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2018年07月18日

【富士チャレンジ200】攻略法 野口忍 「富士スピードウェイの走り方・必要な装備」

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富士チャレ攻略 第2回は野口忍さん。トレック・ジャパン勤務を経て2018年4月、念願のサイクルプロショップ THE EARTH BIKES をオープン。
現役時代はマウンテンバイク クロスカントリー競技の日本のトップ選手として活躍。アジア選手権で3度頂点にたつなど輝かしい成績を修めている。トレーニングはロードバイクで行なっていたという経緯もあって、ロードバイクも巧みに乗りこなす。そんな野口さんには、ご自身の経験談やショップから見た攻略法を教えていただいた。

2000年 MTBクロスカントリーアジア選手権大会優勝
2001年 三浦恭資氏率いるキナンチームメンバーとしてツール・ド・北海道出場など、ロードレースにも積極的に参戦。
2002年 MTBクロスカントリーアジア選手権大会優勝
2003年 MTBクロスカントリーアジア選手権大会優勝
2004年 MTB全日本選手権大会優勝
2007年 現役引退
2008年 トレック・ジャパン株式会社に入社
2018年  4月14日 トレックコンセプトストア THE EARTH BIKES をオープンするearthbikes_ALL
アースバイクス
〒661-0047兵庫県尼崎市西昆陽2-2-32
TEL:06-7509-3306
https://www.the-earthbikes.com/


富士チャレンジ200を走る心得
ソロ200kmも100kmも制限時間は7時間と同じですが、ゴールド・シルバー・ブロンズを狙っている人が多いとおもいます。また勝ちを狙っていくためにはどんな走りをすべきでしょうか。
機材面も重要ですし、走り方も重要ですね。三船さんもおっしゃる通り(【富士チャレンジ200】攻略法  三船雅彦「エンデューロレースに必要な練習法」)集団で走る技術が重要ですね。ロードレースと同じで自分の力を温存して、イーブンペースで走りきるかというのが求められますね。ペース配分も求められるでしょう。集団で楽に走れるかというと、普段一人で走る機会が多い人は、何らかの形で集団で走るスキル面を準備してほしいですね。
ここで言うスキルというのは前の人、横の人、斜め前の人など、相手の距離感を把握すること。集団走行に慣れていないと集団のなかで意図せず違う動きをしてしまって、接触して落車を引き起こしてしまうのです。こればかりはどんどん経験を積んでいってもらうしかないので、練習会やレースイベントで体験していくしかないです。コミュニティがない人などは、練習場所としてサイクリストが集まるコースで、声をかけて混ぜてもらったりするといいですよね。もちろん公道で並進はできませんが少なくとも単独で走っているよりはいいでしょう。一列でも走ることで、どこにいれば最適な(楽か)のかわかるようになります。風向きに合わせて位置をずらすだけで横風の風圧を避けることができます。そういった体験を積むことで富士チャレだけでなく、どこでも安全にみんなで走れるようになります。
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コースはどんな特性?

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サーキットなので、自転車にとってタイトなコーナーはありません。ラインどりに慣れていけば距離的にも最短で走ることができるでしょう。
基本的な例としてコーナリングでブレーキをかけすぎるとタイムロスはもちろん、再び加速するために体力を消耗してしまいます。
私はコーナーが得意なので、あえてメインストリームから外れて抜けることがあります。というのも、前のライダーが失速したときにこちらのスピードも抑えなくてはならなくなります。技術あっての話ですので「どこまでオススメできるか」という点で難しいですが、周りを見て安全を確認し自分の走りやすいコースどりをすることでスピードも体力もロスすることなくコーナーを抜けることができますね。100kmでは22周ありますので、コーナーひとつでも22回。大きな差になるはずです。もちろんラインを外したら危険だと判断した場合は、前の人と同じラインを走りますよ(笑)。
第一コーナーを抜けると長い下りがあります。安全最優先ですが空気抵抗を減らし、スピードを保つために体を小さく屈めて下るのもいいですね。ただしやったことがない人は絶対にやらないように。ハンドル操作が難しいですので落車してしまうかもしれません。
下りはなるべく足を使わずに行けるところまでいってしまう。下りで貯めたスピードは次の上りへ生かしたいですね。
ここではギア比に注意してください。初心者に多いですが長い下りでせっかくスピードに乗せてもギアが低すぎて空回りしている人や、そもそも変速する回数が少ない人がいます。
コツとしてはスピードの変化に伴って気持ちいいケイデンスだなと感じるギアに変速します。シフトチェンジに意識をしてみると、普段からかなり変速をしているなというのを我ながら感じます。
レース映像などでプロ選手の走りを見ていても結構、ギアを変えているのがわかると思います。
このコースは、ホームのストレートは除きますが、アップダウンもあって一定スピードで走れる場所がありません。車のレースでも一緒ですよね。エンジン音の変化で予想できますがギアを頻繁に変えています。これと感覚は同じです。
スピードやケイデンスが落ちてからでは、すでに変速のタイミングが遅れてしまっています。変速のテンポが遅れると踏み込むのも遅くなり、再加速に体力を使います。どのタイミングで変速するとスピードを損なわずに走れるか、という練習をしておくといいでしょう。

目標達成には、集団効果が不可欠

100kmの部で3時間以内で走ることを目指すと、平均で33.3kmで走ることになりますが、これを単独で走るとするとかなりの力が必要です。
単独で走るよりもペースメーカーを務めるサポートライダーの集団などを利用するといいですね。でも頑張りすぎないように。速すぎるペースの集団に無理をして着いていって、体力が完全に売り切れてしまうと、ペースは一気に落ちてしまいます。集団のペースが速いな…..と思ったら集団から下がって、次の集団を待つようにしてペースのあった集団を見つけるといいです。

サイクルコンピュータで残りの距離を計算し着いていくか、温存するか考えて走りましょう。見極めは難しいところですが、パワーメーターなどを持っているなら、自分がどれくらいのペース(パワー)なら続けることができるか、練習のときから知っておきましょう。これも練習のひとつですね。
例えばガーミンのサイクルコンピュータなどについているバーチャルレース(過去の自分と仮想レースができる)の機能を使うとモチベーションも高まっていいですね。
サイクルコンピュータだけでしたら現在のスピード、アベレージスピード、時間を見えるようにしておくと把握しやすいですね。

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水分補給

水分補給にも気を使いましょう。普段からどのタイミングで、どれくらい摂るかということも練習で普段からやっておきましょう。また高機能サプリを活用して、パフォーマンスを維持できるように努めましょう。
レースやイベントとなると雰囲気もよくテンションが上がります。そうすると普段よりも力が出せることがあります。アドレナリンが出て、集団にもついていけるかもしれません。絶好調でも冷静になって水分やエネルギー補給を欠かさないようにしましょう。3時間休むことなく走り続けるとなると運動強度も高いので、途中でなにか補給しなければなりません。走りながら食べる場合、集団走行中に補給をする必要がありますが、慣れていないのでしたら集団の後方に下がって安全を確認してから補給をするなど、集団への配慮も必要です。ポケットから補給食を取り出すときにバイクがふらつきやすいですので、これも普段から練習をしておくこと。
機材面としてアドバイスするとボトルを取るのが怖いのでしたら、ハイドレーションバッグのような口元にストローが伸びているものを利用するのもいいです。レースによっては使えない場合もありますので、競技ルールをチェックしましょう。
補給食も背中のポケットを使わない場合は、バイクのトップチューブに貼り付ける補給食もありますので、積極的に利用してみてはそうでしょうか。

機材

ホイールやタイヤ
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20万円から30万円クラスの完成車の場合、アッセンブルされているホイールはエントリーモデルであることが多いです。
より軽量で剛性も保たれているカーボンホイールなどにグレードアップすると走りのパフォーマンスがぐっと高まります。ホイールだけで200gから300gも変わると、ぜんぜん違う乗り物になるので、最寄りのお店に相談してみるのもいいですね。
このコースでしたら、ディープリムホイールが有効でしょう。フロント30mm、リア50mmのような風向きと空力の両方に対応できるようなアッセンブルがベストですね。

また、走る前の空気圧のチェックを習慣づけましょう。例えば高級なチューブラータイヤはラテックスチューブを使っていることがあり、空気が1日で抜けてしまうこともあります。チューブラータイヤに限らず、クリンチャーやチューブレスタイヤでも空気がなにかの拍子に抜けてしまうこともあります。走る前には必ずタイヤに空気が入っているかどうか確認をしましょう。
サーキットなのでパンクのリスクはあまり大きくないのが嬉しいですね。それでもパンクするときはします。

 

ショップ目線から一言

大会当日で会場で車検していませんが、大きな集団で走り高速の下りもあります。バイクのメンテナンスは重要です。出場前にしっかりと整備しておきましょう。
メカトラブル回避は一緒に走る人はもちろん、ご本人のためでもありますので、チェックしましょう。自分でできない人はお店で見てもらいましょう。イベント前にはショップを訪ねて点検をしてほしいですね。時間的に行けないという人は最低限、規定トルクでハンドルやサドル、ステムが締まっているか、クリックレリーズが締まっているか確認をしましょう。
イベントに出る前の点検は最低限のマナーとして、しっかりやりましょう(例えば、パーティへ行くのに短パンとサンダルで行きますか? というとわかりやすい!?)。
また、綺麗な状態でライドすると気分もいいものです。掃除すると自転車の動きもよくなりますし、メカトラ予防効果もあります。

用意すると便利なもの

スペアホイール
イベント中にパンクしてしまったら修理する時間がありませんので、ホイールごと交換するといいです。
またコースからパドックまでの距離が近いし、ピットインすることもできるので、すぐに交換できるようにスペアホイールを持っていくと安心ですね。

雨対策には

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各タイヤメーカーにはいろいろなラインナップがあり、そのひとつにレイン用タイヤというものがあります。ボントレガーではAW3というモデルがあり、いわゆるオールウェザーのタイヤなのですが雨でもグリップ力が高いですね。雨が心配なときはそういったものを用意されるほうがいいですね。転ぶと怪我をするし、自転車も傷ついてしまいます。
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ブレーキパッドのチェックもしておきましょう。雨天だとより消耗しやすいですし、200kmも走るのでしたら新品に換えてもいいでしょう。リムブレーキのカーボンホイールはブレーキ性能が落ちることがあります。できることなら雨のなかで一度走ってみて、各部の動きの確認をしてもいいと思います。時間に余裕があるのでしたらアルミのホイールと専用のブレーキシューに交換するというのがベストですね。
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ウエアのチョイスも
身体が冷えると走れなくなります。
パフォーマンスが落ちないように、ウインドブレーカーや、レッグウォーマーなどを用いる。ラテックス製のヘルメットカバーや、シューズカバーといったものも効果的ですね。完全に守ることはできず隙間から少しずつ水は入ってきますが、着けていると快適ですね。
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マッサージオイルのメーカーから出されている雨天時用のオイルなどもあります。皮膚に塗布すると成分によって保温効果があるものなどもありますので、気温が低いときには効果的です。
雨の時の必需品はシャモアクリームです。レーサーパンツのパッドに塗布するクリームで、皮膚を保護する役割があります。雨の時に塗らないとオデキができやすくなりますね。またリアホイールから跳ね上げた水がパンツに浸透しオデキができてしまう原因のひとつではないかと考えています。そこで泥除けを付けると予防になります。重さが気になるならASSセーバーという簡易泥除けなども効果がありますね。

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チェーンオイルも流れやすいですね。チェーンやチェーンリングの磨耗を早めてしまいますし、摩擦抵抗も増えてしまいます。レイン用の粘度が高いものを塗布するなどして対策を取りたいですね。でもオイルの塗りすぎも良くないですので、適量を心がけましょう。
意外なところではバーテープです。水を含むと握り心地が大きく変わるものがありますので、注意が必要ですね。
余談ですが、使い古したチェーンから新品に交換すると反応がすごくよくなりますね。こんなに違うんだな〜って思いますよ。

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こういった装備は週間の天気予報をチェックして、事前に用意しておきましょう。イベントに向けた準備はお店と相談して、いろいろと工夫するのも楽しいものです。

練習できる、できないはそれぞれの環境によります。できない環境であるなら、できないなりの走りで無理をしない。走り出してキツかったら目標設定を修正していく、というのもマナーかなと思います。

 

富士チャレンジ200のエントリーはこちら

関連URL
https://www.the-earthbikes.com/
https://www.facebook.com/THEEARTHBIKES/
http://www.fujichallenge.jp/entry/

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