2022年11月29日
才田直人の“自転車ワーケーション放浪旅”第十二回 / 上ったら食べる 旅の途中に立ち寄りたいご当地ラーメン
全国津々、といっても過言ではない才田さんのワーケーション生活。場所が変われば食べるものにも変化がありますが、日本人がこよなく愛するラーメンも地域の特徴が表れています。今回はラーメン好きな才田さんがピックアップしたご当地ラーメンをご紹介します。
全国を走り回っていると、当然ご当地グルメにたくさん出会うことになる。その中でも、国民食と言えるラーメンは各地方で独自の進化を遂げて、個性のある唯一無二の味へと変化していく。
その中でも、特に印象深かった、しかもちょっと穴場的なご当地ラーメンをおすすめのクライミングルートと共に紹介したい。
INDEX
▷室蘭(北海道)/ 室蘭カレーラーメン
▷米沢(山形県)/ 米沢ラーメン
▷燕市(新潟県)/ 燕三条系ラーメン
▷鳥取県 / 牛骨ラーメン
▷徳島県 / 徳島ラーメン
▷室蘭(北海道)/ 室蘭カレーラーメン
北海道といえば、札幌や函館、旭川ラーメンが有名だが、その広い面積、寒い土地柄に相性抜群であろうご当地ラーメンが各所に存在する。今回取り上げるのは、室蘭のカレーラーメンである。初めて聞いたという方も多いだろう。
細めの縮れ麺がスパイスの効いたとろみのあるスープをしっかり拾って口の中へと運んでくれる。
カレーとラーメン。日本人が慣れ親しんだ二つの味をバランス良くインパクトのある味に融合させたご当地ラーメンをぜひ食べてみてほしい。
鷲別岳
別名、室蘭岳。海沿いの市街地から内陸に目を向けると最も存在感高く聳(そび)えるのがこの山である。
急過ぎず、緩過ぎずと言った勾配で比較的真っ直ぐ上っていく。スキー場がゴールなので道は広く路面は良好。
山頂からはスキー場の先に鷲別岳山頂を望み、振り返って海側に目を向けると、草原越しに市街地が広がる。室蘭のシンボルにふさわしい素晴らしい上りである。
▷米沢(山形県)/ 米沢ラーメン
年間1世帯当たりのラーメンの外食支出金額が全国1位の山形県。多くのご当地ラーメンが存在する中で、今回紹介するのは米沢ラーメンだ。
バランスの取れたあっさりとした優しいスープに、米沢ラーメン最大の特徴である強く縮れた細麺。ビッグライドの途中でも、疲れた体にスープが染み渡り、最後までスルスルと食べられるので、あっという間に完食してしまう。
白布峠
山形県で最も南に位置する米沢。福島県との県境に位置するのが白布峠。米沢のある置賜平野からは標高差1000m近いビッグクライムになる。
ベストシーズンは8月。もちろん暑いのだが、都会のそれとは違い自然に囲まれた置賜平野では爽やかさが感じられる。青い空、白い入道雲、緑の稲穂。夏休み感をこれ以上ないくらい味わえる、夏に最も訪れたい地域の一つである。
▷燕市(新潟県)/ 燕三条系ラーメン
背脂が大量に浮かんだ強烈なビジュアル。コシがあるもっちりとした極太麺。しかし意外にすっきりしたベースのスープと、刻み玉ねぎの効果でスルスルと食べられる。全国有数のパンチのあるご当地ラーメンは、空腹のサイクリストの胃袋を完全に満たしてくれる。
弥彦山
燕三条は水田の多い平坦が続く。しかし海側に一際目立つ独立峰がある。弥彦神社の御神体であるのも頷ける存在感。弥彦山だ。
この山には3つのクライミングルートが存在する。せっかく登るのであれば。ヒルクライムレースも行われている北側からだろう。中盤から終盤にかけての九十九折の急勾配区間は魅力十分だ。
山頂からは絶景の日本海が見渡せるはず。あいにく私は二度上ったが両日共に曇り。また行かなければと思っている。
▷鳥取県 / 牛骨ラーメン
鳥取には珍しい牛骨出汁のラーメンが存在する。少し濁ったものからクリアなスープまで、お店によって幅広いが、少し甘めの風味を感じられるのが特徴。癖になるこの味をぜひ味わってみてほしい。
大山
山陰を代表する独立峰。たくさんのクライミングルートが存在するが、どれもダイナミックな上りを楽しめる。
どのルートからでも上った先で大山環状道路に突き当たる。大山をぐるっと一周する約65 kmのアップダウンが厳しいルートであるが、見る方角によって表情を変えるこの山を心ゆくまで堪能できる。
大丈夫。どれだけ疲れても山を降りれば、鳥取ラーメンがあるのだから。
▷徳島県 / 徳島ラーメン
最後に紹介したいのは通称「すき焼きラーメン」とも呼ばれる徳島ラーメン。茶色く濁った濃い醤油スープ。その上には甘く煮た豚バラ肉。ここに生卵が乗っている。
細めのストレート麺を生卵に絡ませながら啜ると、少しマイルドな印象に変化する。容易に想像できると思うが、豚バラ肉と生卵はライスとの相性も抜群。まさに「すき焼き」。本当に中毒性の高い一杯である。
鶴林寺
四国霊場八十八ケ所のなかで第六の高峰、標高500 mほどに立つ鶴林寺。途中に下りや平坦を含むにも関わらず、4 km強の登坂の平均勾配は10%を超える。厳しい上りだ。
私が今まで訪れたお遍路激坂ランキングはNo. 1。上級コースではあるが、刺激的なクライミングを楽しみたい方はぜひ足を運んでみると良いだろう。
日本全国、どこへ行っても存在する、ラーメンと山。食べたら走る。走ったら食べる。今後も続くであろう、新しい発見が楽しみだ。
あなたもぜひ、お気に入りのラーメンとヒルクライムを組み合わせたルートでサイクリングに出かけてみてはどうだろうか。
才田直人の“自転車ワーケーション放浪旅” 連載中
第一回 プロローグ
第二回 旅の流儀
第三回 フェリーで広がる可能性 ~奄美群島~
第四回 自転車で訪れる八重山諸島
第五回 出発の地、目的の地、それは『レース』
第六回 東北沿岸を走る 東日本大震災から11年
第七回 ワーケーション自転車旅の装備
第八回 仕事の合間にライド。ライドの合間に仕事。
第九回 地域のシンボルとして愛される山
第十回 北海道 太平洋岸を行く3日間 600km
第十一回 自転車で楽しむ神話の土地 島根・鳥取
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著者プロフィール
才田直人さいた なおと
1985年生まれ。日本中、世界中を自転車で旅しながら、その様子を発信する旅人/ライター。日本の上るべき100のヒルクライムルートを選定する『ヒルクライム日本百名登』プロジェクトを立ち上げて、精力的に旅を続ける傍ら、ヒルクライムレースやイベントにも参加している。
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