2024年11月21日
Hijiri Oda -Ostwind- Vol.13「イタリア遠征①」
シクロクロスと言ったらやっぱりベルギー、オランダ。
もちろんその通りだ。
競技力も観客数も圧倒的。
でも今回シクロクロスを走りにイタリアへ行ってきた。
なぜイタリアへ?
今回のイタリア遠征の始まりはInstagramのメッセージ。
よくわからない怪しいおじさんから「イタリアのレースの主催者です。あなたはこのレースに興味ありますか?」と連絡が入る。
もちろん、最初は疑った。
スパムか⁉︎ と。
EF-NIPPO Development に所属している時、別のコンチネンタルチームの監督だったが優しくしてくれたイタリア人監督が共通の友達だったので返信してみることにした。
イタリアのイメージ
イタリアのシクロクロス選手といえば2015年のUCI野辺山へ出場するために来日したアルベルト選手とアリス選手。
両選手共に別格の走りで、ジュニアカテゴリーだった自分は「なんでそんなライン見えるのか」「このスピードでこのコース走れるんだろう」と驚愕した。
そんな選手を輩出するイタリア。
イタリアにおけるシクロクロスのポジションはどのようなものか。
日本一になった今、どの位置で私は走れるのか。そんな好奇心で気がついたらエアチケットを探していた。
また、ちょうどこの時期はイタリアでUCIレースが固まっており行くならこの時期なんだなとも思った。
今回のスケジュール
- 10月23日 夜便で出国
- 10月24日 朝ミラノに到着
- 10月26日 レースUCI C1(ミラノ周辺)
- 10月27日 レースUCI C2(ミラノ周辺)
- レース後フィレンツェに移動
- 11月1日 レースUCI C2(フィレンツェ周辺)
- 翌朝空港まで移動
- 11月2日 ミラノから昼便で帰国
ざっとこのような感じ。
今回人生で初めてレンタカーを借りた。
日本でもまだ借りたことなかったので不安でいっぱい。
よくわからず、とりあえず1番安いプランでフィアットパンダを予約したが現地に行ってプラスでお金払えば車両保険と車のワンサイズ大きくするよ。と言われ、まんまと払う。
初めてだし、今回エアチャイナを使用したことで自転車預け代がかからなかったので払ってもいいかなという気持ちにもなった。
旅の相棒はプジョー2008。
外見結構デカく見えるけど、そこまで大きくなくバイクボックス1台は入るけど1台は箱から出して入れることにした。
借りてすぐに“ああ、フィアットパンダじゃ無理だったかもな”と感じた。
そして久しぶりのマニュアル。
坂道発進アシストもついてるし、教習車で坂道発進の練習はなんだったのかと思うほど安定していた。
毎日雨なミラノ、マッドレースな初戦
24日に到着してから毎日雨続き。
主催者が日本からわざわざ来るならとレース前日分は取ってくれたので、どこのホテルか聞いて前々日分は同じホテルを予約した。
空港から40分ほど車移動してチェックイン。
その後2時間ほど舗装路で脚を回した。
25日は前日試走へ。
UCI C1カテゴリーなだけあって大きなチームも多く、海外選手もちらほら。
周回するたびにバイクがみるみるドロドロになっていく。
キャンバーセクションもどんどん難しくなり、轍を外さなければ乗っていけるような状況。
午後は雨も強くなってきたので早めにホテルに戻った。
レース当日ももちろん雨。
昨日設営中だったバイクショップのブースや地元の方々がやっているフードブースなどがあり流石にオランダベルギーのような活気はなかったが、それでもたくさんの観客がいた。
特に会場付近に近づくまではシクロクロスの宣伝などはあまりなく、ロードレースとは違い、イタリアのシクロクロスは日本と同じような位置付けなのかなとも感じた。
主催者にお願いをしてピットスタッフを紹介してもらった。
1周毎にバイクチェンジをしなくてはいけない状況になり、昨日あったキャンバーセクションも轍も足跡に変わっている。
ゼッケン5番で最前列からのスタート。
一時は4位を走ることもあったがキャンバーランニング区間でごぼう抜きされ、泥で重たい区間でも抜かれと徐々に順位を落としてしまい21位(マイナス1周)でレースを終えた。
心拍が通常よりも高く心肺機能的にきつかったのもあるが、泥が苦手。
毎年毎年走れるようにはなってきてるが、日本ではあまりみることのない深い轍やツルツルキャンバーを斜めに走らせるというこっちならではのコースがイタリアにもあった。
目標には程遠い結果にだいぶ落ち込んだが、明日もあるし切り替えて頑張ろうという気持ちで次の会場付近まで1時間ほど車移動した。
続きは…イタリア遠征②へ
写真と文:織田聖
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過去の記事
Vol.1「織田 聖」
Vol.2「Ελλάδα(ギリシャ遠征)」
Vol.3 「サイクリングの補給食」
Vol.4 「チームの公用語」
Vol.5 「筑波山をご案内」
Vol.6 「まっすぐ走るのは意外と難しい」
Vol.7 「チームハウスでの食生活」
Vol.8「チューブレスとチューブラーどちらも好き」
Vol.9 「オランダ遠征」
Vol.10 「オランダ遠征(番外編)」
Vol.11 「鹿児島合宿」
Vol.12 「猛暑を避けて北海道走り込み、お気に入りの峠」
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著者プロフィール
織田聖おだ ひじり
1998年生まれ。 2023年シクロクロス全日本チャンピオン。 ロードレースはマトリックスパワータグ、シクロクロスは弱虫ペダルサイクリングチームに所属。 レースなどの情報はInstagramやブログからどうぞ (https://hijirioda.com/)