2022年02月19日
パラチノース®️を使った補給食の作り方をプロチームマッサーの宮島正典さんに聞いてみた!【基本編】
さて、これまでの記事でパラチノースの理解が深まったと思います。
そのまま摂取してもパラチノースのよいところを引き出せますが、せっかくですのでサイクリングに適した糖質であるパラチノースを使って補給食を作ってみましょう。
補給食とは、サイクリング中にカロリーと栄養補給を目的として摂取します。
だいたい2時間くらい走るとエネルギーが枯渇していきますので、それを防ぐために、走行中に補食を摂ります。選手が走りながら食べているシーンを見たことがあると思いますが、今回は本場で使われているものを忠実に再現していただきました。
▷補給食選びは栄養価に優れ、食べやすく、持ち運びやすいものを
▷ライスケーキとは?
▷材料
▷作り方とポイント
▷材料が高価になってしまうことも
▷国ごとにライスケーキにも特徴が
▷試食!
▷次回予告(アレンジ編)
補給食選びは栄養価に優れ、食べやすく、持ち運びやすいものを
補給食として選ばれるものは消化しやすく、エネルギー源になる糖質をメインにします。また持ち運びしやすいというのも選ぶ基準としては優先順位が高いですね。
ヨーロッパのプロロードレースで、現在もっともホットな補給食をご紹介したいと思います。今回の補給食製作に協力をしていただいたのは、ワールドチームであるバイクエクスチェンジ・ジェイコでマッサーを務める宮島正典さん。
本場仕込みの補給食をご紹介いたします。
ライスケーキとは?
自転車ロードレース界で注目され始めた補給食で、ライスをココナッツオイルや糖類、ドライフルーツなどを加えて炊き、冷やしてひと口大にカットして、レース中に選手たちが食べる補給食のこと。歴史は古いようですが、10年ほど前にイギリスの「チームスカイ(現:イネオス・グレナディアス)」という常勝チームが採用したことで、プロトン内で話題となったようです。
今回作成するレシピだと、およそ1ポーションあたり150kcalとのこと。
材料
ライスケーキ(ベーシックタイプ)12ポーション(2〜3人分)の材料です。
製作時間:1時間(冷蔵まで)、30分(冷蔵後のカット作業)
※冷蔵庫に半日保管し、カットしてアルミホイルに包んで完成。
作り方とポイント
1.お米の量を測る
レースの現場では計量カップではなく、自転車用ボトル(容量は500ml)を使っているといいます。選手向けにはお米をボトル一杯にいれるとおよそ500gだといいます。この量だと24ポーション作成することができるといいます。
個人で作る場合は半分程度の分量でも十分な量のライスケーキを作ることができますね。
「レースの前日など限られた時間を節約するために、細かいことはできません。だいたいの量や重さはわかっているので、目分量で作っています」と宮島さん。
お米はリゾット用のお米を利用します。
「一般的なお米とはちょっと形がちがっていますね。粘りが出にくくてライスケーキに向いています。ヨーロッパならお米の値段はどちらも変わりませんが、日本でリゾット米を買うと少し割高になりそうです」。
ちなみに一般的な日本のお米でもライスケーキを作ることができるそうです。
材料が高価になってしまうことも
日本では材料が高価になってしまうことも
食材はオーガニック系の食材が好まれています。
「その上で普段摂取しているもの、手に入りやすいもので作ります。今回はヨーロッパ式で忠実に作っていますが、現地ではアガベシロップやココナツオイルなどは手に入りやすいのです。
しかし日本ですと普通のスーパーでは手に入りにくかったり、健康食品コーナーなどでは高級品ですのでコストも結構かかってしまうでしょう。
そういった意味ではレシピを参考に、手に入りやすい代替品を用いてみてください」
2.500mlの水を用意する
水も自転車用ボトルでそのまま測ることができます。ボトル1本分の水とお米をスロークッカーに入れましょう。
3.ココナッツオイルを入れます。
ココナツオイルは気温が低いと固体になりますが、夏場など気温が高いとサラサラした液状になります。ライスケーキは冷蔵庫で冷やすので、当然固まりますね。
大さじでおよそ3〜4杯。「量は大雑把のように見えますが、経験でこれくらいかなという量を調整しています(笑)」と宮島さん。
4.パラチノースを入れます。
ここでパラチノースを入れます。
4.スロークッカーで煮立てます。
日本の家庭用炊飯器でも大丈夫です。日本のような炊飯器はヨーロッパにはないため、スロークッカーを用いているそうです。
「ずっとみている必要はないですが噴き上がったときは、蓋を外すなどして温度の調整をします」。
このクッカーは中の様子が見られるので、煮立ちすぎた時に蓋をずらすこともできる上、容量的にも使いやすいサイズのようです。
レース時間や距離が長く、多くの選手が出場するクラシックレースの場合はクッカーをいくつも用意してたくさんの量のライスケーキを作るとのこと。
煮立ってくるにつれココナッツオイルのよい香りがしてきました。
5.水が飛んだら炊き上がり
水が抜けてきたら炊き上がりです。すこし水っぽくても冷やすので大丈夫とのこと。炊飯機能のついたスロークッカーだと使い勝手が良さそうです。
6.アガベシロップを入れます。
アガベシロップを50g前後入れます。好みで量を調整をしてください。ちなみにパラチノースと同程度の低GI値で、好まれて使われておりハチミツよりも推奨されているようです。
7.シナモンパウダーを入れます。
シナモンはその香りだけでなく健康改善をサポートするスパイスとして親しまれていいます。粉振りボトルを使っているなら15〜20振りとたっぷりと入れました。量はお好みで調整してください。シナモンの香りが食欲を誘います。
8.よく混ぜて、プラスチックバッグに入れ、冷蔵します。
材料をすべて入れたら、しゃもじを使ってしっかりと混ぜましょう。混ぜ終わったら温かいうちにファスナー付きのプラスチックバッグに入れて、平たくならします。ファスナーに付着しないように気をつけましょう。
そして1日冷蔵庫で冷やします。
「作ったらおしまいではなく、冷蔵庫に入れる必要があります。レースの現場ではチームのトラックに冷蔵庫などの設備がしっかりとしていないと、こういった補給食の管理は難しい面はありますね」
9.冷えたらカットして包みます
冷蔵庫で冷やしたものを背中のポケットに入れやすいサイズ(食べやすい大きさ)にしましょう。カットしたものはアルミホイルなどで包んでいきます。
日本でいうと小さいおまんじゅうのようなイメージですね。
チームで使っているのは厚手のアルミホイルで、さらに樹脂加工されていて、くっつきにくいものを使っているとのこと。日本でもおにぎり用などで使い勝手がいいものが販売されているので代用してみましょう。
ライスケーキは冷えた状態で提供します。
「レース前日のホテルで作っておき、冷蔵庫で保管しレース当日の朝、カットして食べるという方法をとっているので、選手たちは出来立てを見たこともないでしょうし、もちろん食べることはありません」と宮島さん。
国ごとにライスケーキにも特徴が
国によってさまざまな特徴があると宮島さんは言います。
「チームによってはココナツミルクで炊いたりしていましたね。あるチームはリンゴジュースで炊き、リンゴのコンポートを入れるというものもあります」。なんだかとても美味しそうですね。
「ベルギーではメジャーなライスとクリームチーズのお菓子(タルト・オ・リ)と似たようなライスケーキが提供されていましたね。レースの強度が高くて寒いときはたくさん食べないと走れないので、そういったしっかりとエネルギーがとれる補給食を活用しています」。
試食!
「大変美味しい!」「食べ過ぎそう」と絶賛のテイスト!
スタッフ一同で試食をしてみました。リゾット用のライスなので、米粒がしっかりとしています。シロップやココナッツオイルが固まっているので、しっかりとした食感。シナモンの香りがして食欲をそそります。おやつとしても美味しいですが、1つ当たり150kcalもあるので、食べすぎないように注意したいですね。
次回予告
いかがでしょうか?
さて今回はベーシックなライスケーキをご紹介しました。次回は、宮島さんのライスケーキ・アレンジ編をお届けします。
補給をするのが待ち遠しくなるレシピをご紹介します。
※パラチノース®︎は三井製糖の登録商標です。
関連URL:ピュアパラ
https://www.palatinose.jp/purepala/
前回までの記事はこちら
パラチノース®︎が持久型スポーツに適している理由 「パラチノースってなんですか?」
パラチノース®︎が持久系スポーツに適している理由2「糖質を使い分けてみよう」
パラチノース®︎ができるまで
パラチノース®︎って、どうして「パラチノース®︎」って呼ばれているの?
パラチノース®︎利用テクニック編 「摂取するタイミングを見定めよう」
パラチノース®️をスポーツで利用するためのテクニック 「市販のスポドリがスペシャルドリンクに!?」
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RAKUTEN
写真:小野口健太、編集部
取材協力:バイクエクスチェンジ・ジェイコ 所属 宮島正典さん
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。
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