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2022年10月10日

【グランフォンドピナレロ八ヶ岳 supported by パラチノース 詳報】晴れ渡る空に映える山の稜線を目ざして走れ!

10月1日(土)、2日(日)の2日間、快晴の八ヶ岳山麓(山梨県北杜市)で開催された「グランフォンドピナレロ八ヶ岳 supported by パラチノース」は、3年ぶりの復活開催を天から祝福されているかのような快晴の下で開催された。この日は風も穏やかでサイクリングには絶好のコンディション。参加者はそれぞれのペースで八ヶ岳山麓のコースにチャレンジした。今回はゲストライダーや参加された皆さんのコメントなど、詳細レポートをお届けします。

ファウスト・ピナレロさん、今中大介さんを従えて本場の作法でグランフォンドを堪能!

イタリアの人気バイクブランド「ピナレロ」のファウスト・ピナレロ社長が、グランフォンド・ピナレロ八ヶ岳を走った! ピナレロ社は地元イタリア・トレヴィーゾ周辺でグランフォンド・ピナレロを主催しており、このグランフォンド・ピナレロ八ヶ岳はその姉妹大会でもある。

イタリアで主催しているグランフォンド(グランフォンドピナレロ)も走っているファウストさんは、実はグランフォンド八ヶ岳の第1回大会(2011年)にも参加したものの、悪天候のため途中でDNF。この日、ようやく日本のグランフォンドを本格的に走ることになり、旧知の仲で現役時代イタリアでプロ生活を送った今中大介さんとともにスタートした。

毎年、他のサイクリストと交流しながらゆっくり走る今中さんだが、この日はそうはいかなかった様子。

「ファウストは自分たちで開催しているグランフォンドみたいに、エイドステーションにも寄らずにレースみたいに走りたいと言っていたんです。僕としてはファンライドの側面も楽しみたく、エイドステーションに立ち寄って食べるのに慣れているので、1分だけ、2分だけ止まろうと諭しながら走っていました」

その言葉通り、2人はエイドステーションでのストップを最小限にして、上り坂などの難所では今中さんがファウストさんを先導しながら走り、早くも午後1時過ぎにフィニッシュ。ファウストさんは日本のみなさんに感謝しながら、この日を走りを振り返った。

「最初にみなさんに感謝したい。ボランティア、警察官、大会運営のみなさん、カワシマサイクルサプライ、みなさんが全ライダーに対して親切だった。実はコースがこんなにタフだとは思ってなかったんだ。『ドメスティーク(アシスト)』の今中さんのおかげでフィニッシュできたよ。彼とはエイドステーションに7回ぐらいに止まって、ビーン(花豆)、ライス(おにぎり)、ポテト(金時芋パイ)をいただいたかな。ちょっと食べすぎたったけど、すべて完璧だった」

「グランフォンドを走っている人もグラベルを走っている人も、みんなハッピーそうだった。いろんなところで写真を撮ったり、休憩をとったり、落ち着いて自転車に乗るのを楽しんでいるし、そういう彼らが大好きだ。イタリア人は『アレ!(行け!)』『フルガス(全開!)』とタイムを気にして、エイドステーションにも止まりたがらない。グラス1杯の水を飲むくらいなんだよ!(笑)」と、フィニッシュ後にこう述べている。

今中さんは好天の下でファウストさんと走りながら、地元・山梨の魅力をあらためて味わっていた。

「景色もよかったし、爽やかな風も八ヶ岳らしかった。朝は寒かったけど、走っている間はちょうどいい気候でした。コスモスがちょうど咲いていてきれいだったし、明野から先はリンゴ園も見えました。山梨はフルーツ王国で、桃とぶどうが有名だけど、広々した景色の中でりんごがなっていて、エイドでも食べることができた。ファウストも八ヶ岳だけじゃなく、富士山と南アルプスが見えるのを初めて知って喜んでいたし、ファウストと走れてよかったです」と今中さん。

エース栗原さん、家族・仲間と一緒にサイクリストを応援!

北杜市在住の地域密着型プロアスリート「エース栗原」こと栗原正明さん。グランフォンドをスタートした後、多くの参加者をパスして自宅に立ち寄り(!)、応援グッズの恐竜の着ぐるみ(!!)を持ち出して、家族とともにコース後半の難所のひとつ明野の坂へ。そこで参加者の背中を押したり、声援をかけたりして、サイクリストを励まし続けた。

「約2時間半、明野の坂で家族みんなで応援して、仲間も呼んで多い時は7、8人でがんばれ、がんばれと応援していました。普段、僕は応援していただく立場なので、今回は来ていただくみなさんを応援して力を与えたいなと思って、全力で押しました! 40人ぐらい押したんじゃないですかね。ありがとうと言ってもらえたし、tom’s cyclingさんの紹介動画を見て声をかけてくれる人もいました」

「今までにない雲一つない景色のもと、北杜市を満喫できるような1日になったと思います。四方を山に囲まれているのが山梨の一番の魅力、景色を楽しんで、坂道も苦しみながらも楽しんで、北杜市、山梨ならではのイベントをみなさん実感できたのではと思います」

「僕自身にとっては、3年前の前回は子どもが生まれる直前で、今回、子どもが3歳になってしゃべれるようになったんです。子どもがカウベル鳴らしながら『がんばって!』と応援したら、みんな『ありがとう!』と返してくれて、子どもの応援のパワーがもうひとモガキするきっかけを与えられえて、とてもよかったです」

tom’s cycling 夫婦で快走!

大会前に試走動画も公開していた自転車YOU TUBERのtom’s cyclingのお2人。今回は全エイドに立ち寄りながら、約5時間でゴールするという快速ぶりを見せてくれた。

「エイドの食べ物は、僕は全部は食べれなかったけど。彼女は全部食べました。みんなで走ると特別な雰囲気で楽しいですね。途中で今中さんとファウストさんとも一緒に走れました。海岸寺のつづら折り上りがすごく好きで、走っていて一番気持ちよかったです」(TOMIさん)

「私は武川の景色がすごく好きで、川の流れる感じと八ヶ岳の山々がドーンと見える景色が個人的に一番でした」(YOPIさん)

グラベルフォンド初開催! オフロードで新たな自転車の楽しみを!

ブームが盛り上がりつつあるグラベルロードをより楽しむため、今回はグラベルフォンドを初開催。今回のコースは総走行距離117km中グラベルは3区間計11km、それ以外の約9割はロード区間と共通で、グランフォンドとほぼ同じ距離、上りをこなしていく。

「自分で走ってみて、結構きつかったですね。グラベルの自転車でこの距離を走り、これだけ上るのは、それなりの準備しないと後半がきつくなるのは、自分でも教訓としてありました」

「今回はグランフォンドと同じエイドステーションを通るという条件で試験的な部分がありましたが、来年はグラベルを4割ぐらいにする計画で、そうすれば参加者も満足してくれて、グラベルの醍醐味をわかってくれると思います」と矢野さん。

元シクロクロス全日本王者の竹之内悠さんも、グラベルフォンドに出走。矢野さんらとともにコースの試走にも参加したが、この日はサイクリストたちとの交流を楽しみながら走った。

「みなさんといろいろ話しながら走ってるんですが、景色がめっちゃきれいで、天気も最高ですごく楽しいです。前半のグラベル1区間終わって、ショートコース(ショートカット)に行くと宣言としてたんですけど、気持ちよくなってきたし、みんな集団で走ってるんでロングを走ることにしました」

竹之内さんの目から見ても、グラベルを走るサイクリストたちのレベルは高かったようだ。

「グラベル区間はお馬さんが道を耕してデコボコしてるところもあったけど、スムーズに走れる区間もあってグラベルバイクが気持ちよく進んでくれます。参加者のみなさんも上手でパンクを1名見たけど、スムーズに走れている方が多かった。心配な方がいたらお声掛けしようかなと思ったたけど、慣れてる方が多いようで、全然そんな必要もなさそうでバリバリ走られていました」

サイクリストたちも青空の下のグランフォンドを満喫!

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岐阜県瑞浪市の「サイクルショップDADDY」のチームのみなさん。「店長は本場のグランフォンドに出ていて、ファウスト社長とも知り合いです。みんな5、6回目の参加で前夜祭(飲み会)も楽しみにしています」

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岐阜県の加藤さんご夫妻は、第1回から参加。奥様の病気で5回ほど不参加の年があったが、それ以外は毎回出場するほどグランフォンド愛が強い。
「岐阜にも山はあるけど、ここのような高原はないんです。今回は天気よくて、風もない。八ヶ岳もきれいに見えたし、富士山がずっと見える年というのはなかなかない。いい景色見て、おいしいもの食べて、健康になれる自転車は楽しいです」
旦那さんは、今回たまたまゼッケン1番をゲット。「せっかく1番をもらったので、スタートも1番前、今中さん、栗原さんの後ろに並びました。いい大会になりました」

豪華ゲストも登場のウェルカムパーティ&トークショー!

開会の挨拶を行う浅川力三大会会長

前日10月1日のウェルカムパーティ。ステージでは、地元・山梨在住の今中大介さん、エース栗原さんによるコースガイドが行われた。「スタート後はいきなり下りが続くので、ペースを落として走りましょう。後半に明野、海岸寺の上りが待っているので、前半の下りや平坦で踏みすぎないように」「標高差が1000mあり、朝は寒いので着脱しやすい薄手のウインドブレーカーを1枚用意しましょう。日焼け止めも必要になります」といった実践的なアドバイスも。また、コースを知り尽くしたお2人がおススメする絶景ポイントも紹介!

「ゆっくり吸収される持続性エネルギー源」として注目の「パラチノース」のトークショー。グラベルフォンドのコースを監修したラファレーシングの矢野大介さん、グランフォンドの試走動画を公開した自転車YOU TUBERのtom’s cyclingのお2人らが登壇。昨年の東京五輪で英国ロードチームのサポートをした矢野さんはゲラント・トーマスら代表選手も実践していたフルール系のシロップにパラチノースを混ぜる裏技を紹介していた。

ピナレロ社長のファウスト・ピナレロさんも、トークショーに登場。「今年は父(創業者のジョバンニ・ピナレロ氏)の生誕100周年、会社設立70周年、私が60歳、本場イタリアのグランフォンド・ピナレロが25周年の記念の年。来年は日本のみなさんにも我々のグランフォンドに来てほしい」と感慨深い様子で語っていた。

大抽選会ではピナレロのウェア、OGK KABUTOのヘルメット「IZANAGI」など豪華賞品多数が賞品として出され、大盛り上がり

豪華キャンピングカー「KABE」がサイクリストの視線を集める!

メルセデスベンツをベースにしたスウェーデン発のキャンピングカーブランド「KABE(カーべ)」。ヨーロッパで65年の歴史を誇るが、今年「KABE JAPAN」が設立され、日本でも導入が始まろうとしている。

今回、他に先駆けて会場では「KABE」のキャンピングカー3台を展示。存在感抜群の車体に加え、豪華なソファやベッド、冷暖房、大容量の収納、キッチン、シャワー、トイレなど、遠征するサイクリストが快適に過ごせる装備がそろった車内に、参加者も憧れの視線を送っていた。

ドグマFのニューカラーも登場! 各ブランドの注目モデルがそろった出展ブース

ピナレロのブースでは、ワールドツアーで好成績を挙げているフラッグシップ「ドグマF」の2023年板ニューカラーのフレームがお目見え。デュラエースR9200シリーズをアッセンブルしたモデルも展示。試乗車も多数用意されていた

エリートのブースでは新型スマートトレーナー「JUSTO」とバーチャル空間の勾配に合わせて最大20%までフォークを昇降させる「RIZER」を体験可能。ZWIFTなどのヴァーチャルトレーニングで、よりリアルな走行感を実現

フルクラムは、前後1,280gのヒルクラム用最新ホイール「SPEED 25DB」を展示。またブースでは17モデルのホイールを参加者にレンタル。実際にグランフォンドを走って、乗り味を確認できる

F1タイヤが鎮座するピレリのブースでは、フラッグシップのPゼロシリーズのタイヤなどを展示、また最新のシーラントなども販売

カンパニョーロのブースでは、高性能ホイールを特別価格で販売

オークリーは人気のアイウェア「SUTRO」のチタンフレームモデルを展示。ゴールドフレームの同型モデルは、世界屈指のスプリンター、マーク・カヴェンディッシュも愛用

持続性エネルギー源「パラチノース」のブース。粉末タイプの「ピュアパラ」をお得な会場限定価格で販売。これでグランフォンドもエネルギー切れの心配なし!

「OGK KABUTO」は、注目の最新エアロロードヘルメット「AERO R-2」などを展示。大好評だった前作AERO R-1よりもベント(通気孔)数を減らしながらも、通気性と空力を向上させるエアトンネル構造を採用

キャットアイのブースでは、センサー不要のGPSサイクルコンピューター「AirGPS」、腕に巻く光学式心拍センサー「OHR-31」、昼間でも目立つ大光量のテールライト「ViZ300」など注目の新アイテムをお披露目

ダイアテックのブースでは、「Muc-OFF」のケミカル、「PEdALED」のウェア、「GIRO」のヘルメットやシューズなどを展示。GIROのヘルメット「ECLIPSE SPHERICAL AF」は二重構造の外部シェルで高い安全性を誇り、通気性、フィット感、軽量化も向上


次回のグランフォンドピナレロ八ヶ岳も、リピーターの皆さんはもちろんのこと、走ってみたいというみなさんも大歓迎しています。グラベルフォンドもより走りやすく達成感が得られるよう、ブラッシュアップしていきます! 乞うご期待。また来年八ヶ岳でお目にかかりましょう。

関連URL:
速報レポート https://funride.jp/events/gfpy2022-01/
グラベルフォンドレポート https://funride.jp/events/gfpy-gravel2022report/
KABE JAPAN https://kabejapan.com/
DM三井製糖 https://www.palatinose.jp/purepala/
ピナレロジャパン http://www.pinarello.jp/
グランフォンドピナレロ八ヶ岳公式ページ https://gf-yatsugatake.jp/

Photo:小野口健太、武智佑真、播本明彦

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