2023年06月02日
Hijiri Oda -Ostwind- Vol.4 「チームの公用語」
「おはよう」「ありがとうございます」
日本語の挨拶が聞こえるレストランの朝食会場。
普通に「おはよー」って挨拶をして席に着くと前にはスイス人が2人。
普通に日本人が話しているんじゃないかというイントネーションで挨拶をしてくる。
他にも覚えた単語をちゃんと使いこなしてるあたりがすごいなと感心をする。
今回のTOJメンバー
昨年は日本人メンバーのみだったが、今年は外国人メンバーもロースター入りしたツアー・オブ・ジャパン(TOJ)。
ツアー・オブ・ジャパンは日本人選手4人と(仮屋、山田、橋川、私)
スイス人選手2人(ルカ、フェリックス)の6人フルメンバーで戦った。
フェリックスが総合12位でチームの最高位。
自分自身は総合57位の一番良かったステージでも12位と苦しい結果に終わった。
チームの公用語は?
たまに聞かれるこの質問。
私たちのチームでは英語が公用語として使われています。
多国籍チームの場合は英語が公用語になるのが多いのではと思います。
選手によって話せる言語が違うので、例えばスイス人同士で話したりする時はスイスドイツ語で話していたり、日本人同士であれば日本語で話したり。
チームミーティングや多国籍メンバーで集まる時は基本英語です。
ほぼ日本語を使わなかった3ヶ月
2021年の1月にこのチームに合流しての最初のキャンプ。
全く英語を話せなかったが、とりあえずみんなの前で自己紹介をした。名前と年齢と目標を述べるというものだったが名前と年齢ぐらいしかまともに言えなかったと思う。
その後そのままチームの拠点があったスイスに行きヨーロッパツアーのレースを走った。
この年のシーズン序盤は日本人選手1人だったためレースではもちろんチームハウス等でも日本語を使う機会が全くなかった。
翻訳機を使ったりして調べては話して、チームメイトが使ってた言葉を使ったりしてなんとかコミュニケーションをとっていた。
今思うと1番英語力が伸びた時期だと思う。
よくわからんRの発音
ドイツ語を聞いたことありますか?
すべて早口言葉なんではないかと思うほど難しくそんな音をどうやって出すの? って思う音が単語の中に入ってくる。
TOJ期間中にスイス人達とコーヒーを飲みに行く機会があり「俺たちはまだ1週間しかいないのに日本語を少ししゃべれる。でもお前はスイスに2年間もいて全く喋れないよな。」と言われ「スイスは基本的に英語通じるし」と言い返すと同時にちょっとした単語ならわかるよって意味で「Danke(ありがとう)」と言って笑い合うことがあった。
タイトルのOstwindもスイスドイツ語
Ostwind (オストヴィント)は東風という意味。
チームハウスがあったのがスイスの東側でその地域に住んでいる色々なチームの選手が追加されたトレーニンググループの名前はOstwindという名前だった。
意味はそのまま『東風』という意味だった。
なんで東風なの?と聞いたら面白い返事が返ってきた。
南側のイタリア語圏や西側のフランス語圏の選手に負けない様に『東側から良い風吹かそうぜ!』という意味を込めてとのことだった。
ヨーロッパから見たら日本は東側、埼玉県は日本の東側だしということで私も良い風を吹かせられるように、という意味を込めてこのタイトルにしました。
写真と文:織田聖
hijirioda.stores https://hijirioda.stores.jp/
Instagram https://www.instagram.com/hijirioda/
著者プロフィール
織田聖おだ ひじり
1998年生まれ。 2023年シクロクロス全日本チャンピオン。 ロードレースはマトリックスパワータグ、シクロクロスは弱虫ペダルサイクリングチームに所属。 レースなどの情報はInstagramやブログからどうぞ (https://hijirioda.com/)