、目標を叶え丸山さんは満足だったのですが、そばには悔しがる仲間たち。
2024年は見事にシルバー獲得で安堵の号泣・・・! 再び目標を叶え満足したのですが、そばには悔しがる仲間たち。

なぜかというと、2023年はタイムはシルバーまであと5秒の1:15:04。
優勝して満足の丸山さんを横目に悔しがり、2024年はシルバーといえど2位という成績に悔しがる仲間たち。(笑!)
自分のことのように悔しがってくれる仲間、とてもステキですね!

トレインを組んで、後ろから仲間からの「ここは勾配が緩むよ!」「ギヤ上げて!」などの声が功を奏したとか!
これがなかったら今の自分はない、最高で大切な仲間!とおっしゃっていました。

『富士ヒルの前ってどんな練習をしてるんですか?』

「試走に行くときは前日も走り込んで筋肉痛で試走します。」と、ちょっと意味不明な回答が返ってきました……。
よくよく話を聞いてみると、前年よりタイムが落ちていたら落ち込むからタイムを知ることが怖いんだとか。
なので何も気にせず走りたいとのことで、一緒に行った仲間についていくのが彼女の試走だそうです。
ちなみに試走は年に一度は行くようですが、予定や天候のタイミング次第で行かないこともあるとのことです。

パワーや心拍など何か指標はあるのか聞くと、「サイコンは数ヶ月前に手に入れたのですが、数字に支配されそうで……それがイヤなんです。」と現在も使ったり使ってなかったりしているとか。
富士ヒルのときはサイコンを利用せずガーミンウォッチ(腕時計)を付けて走っていたそうです。
一応ガーミンウォッチは付けていたけど、「そのときはパワーメーターにも慣れてなくて、結局ガーミンウォッチには何も表示されてませんでした」と話します。
丸山さんの指標はつねに誰かを追いかけて走ること。やる気スイッチはそこで入るそうです。

また、家ではというと、体幹などの筋トレを15分くらいすることと春からおやつを控えて体重を減らします。
体重が2~3キロ増えるとタイムも遅くなるそうですが「好きなものは強いて言うと、唐揚げとコストコのチーズタルト!」スイーツが大好きで、痩せるのが辛いとか。
ちなみに2024年の時の体重は35キロくらいだったそうです。

『2024年富士ヒル、仲間がいたから踏ん張れたんです!』

優勝した2023年富士ヒル、その夜は嬉しくて眠れなかったという丸山さん。2024年は何度も2023年のリザルトを見て、本当に去年は優勝したんだ、と心を奮わせて臨んだそうです。
ちなみに2021年は単独、2022年からはトレインで走っているそうです。

レース中は補給食やボトルは持たないそう。飲みながらスムーズに走ることに必死で難しいから。またできるだけ軽くするために。
ジャージは風の抵抗を減らすためワンピース一択だそうです。

『普段はどんなところを走ってるんですか?』

自宅は愛知県で、主な練習場所は雨沢峠。「東の雨沢、西の二ノ瀬」と言われているほど中部地方ではメジャーなところ。
6キロほどの距離と5%の勾配です。

他にも定番のコースがあるそうで、岐阜県の恵那にある道の駅「らっせぃ三郷」に行ってソフトクリームを食べるのが好きだそうです。
「ソフトクリームは補給食」と、今はさらっと言う丸山さんですが、以前はここに来ることを目標にしていたときも。
シルバーを獲ったといっても、やはり乗り始めはみなさんと同じなんですね。

楽しみはもっとあって、毎年、娘さんが住んでいる富山へ走って行って1泊するとか。自宅から片道220キロで1700メートルくらい上るんだそうです。
着いたときはボロボロだけど娘さんに会うと元気になり、帰りはまだ疲れが残っている夫の和芳さんを引いて帰るとか!
そんな和芳さんはいちばんのライバルとのこと。2024年の富士ヒルは1:13:47と丸山さんより少し速かったのですが、実は過去のリザルトは抜きつ抜かれつだったりします。
機材には強く、丸山さんを優しくサポートしているそうです。

そしてヒルクライムだけでなくシマノ鈴鹿ロードなどのロードレースやブルベ、そして知る人は知るThe PEAKSにも挑戦しています。
The PEAKSは「日本最強!最悪!の超級山岳ロングライドイベント」と謳っており、制限時間内に決められたコースをクリアするイベントです。
丸山さんご夫妻がエントリーしたのは、その中でもいちばん厳しい「ド変態増し」クラス(筆者も一度参加しましたが一般のカテゴリーでも厳しいと思いました…)。
走行距離220キロ、獲得標高5568メートルを台風の接近で荒れた天候の中、一緒に走っていたを和芳さんをなんと置き去りにしたのにも関わらず、制限時間に惜しくもあと3分届かなかったそうです。

月間走行距離は1500~2000キロだそう。「1日で300キロ、3000メートルアップが自分のできる範囲なので、いつか愛知県の自宅から富士山までロードバイクで行ってみたいです!」と嬉しそうに話してくれて、本当に変態なんだなと思いました(もちろん褒め言葉です!)。

ちなみにブロンズの筆者は月間1000キロほどだったりします。
練習は裏切らないし、努力している方ってすばらしいと心から思いました。

『丸山さんにとってロードバイクとは?』

「サックスは生き甲斐、ロードバイクは趣味」と言い切る丸山さん。
先に書いたけど、ずっと楽器(サックス)を吹いており一生続けると言います。
「ロードバイクはモチベーションの維持やプレッシャーに押しつぶされそうで、いつまでも続けていけるのかわからないですね」とおっしゃっていました。
でもサックス以外でこんなに夢中になれるなんて幸せだと、そして和芳さんや仲間にも感謝していると、嬉しそうに話してくてました。

今年の富士ヒルはというと、エントリーしたのは大石さんと同じく主催者選抜クラス女子。
「選抜では選ばれたことを嬉しく思います。去年の自分のタイムだけには負けたくないです!」と闘志に燃えています。

その熱い気持ちを、富士ヒルにぶつけてください!

日々是好輪〜 連載中

第1回 たくさん仲間ができました
第2回 スプリントとは……?
第3回 思い切って逃げてみた!
第4回 私の練習日誌
第5回 やさしい真夏の1日
第6回  “クルクルシャー”とはなんぞや。
第7回  一大イベントに初参加。そして目標達成!
第8回 ダンシングの仕方を再確認!
第9回 〜全力で走れ! 〜トラック記録会に行ってみた
第10回 軽井沢って思ってたより近いんですね ~ハルヒル試走して軽井沢でソフトクリーム食べてきた〜
第11回 ~ハルヒルはベストから2分弱更新!富士ヒルやいかに…?〜
第12回 ペーサーと走る富士ヒル!
第13回 ~この一体感がたまらない!~全日本選手権に行ってきました〜
第14回 ~みんなでハマろう、顔出しパネル〜
第15回~まえばし赤城山ヒルクライムにむけて日常の過ごし方を大切にした成果とは?~
第16回~サイクルセイフティ あの日の事故の反省と今後のために ~
第17回~グローブを自分で修理してみた!〜
第18回~ 富士ヒルシルバーリングの女性に聞いてみた。大石由美子さん、どうしてそんなに速いんですか?


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イラストレーター大野哲郎さんデザインの「uncle rinne(アンクル・リンネ)」の大会だけの書下ろしデザインです。
富士ヒルの挑戦を仲間とともに。この瞬間を刻む特別な一枚。

今回も超人気デザイナー uncle rinne による、ここでしか手に入らない特別デザインをご用意。イラストには rinne と sara が仲間たちと切磋琢磨し、富士ヒルという特別な日に挑む姿が描かれています。

「LET’S ALL GO HILL CLIMBING TOGETHER」のメッセージが、仲間とともに挑む喜びや、ヒルクライムの熱い想いを表現。シンプルながらもインパクトのあるデザインが、レースの思い出を彩ります。

カラーバリエーションは ホワイトとターコイズの2色展開。
富士ヒルを走るすべてのサイクリストに捧げる、今年だけのスペシャルTシャツです。



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