2022年07月04日
【第90回全日本自転車競技選手権】インタビュー 第四回 / NIPPO・プロヴァンス・PTS コンチ監督 大門宏さん / レバンテフジ静岡GM 二戸康寛さん
2022年6月26日(日)、 広島県中央森林公園サイクリングロードで行われた第90回全日本自転車競技選手権大会ロードレースにおいて、チーム監督や著名人にインタビューを行いました(第四回/全五回)。
▷NIPPO・プロヴァンス・PTS コンチ監督 大門宏さん
▷レバンテフジ静岡GM 二戸康寛さん
▷NIPPO・プロヴァンス・PTS コンチ監督 大門宏さん
「ジュニアは頼もしい」
2021年はコロナの影響で秋にジュニアの大会が集中した事情もあり三浦(恭資)さんと一緒に各地のレース、高体連の合宿を視察しました。
私が改めて感じた事は「ジュニアは頼もしい」ということです。選手の競技への臨み方、姿勢がいい。たとえば個抜き(3000m)が3分30秒前後で走れていてケイリン選手にもすんなりとなれてしまうような実力ながら「オリンピックを目標」にしていたり「大学に入ってロードをやってみたい」という逸材がたくさんいます。
そう、ロードが好きなんですよ。意外にもインターハイより全日本をターゲットにしている選手も多かったのも印象的でした。 そういった気持ちがある逸材たちにNIPPO は力を注ぐ必要性も感じています。
その世代がアンダーにつながっていく。 日本だとアンダーは大学生だから、アンダー1年目(1年)、最後の年(4年)は「もっとも期待できる」と言う見方が強いですが、ヨーロッパは違います。ヨーロッパで大学4年の年だと、食べていけるプロ(WT)にいってるか、食べていけないので辞めて就職活動に切り替えるかという世界です。
ジュニアのレース数は多いので、中には「ジュニア30勝」という選手もいますが、アンダーに上がると先ずは壁にぶちあたる。それで勝てずにやめていく選手も多いです。そこで我慢していればアンダー2年目、3年目で実力は伸びてくる。そういう選手がWTを牛耳っていくことになります。アンダー2年目、3年目は最も伸びる年。本当にWTに行きたいならそこで伸びる選手でなければ難しいです。「勝てるからおもしろい。だからやる」。勝てなければ面白くない。勝てば周りからも褒められるから好きになる、だから練習もする。そういうサイクルです。 今は日本の大学でもプロの予備軍ともいえるコンチネンタルで走れる環境もあります。「ジュニアとアンダー1年目に希望がある」という話を三浦さんとよく話しています。
また「日本でいちばん強い選手」のサポートも継続したいと思っています。そこを諦めているわけではありません。「世界とのレベルの差を縮める」という意味で、今の日本の現状では選手の年齢は関係ない。新城も36歳。中根も31歳。私もTeamNIPPO での活動は30年間にも及んでいますが、日本を代表する、日本でいちばん強い選手」のサポートも重要な課題。反省点も多く、まさにいつも背中を押されている気持ちで取り組ませて頂いています。
▷レバンテフジ静岡GM 二戸康寛さん
以前のような活気が戻ってきたかなという印象
全日本選手権はチームから3名出場しているが、佐野に関してはシーズン序盤で怪我もあったし、ベストを尽くすしかないと思っている。アンダー23の高梨は上位リザルトを狙って走りました。その結果トップ集団でフィニッシュし、次につながる結果になりました。エリート1年目の村山は熱中症で途中リタイアとなったが、まだ若いし今回の経験が来年につながればと思います。
エリートは観客も多い。いよいよコロナについても収束の兆しがみえてきて、JCLという団体もできて以前のような活気が戻ってきたかなという印象がある。
(女子エリートの中止をうけて)選手側、フェレレーション側と双方の考えがあると思います。ただ日本でロードレースをやる難しさがある。お互い折り合いをみつけて、今後のレース運営をどうするか考える時期なのじゃないでしょうか。
【第一回】
チーム右京相模原ゼネラルマネジャー兼監督 桑原忠彦さん
キナンサイクリングチーム監督 石田哲也さん
Side by Side Radio 西薗良太さん
株式会社ENNE代表 中野喜文さん
【第二回】
チームユーラシア-IRCタイヤ監督 橋川健さん
EQADS(エカーズ)監督 浅田顕さん
群馬グリフィン GM 瀧澤成光さん
【第三回】
シエルブルー鹿屋 GM兼総監督 黒川剛さん
チームブリヂストンサイクリング監督 宮崎景涼さん
シマノレーシング監督 野寺秀徳さん
【第四回】
NIPPO・プロヴァンス・PTS コンチ監督 大門宏さん
レバンテフジ静岡GM 二戸康寛さん
【第五回】
バーレーン・ヴィクトリアス 新城美和さん
弱虫ペダルサイクリングチームGM 佐藤成彦さん
関連URL
公益財団法人日本自転車競技連盟 https://jcf.or.jp/
チーム右京相模原 http://www.teamukyo.com/
キナンサイクリングチーム https://kinan.racing/
バーレーン・ヴィクトリアス(新城幸也) https://twitter.com/yukiyaarashiro)
Side by Side Radio https://sidebysideradio.libsyn.com/
エンネ・スポーツマッサージ医院 https://enne.tokyo.jp/
NIPPO・プロヴァンス・PTS コンチhttps://teamnippo.jp/?page_id=35114
レバンテフジ静岡 https://www.levantefuji.jp/
弱虫ペダルサイクリングチーム https://yowapedact.com/
チームブリヂストンサイクリング https://www.bscycle.co.jp/anchor/team/
シエルブルー鹿屋 http://cielbleu-kanoya.com/
群馬グリフィン https://www.grifin.jp/
チームユーラシア-IRCタイヤ https://www.facebook.com/TeamEurasiaIRCtire
EQADS(エカーズ) https://www.eqads.jp/
シマノレーシング https://www.shimano.com/jp/shimano_racing/index.html
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得
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