2026年06月12日
【第22回Mt.富士ヒルクライム】別府史之さん、4度目の富士ヒル「サイクリングブームは終わっていない!」

6月7日に開催された「第22回Mt.富士ヒルクライム」。ヨーロッパで長年プロ選手として活躍した「フミ」こと別府史之さんが、今年もゲストライダーとして登場。多くの参加者とともに富士スバルラインを駆け上がり、サイクリストたちの熱気を肌で感じていた。
頑張るのも自転車、楽しむのも自転車
現役時代、ツール・ド・フランスなどのグランツール、クラシックレース、世界選手権、五輪など数々のレースで活躍してきた別府史之さんが、4年連続で富士ヒルにゲストライダーとして参加した。
「今回は、前半は栗村(修)さんと一緒に走ったんですけど、後半はマイペースでフィニッシュまで上りきってすごく気持ちよかったです」
五合目を目指しながら感じたのは、サイクリストたちの自転車にかける情熱だった。
「近年、“サイクリングブームが去った”と一部で言われているけど、これだけ人が集まって熱気があるし、この富士ヒルに向けてしっかりトレーニングしてきて、気合が入っていて、その気合がひしひしと伝わってきました。そんな中でも私に声かけてくれてすごく嬉しかったですけど、そういったみなさんを逆に私も応援することができました」。サイクリング人気の陰りが語られることもあるが、会場で感じたのはむしろその逆だった。目標に向かって努力を重ねてきた参加者たちの熱量は想像以上に大きい。
主催者選抜クラス男子は優勝タイムがついに55分台に突入するなど、大会のレベルアップにも目を見張った。
「今回55分台が出て、13人もコースレコードを更新したのは、コンディション的にも走りやすかった日だったんじゃないかと思います。海外の選手がオープン参加したことでも、よりハイペースになったのかな。 優勝した大前選手はかつて愛三工業で走っていて実力のある選手なので、素晴らしい結果でしたね」

今は別府さん自身も自転車を楽しむ姿勢を第一にしている。
「(暮らしている)フランスでもグランフォンドやシクロスポルティーフ(ロングライド系のイベント)を走ったり、グラベルも走っていますけど、元プロとして昔はすごいスピード走ったんだなって思うような機会が何度もありますね。今は自転車を楽しみながら乗っていくっていうのが、私のライドスタイルですね」
中学生でゴールドリング獲得! 世界を目指すRTAの若き侍たち!
浅田顕さんが主宰するロード・トゥ・ラヴニール(RTA)は、ツール・ド・フランスなど世界のサイクルロードレースで活躍できる次世代のプロロードレーサー輩出を目指すプロジェクト。そのRTAから、中学生~大学1年生の若手たちが富士ヒルに挑戦した。
男子12~14歳クラスでは、中学3年生の木村孔南(こなん)さんが1時間04分47秒とゴールドリング(1時間05分切り)獲得のタイムで優勝! その弟の中学2年生・木村仁毘(しのぶ)さんは1時間07分57秒で2位に入り、兄弟でワンツーフィニッシュを飾った。

「1回だけ試走で走ったんですけど、そのときもしんどくて、今日もしんどかったですけど、みんながいたので楽しかったです。(浅田さんは)海外経験が豊富なので、海外のことやこういうトレーニングをしたら強くなるとかタメになる話が多いです。自分も上のカテゴリーに上がったら、海外に行きたいです」(木村孔南さん)

「思ったよりも距離が長くて、ゴールはまだかな、みたいな感じでした。1人で走るよりも、みんなで走った方が楽しくてよかったです。(浅田さんは)RTAの練習で優しく接してくれてるし、具体的にわかりやすく教えてくれるので、海外に行くには重要なことだなと思います。自分もプロになってみたいし、将来はみんなが憧れるようなおもしろい存在なりたいなって思ってます」(木村仁毘さん)


高校生・大学生のメンバーの多くは、主催者選抜クラス男子にエントリー。今回最年長の桑原悠さんは、1時間02分27秒でフィニッシュした。
「富士山を上るのは初めてだったんですけど、おもしろいコースだなと思いました。上り切ったら平坦になるのを繰り返すので、集団の前の方がいいんじゃないかなと思ってローリングスタートのときに頑張って前に行ったんですけど、思ったよりペース速くてついていけなかったです。来年も出ようと思います」
今後の活動については「全日本大会選手権にはジュニアで出るんですけど、そこでいい成績を残して世界選手権のメンバーに選ばれるように頑張りたいと思います」と力強く語った。

トライアスロンでアジア・ユース選手権にも出場する高校1年生・稲寛太さんは 1時間00分59秒でフィニッシュ。
「先頭集団に頑張って残ろうと思ったんですけど、一合目ちょっと過ぎた付近でちぎれてしまって、そこからうまく10人ぐらいでローテーション回しました。初めてにしてはいい結果で走れたかなと思います。(スバルラインは)勾配がダラダラ上る感じで、自分には得意なレイアウトかなと思いました。こういうコースが強くないと、全日本選手権や大きいレースで勝てないので、徹底的に強くしていきたい。6月末にある全日本選手権はU17で出るので、そこに向かってこれから頑張っていきたいです」



浅田さんは今回の富士ヒル参加は、RTAの活動をより多くの人に知ってもらうことが狙いだったと語る。
「彼らみんながプロになれるかわかりませんが、今のうちから多くのサイクリストの方々に応援してもらう対象になってもらい、こういう活動があると紹介する目的で今回参加しました。もう1つ、RTAの7つの活動の4つ目にタイムトライアルとヒルクライムのテストがありまして、彼らの年齢では富士ヒルは1時間ちょっとと長いんですけど、そのテストの一環としてやってみました。結果はよかったと思います。こんな長い上りはなかなか走れないですけど、みんなそれぞれ思い描いたタイムはクリアしてるんじゃないでしょうか。来年もチャレンジしてほしいと思ってます」
RTAの当面の目標は、ヨーロッパのアンダーカテゴリーで結果を出していくことだ。
「メインがヨーロッパのレース参戦なので、その中でU19では世界のトップと混じってトップ10に入ること。U23は一気にレベルが上がるのですが各国のローカルレースなどで入賞できる選手を出すのが目標です」
RTAから新たな日本人スター選手が生まれるか、期待して応援しよう!
栗村修さん、シルバーリングへの挑戦!「富士ヒルの1人になれた」
ツアー・オブ・ジャパン組織委員会委員長、ロードレース解説者として自転車ファンにお馴染みの栗村修さん。現役時代はヨーロッパでプロとして活躍していたが、近年、自転車熱が再燃していて富士ヒルは2年連続での挑戦。今年はシルバーリング(1時間15分切り)を目指したが、惜しくも1時間15分50秒と約1分届かなかった。

「去年1時間20分で5分足りなかったんで、1年間結構練習してきて4分縮めたんですけど、やっぱり悔しいっすね。でも、これが富士ヒルの醍醐味というか、みなさんが人生かけてる意味がわかるし、僕もその1人に今なった気がしますね。みなさんが目標とする各リングのタイム設定が絶妙ですね!」

ちょうど1週間前までツアー・オブ・ジャパンで激務をこなしていたため、最後のコンディション調整にも苦労があったよう。
「最悪ですよ、TOJが1週間前にあるのは(笑)。10日間乗れないんで、うまくそれを休養にあてられればいいんですけどね。今年55歳の年なんで、1年1年ダメージがでかいんですよね。なので、年取る前に速くシルバー取れるように頑張ります!」




取材:光石達哉 写真:小野口健太、光石達哉
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第3回八ヶ岳高原ロングライド 参加者募集中
2026年10月4日開催の八ヶ岳高原ロングライドは富士ヒル公式のイベントとなりエントリーは好調です。
ヒルクライムは他者ではなく自分との競走であり、この八ヶ岳高原ロングライドもレースではなく、自分と向き合うサイクリングイベントです。
イベントのテーマはRoad to 富士ヒル。コーチには長らくコースレコードを保持していた別府匠さんをお招きし、富士ヒルまでの過ごし方をお伝えします。会場レイアウトも一新し皆さまをおもてなしします。
次回の富士ヒルへのスタートはここ八ヶ岳から!
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スルガ・セゾンCUP2026 in富士スピードウェイ 参加者募集中
富士スピードウェイを舞台とした自転車イベント! 仲間とワイワイ、ママチャリをタスキ代わりに2時間のエンデューロレース「ママチャリ駅伝」、スポーツバイク対象の2時間エンデューロの二部構成です。真夏の思い出にいかがでしょうか。開催日は8月29日(日)
申込期間 2026年5月19日(火)~7月29日(水)
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。





