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2018年06月05日

瀬戸圭祐の 「快適自転車ライフ宣言」6-8)センスが光る!ウェアラブルグッズで快適に!

瀬戸圭祐の 「快適自転車ライフ宣言」 第6章:底なしの魅力!?ツーリングを徹底的に楽しむ

6-8)センスが光る!ウェアラブルグッズで快適に!

 

サイクリストは見た目にカッコイイ! バイク本体もアクセサリー類もウェアーも、機能美を追及したデザインであり、安全美でもある色彩豊かなカラーリングで存在をアピールしている。身に付けるウェアラブルグッズもそれぞれに大切な機能と役割がある。それらを良く理解した上で、オシャレなコーディネイトを心がけて選びたい。カッコイイサイクリストを目指そう。

 

<ヘルメットは命を守る>

ヘルメットは必需品である。乗車時の着⽤はクルマのシートベルトと同様の感覚で習慣化したい。着⽤を義務付けている先進国もあるのだ。自転車死亡事故での損傷主部位の割合は約6割が頭部である。また自転車事故で頭部に損傷を負うと60%以上が死亡に至る重大事故につながるという。(出典:「交通事故分析リポートVol.97」/(公財)交通事故分析センター)

ヘルメットをきちっと着用していればその大部分は助かったのであり、実際筆者もこれまでに2度、転倒などにより頭部を強打してヘルメットに救われた経験がある。もちろんヘルメットは割れたが、頭に異常はなかった。(もともと異常かもしれないが???)

ヘルメットは、転倒や事故の際に頭を守るためだけでなく、目立つことでクルマなどに存在をアピールし、事故を抑制することも大きな目的である。カラフルなカラーリングはそのためだ。尚、一度転倒などで大きなダメージを受けたヘルメットは、機能が著しく低下するので使えない。

 

<ヘルメットの選び方>

ヘルメット選びで大切なことは自分の頭に合ったヘルメットを選ぶことである。しかしほとんどのヘルメットは誰にでも装着できるようにアジャスター機能がついている。デザインやカラーリングで選んでから、自分の頭との相性を確認し、フィッティングを行っても大丈夫だ。

● 形は欧米モデルと国産で異なる

頭の形は人それぞれ違うが、大きくは東洋型と欧米型に分類される。東洋型は横幅が広くて丸く、欧米型は横幅が狭くて楕円形が多い。日本人は東洋型の頭の人が多いため、日本人向けに作った国産メーカーのものがフィットしやすい。欧米メーカーのヘルメットは日本人には両サイドが窮屈な場合があるが、ほとんどは調整可能な範囲なのでフィットさせることができる。

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国産メーカーのものはフィットしやすい。ともあれ、まずは試着してみることが重要だ

● サイズを合わせる

ヘルメットのサイズはほとんどのモデルにS,M,Lのように数サイズの選択肢がある。但し同じサイズ表記でもメーカーによって大きさは異なるので、必ず試着してフィット感を確かめよう。ヘルメットは長時間かぶり続けるので、形やサイズが合わなければ苦痛なだけでなく、疲れにも影響し、酷い場合には頭痛など体調不良を起こす可能性もあるので良くチェックしておく。

● 価格と安全性をチェック

基本的にどのヘルメットも「安全性」は絶対条件として確保されており、価格による大きな違いはない。とは言え数千円から数万円と大きな価格差の要因は何なのだろうか?

高価格の上位モデルは、軽量化を図った特殊な設計や凝ったデザイン、フィット感を追求する内装生地やストラップなどに特殊な素材を採用したりしている。付加機能が多く設定され構成パーツが多いなど、製造方法も複雑でコストがかかっている。リーゾナブルな価格のモデルは、スタンダードな素材を使用してシンプルな形状を採用し、付加機能は最低限のものに限られている。

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アジャスターの機能性も価格によって異なる部分


● デザインは重要!

ヘルメットは目立つことが大切であり、ウェアラブルグッズの中でも注目されやすい存在だ。流線形をした独特な形状は、空気抵抗を低減し通気性を高めるためのデザインで、機能美も追求されている。自分のオシャレをアピールするのに大事なアイテムなのだ。

選定の際にも、まず気に入ったカラーやデザインのものをかぶってみる。鏡で自分に似合っているかどうかを確認しよう。車体やウェアーとのコーディネーションもイメージしておきたい。サイズや形状を確認しながらしっかりフィットするかをチェックする。気に入ったデザインの中から自分の頭にフィットするものを選べばいいのだ。

● 正しくフィッティングする

1)ヘルメットは前頭部から深めにかぶり、前端をまゆ毛の少し上にして、おでこが出ないようにセットする。欧米製など横幅の狭いモデルは側頭部が引っ掛からないかチェックする。

2)次に後頭部にあるサイズを調整するベルトや、ダイアルなどのアジャスターで締め具合を調節する。その状態で頭を振ってズレなければOKだ。

3)最後にあごのストラップを締めるが、これが緩いと有事の際にヘルメットが外れてしまい役にたたなくなるので、苦しくならない範囲でできるだけしっかりと締めておきたい。

4)メガネやアイウェアはヘルメットを脱いだ際に外れないようストラップの下にセットしておく。

尚、メーカーはヘルメットの耐用年数は3年として、交換を推奨している。また、中古のヘルメットはどのように扱われていたのか分からないので、新品の購入がお勧めだ。

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正しくフィッティングして快適に被れるヘルメットを探そう

 

<ツーリング向きのシューズは>

自転車用のシューズはペダルのタイプによって大きく分けて3つのカテゴリーに分類される。まずはフラットペダル用のシューズ。このペダルは極端な話、ママチャリ用などと同じ構造なので、どんな靴でもOK。ビンディングペダルが使えないビギナー向けのペダルで、普通のスポーツシューズやウォーキングシューズでも大丈夫だ。但し、底が柔らかい素材の靴は、踏み込みのエネルギーが吸収されて効率が悪くなる。更にペダルが食い込んで靴底を傷めてしまうので、なるべく底が固い靴を選びたい。

ロードバイクでのツーリングを楽しむならば、足がペダルに固定されるビンディングシューズを使いたい。これは自転車の走りを格段に向上させてくれる。初めて使うにはペダルとシューズの着脱の練習が必要で、人によっては最初はスムーズに行えないこともあるが、ほとんどの人はすぐに慣れて使えるようになる。

ビンディングシューズはシマノSPDペダルに代表される2穴クリート用と、シマノSPD-SLペダルに代表される3穴クリート用に大別される。

SPDシューズはクリートが小さく着脱が簡単なので、初めてビンディングを使うにはお勧めである。自転車を降りても普通に歩くことができるため、輪行や観光を含めたツーリングにはお勧めだ。MTBではこのタイプが主流で、他にもトレッキングタイプやスニーカータイプ、スポーツサンダルなどといろんな種類がありTPOにあわせて街中などでもオシャレに履くことができる。筆者はビジネスにも使えるジテツウ用のSPDシューズを愛用している。

SPD-SLシューズはクリートが大きく、シューズがより強力にペダルに固定され、エネルギー効率が高い。ロードバイクのレース用はほとんどがこのタイプである。但し大きなクリートのため歩きにくい。そのままではクリートを傷めてしまうため、歩く際にはクリートカバーを着ける。街乗りや観光には向いていないが、走りをメインに楽しむツーリングならばOKだ。

 

<ビンディングシューズの選び方>

ビンディングシューズのソールのタイプは、ペダルによって決まるため選択肢はない。フィッティングの調整方法はいくつかのタイプがあるが、これは自由に選べるので、自分の好みやセンスで選びたい。


● 紐タイプ

普通のスニーカーなどと同じく紐で締め具合を調節するモデル。紐でフィッティングを調整できるため自分好みに合わせやすく、高いフィット感を得られる。脱ぎ履きには他のタイプより若干手間がかかるが、シンプルな構造で軽量である。見た目も普通のシューズでファッション性の高いオシャレなものが多い。

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紐タイプは普段履きもできそうなデザインのものも


● ベルクロタイプ

ベルクロテープで手軽に締め具合を調節ができて、脱ぎ履きがラクなタイプ。他のビンディングシューズに比べても価格はリーゾナブルで、エントリーモデルに採用されていることが多い。

●ラチェットタイプ

ラチェットタイプは、ベルクロに加えて足首に一番近い側にラチェット式のバックルが付いているモデル。足首をしっかりと固定してフィットさせるため安定感を得やすい。締め付けはし易いが、緩める方向の微調整はし難く、走行中に少し緩めたくても容易ではない。価格的にはベルクロタイプより少し高くなる。

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ラチェットタイプはベルクロタイプよりもフィット感を高めやすい

● ダイアルタイプ

シューズダイアルでワイヤーを捲いて締め付けて調整するタイプ。脱ぎ履きがしやすく繊細なフィット感の調整ができ、走行中でも微調整がしやすい。

ダイアルが1個のタイプは軽量だが、爪先側のフィット感の微調整がしにくい場合もある。2個のタイプは足全体のフィット感が高く調整しやすいが、価格と重量は少し増える。ハイエンドに位置づけられるモデルで、トップクラスの選手はほとんどがこのタイプを使っている。

● 軽さの影響は大きい

自転車の軽量化で一番効果が大きいのはホイールである。重量のあるものを動かすエネルギーが少なくてすむからだ。同様にシューズも回転運動する部分で、ここの軽量化はエネルギー消費に効果がある。つまり軽ければ軽い程ペダリングが楽になり、疲労を押さえられるのだ。但し軽量モデルは耐久性に乏しいものもある。価格も軽さに反比例して高くなり、ハイエンドモデルは軽さと耐久性を兼ね備えている物が多い。

● ソールの硬さ

ソールは硬いほど踏み込みの力が吸収されずに、エネルギー効率のよいペダリングにつながる。リーゾナブルな価格のシューズは、ソールの素材は樹脂製で強度はあるものの重量もある。高価格帯のシューズのソール素材は、カーボン製で硬くて軽く、エネルギー効率が追求されている。但し、どんなに硬くて軽くても、履き心地やフィット感が良くなければその性能は享受でいない。

● フィット感が大切

日本人の足は欧米人に比べて幅広・甲高な傾向がある。従って欧米メーカーのシューズは横が狭く感じたり、きつい感じがあったりする場合もある。日本メーカーのモデルはワイドタイプが多く日本人の足にもフィットしやすい。

とはいえ、どんなシューズであっても実際に正しく履いてみてフィット感が良いか、違和感がないかを良く確認する必要がある。できるだけ多くのビンディングシューズを試着してみて、何度も履き心地を確認し、自分にきっちりフィットしたものを選ぶことが大切だ。

 

<グローブは安全と疲労軽減のために>

グローブもツーリングを安全に快適に楽しむための必需品である。春夏秋冬それぞれの時期や、自分の好みに合わせて複数は必要となるアイテムだ。オシャレ要素も高いので、自転車やウェアーとのコーディネイトを考えて選択したい。その役割や選択肢について整理してみよう。


● 操作性と安全性の向上

グローブはハンドルを握った状態でカットして作られており、手の平の部分には革製のパッドが付いていて適度な摩擦により滑りにくく、グリップが握りやすくなる。軍手や普通の手袋は、ずれやすく滑りやすいため自転車用には適さない。とくに雨や汗で手が滑らないようにすることはグローブの大切な役割である。グローブを着用することにより、ハンドルを扱いやすくなり、ブレーキや変速レバーの操作もしやすくなる。

● 転倒時の手の保護

万が一の転倒時には、人間は本能的に顔や頭などを守ろうとして、無意識のうちに手の平を地面についてしまう。特にスピードが出やすいロードバイクでは、転倒時に手の平をついて怪我が大きくなるリスクが高い。グローブにはそんな状況に備えて、クッション性があって摩擦に強い革製などのパッドが手の平の部分に装着されている。これにより地面に手を着いた時の傷や、付き指、手首の捻挫などのリスクを軽減してくれるのである。

● 疲労の軽減

細いタイヤに高い圧力の空気を入れて高速で走るスポーツバイクは、路面からの振動は、ママチャリなどに比べてずっと大きくダイレクトに伝わる。グローブの手の平の部分には衝撃吸収用のパッドが入っており、この路面からの振動を和らげてくれるのだ。

パッドによるクッション効果で手や腕を守ってくれて、疲労の軽減にも効果がある。長時間乗ることの多いツーリングの場合は、パッドが厚めで衝撃吸収性が高く、通気性、耐久性を重視したグローブが良いだろう。但し、あまりに厚いパッドは操作性が少し犠牲になることもある。パッドが薄めのものは逆に、路面状況を把握しやすく、フィット感、グリップ感が良いためレースなどに用いられることが多い。

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手のひらのパッド量や位置は好みが分かれるところ。可能であれば試着して確認したい


● 夏用のグローブ

グローブには指を全て覆うフルフィンガータイプと、指切りされているハーフフィンガータイプがあり、夏用グローブは主にハーフフィンガータイプである。暑さの中で通気性、軽快感を確保し、透湿性が高く蒸れにくいグローブがお勧めだ。汗を拭う目的で、親指や手の甲の一部などにタオル素材やパイル地が使われているものもあり、走行中や信号待ちなどのタイミングで汗を拭くことができて便利だ。ハーフフィンガータイプのグローブでは日焼け跡がつくので、日焼けの跡をつけたくない場合はUVカット機能のあるフルフィンガータイプだと安心だ。日焼け防止の紫外線対策が施してあり、通気性や透湿性が高く蒸れにくいフルフィンガーグローブは、寒くない春夏秋の季節にずっと使える。

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通気性にすぐれたハーフフィンガータイプ。指先の日焼けには要注意だ

 

● 冬用のグローブ

冬用グローブはフルフィンガータイプで防寒性・防風性が高くなっている。指先は冷たくなりやすいので、厳冬期には保温性の高いグローブが欲しくなる。冬用グローブはメーカーにより独自の推奨温度が示されており、0度、5度、10度といった防寒性の目安が表されている。冬の早朝などに使うのならば、最も保温機能の高いものを選んでおいたほうが良いだろう。また、手首の部分の長さが十分あり、きちっとクローズできるかも確認のポイントである。手首とグローブに隙間があると体感温度が下がるのだ。

薄手のインナーグローブを併用すれば、保温性は更に高まるが、操作性に影響がでることもある。はじめからインナーとアウターがセットになっているタイプのグローブならば操作性への影響は少なく、またインナーの着脱で保温力を調整することも可能だ。

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冬用グローブは防寒性の目安(対象の温度帯)によって防寒機能が異なるグローブが複数ラインナップされている

 

● スマホ対応のグローブ

スマホのナビ機能を使う場合や、信号待ちや休憩時など、すぐにスマホを見たい場合に毎回グローブを着脱するのはとても面倒である。フルフィンガーグローブでもタッチパネル操作ができる、スマホ対応タイプがあるので、スマホ愛用者にはお勧めだ。ハーフフィンガーグローブは指が出ているので問題はない。


● レディース用

レディース用グローブは、女性の手の大きさに合わせてサイズが設定してある。女性の自然な手の形に合わせてカットされた立体構造となっていて、見た目やカラーリングがカワイイものや、華やかなデザインのものなどが多い。握力の少ない女性でも高いフィット感でハンドルが握りやすいように設計されている。とくに日焼けを気にされる女性は多く、しっかりと紫外線対策を施したフルフィンガーグローブが人気だ。

 

<アイウェアで目を守る>

アイウェア(サングラス)は目を守り、路面状況を正確に捉えることで安全とパフォーマンス向上にもつながる重要なアクセサリーである。

ツーリングではアイウェアは必需品という認識がなく、似合わない、鼻や側頭部が痛くなる、曇りやすい、などといった理由で着用しない人もいる。しかしアイウェアを着用すれば、目の負担や疲れ具合が軽減される。強い日差しの中で長時間のライドをすれば、目が乾燥したり紫外線などの影響で「ドライアイ」「眼精疲労」「充血」など目へのダメージが蓄積し、視界がぼやけたり、一瞬の判断が鈍くなる事もある。アイウェアは安全と目の健康のために着用したほうが良いのだ。

 

<アイウェアの役割>

走行中の視界の確保は、安全上とても重要であり、視界のトラブルは危険な状況に繋がりかねない。アイウェアは安全な走行のために視界を確保し、視覚を最適化してくれるのだ。

● 視界を確保する

アイウェアは、直射日光や走行環境にある様々なものからの反射による、ギラつきや眩しさを抑え、路面を正確に捉えることで状況把握力を高めてくれる。レンズによっては対象物をはっきり認識しやすくする効果がある。また、風の巻き込みを抑える形状で、ダウンヒルや向かい風などの風圧が大きい時も、目が開けやすく視界が確保できる。


● ホコリ、虫、ゴミ、砂などの外的要因から目を保護

異物が目に入れば視界が確保できず、事故のリスクが高まる。アイウェアは、走行空間にあるホコリ、虫、ゴミ、砂などが目に入ることを防いでくれる。

一般的な眼鏡やサングラスはカーブの浅いレンズを使い、上から見るとレンズ面がフラットになっているが、自転車用のアイウェアはかなりカーブの深いレンズを使用している。顔面から側頭部にフィットした形状で風の巻き込みを抑え、目に異物が侵入するのを防ぐ効果がある。


● 紫外線から目を守る

長時間強い紫外線を浴びると目が疲れるだけでなく、白内障や黄斑変性症、角膜炎などの病気につながる可能性がある。アイウェアを選ぶ際には必ず紫外線透過率を確認したい。「紫外線透過率30%以下」という表示は、紫外線を70%以上カットするレンズのことで、この数値ができるだけ低いものを選びたい。中にはあまり紫外線をカットしないレンズもある。人間の瞳孔は暗い場所でより多くの光を取り込もうとするため大きく開く。アイウェアを着用するとその分より光を取り込もうと瞳孔が開くため、紫外線カット機能のないレンズだと開いた瞳孔により多くの紫外線が入るため、リスクが高まる。

 

<形状やレンズのタイプ>

アイウェアには様々な形状やレンズのタイプがあり、選択に迷ってしまう。タイプによりどのような特徴があるのかを整理してみたい。

● シングルレンズ

左右のレンズが眉間の部分で1枚につながっている一眼タイプのレンズ。大きいレンズで視界が広いため状況把握がしやすい。洗練されたデザイン加工がしやすいため、上位モデルにはシングルレンズのカッコイイモデルが多い。


● デュアルレンズ

普通の眼鏡のように2枚のレンズが分かれている二眼タイプ。シングルレンズはちょっとエキセントリックだと躊躇する人や、はじめてアイウェアを使う人には、違和感なく装着しやすいだろう。シングルレンズよりも視野が少し狭くなるので、しっかりフィットしてズレないものを選びたい。


●フルリムとハーフリム

フレームの形状はフルリムとハーフリムに分けることができる。フルリムはレンズの外周を完全にフレームにはめ込むタイプで、ーフリムはレンズの上(または下)部分をフレームに差し込んで固定し、下(または上)半分は開放されている。自転車用としては視界が広く曇りにくいハーフリムがお勧めだ。


● レンズ交換可能タイプ

用途や状況に合わせてレンズを簡単に交換できるタイプ。その日のコースやコンディションに合わせてレンズをチョイスすることができる。また何枚か交換用のレンズを持っていけば、状況に応じて最適なレンズを装着することも可能だ。

● 調光レンズ

紫外線の量に応じて自動的に濃淡の調整が行われるレンズ。光が多くなれば濃くなり、少なくなれば薄くなる。明るい時間から暗くなるまで使うなら調光レンズは便利だ。但しレンズの濃淡の変化には多少時間がかかるので、トンネルなどに入ったときや、建物に出入りする場合などは注意が必要。


● 偏光レンズ

偏光レンズはレンズの間に偏光膜というフィルターを入れることで、映り込み・反射光・路面の反射などをカットして、自然光だけを通すことでクリアな視界を確保してくれる優れものだ。ギラギラと日差しが照りつける日に最も効果を発揮し、目が疲れにくくなる。ただし通常のレンズより視界は暗くなりがちである。


●度付きレンズ

日常生活で眼鏡を常用している人にとって、アイウェアを選びは何かと悩ましい。コンタクトレンズを使えばよいかもしれないが、そのためにコンタクトにするのは面倒で現実的ではない。対応策としては、普段使っている眼鏡の上からオーバーグラスとしてのアイウェアを重ねるか、視力に合わせた度付きレンズを選ぶかである。

前者の場合は手軽でコスト的にもリーゾナブルだが、選択肢が限られてくる。後者の場合は更に2つの方法がある。ひとつはアイウェアそのものを度付きレンズにする。但し、シングルレンズはサイドの歪みが大きくなるので度付きには向いておらず、選択肢は限られる。また、レンズ交換するなら全てを度付きレンズにせねばならず、現実的ではない。

もうひとつはサングラスレンズの内側のインナーフレームに、度付きのクリアレンズを取り付けるタイプだ。この場合はサングラスレンズの交換にも対応できる。

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サングラスのインナーフレームに度付きクリアレンズを取り付けるタイプであれば、サングラスレンズのカラーも変更できる

 

<カラーによるレンズの特徴>

アイウェアのレンズにはさまざまなカラーがあり、色によってその役割や最適なシーンは異なる。目的やシチュエーションに合わせたレンズカラーの特徴を認識しておきたい。


● クリア

クリアレンズは眩しさはカットできない。目の保護のための着用が主目的で、夜間でも使用できる。できれば紫外線対策のあるタイプを選びたい。

グレー系

裸眼時と視界に変化がさほどなく、クリアに比べて眩しさを抑えてくれるが、夜間では使えない。違和感なく着用できるので日本人には明るめのグレーカラーが好まれている。


● ブラウン系

コントラストを全体的に下げ、かすみの原因と言われる青い光をカットしてくれる。まぶしい太陽光を抑え視界がハッキリしやすい。


● オレンジ・ピンク系

コントラストをはっきりさせ視界を明るくし、物や人をクッキリ見せてくれる効果がある。曇天時や雨の日、夕方などでも視界を確保しやすくなる。


● ブルー系

あらゆる天候で使いやすく、自然に近い色の視界になり目が疲れにくくなる。強い光を抑える効果もある。色の薄いものは夜間走行にも使え、対抗する車のヘッドライトの眩しさを軽減してくれる。


● ミラーレンズ

ミラーレンズは眩しさを抑え、物や人をはっきり見せてくれる。特に強い日差しに対して効果があるが、薄暗いところや夜間には適さない。

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目的やシチュエーションで適切なレンズカラーは異なる。交換可能なモデルを持っていると便利

 

<フィッティングをしっかり確認する>

アイウェアを選ぶには、実際にかけてみてフィッティングに問題がないかチェックしたい。

気に入ったデザインで機能や価格に納得しても、実際に着用した時にきちっとフィットしなければ快適には使えない。とくに欧米メーカーのモデルは日本人の顔の形状(幅広・頬高・鼻低)に合わないケースがある。

「ホールド感はキツすぎず、ユルすぎないか?」

「レンズ部分が頬に当たらないか?」

「鼻からズレないか?」

「耳にかかる部分がヘルメットと干渉しないか?」

などなどといったポイントをしっかりチェックしておきたい。

 

いろいろなウェアラブルグッズの機能と役割、選択方法について述べてきたが、一番大切なのは自分にしっかりフィットして使いやすいということである。どんなにデザインが良くても、フィットしていなかればかえってカッコ悪いかもしれない。オシャレのポイントは自分にフィットしていて、全体のコーディネイトを通じた個性をアピールできることではないだろうか。

 

 

(瀬戸圭祐さんの「快適自転車ライフ宣言」は隔週火曜日掲載です。次回は6月19日(火)に公開予定です。お楽しみに!)

(写真/本人)


第6章:底なしの魅力!?ツーリングを徹底的に楽しむ

1)知らなかった!地域の魅力、日本の美しさ、メッチャあるある

2)とにかく始める、まずは半日、そして日帰り、宿泊ツアーへ

3)楽しみの創造!プランニングするほどにドンドン世界が広がる

4)うまうまグルメ、史跡に寺社巡り、山でも海でも、フィールドは無限大

5)どこでもドア!?輪行を極める!

6)軽くコンパクト!荷物と装備とパッキング技術!

7)オシャレだけではない。安全にも快適さにもアクセサリーは重要

8)センスが光る!ウェアラブルグッズで快適に!

9)快適ライドの決め手!暑さと寒さ、風と雨、上手につきあう

10)仲間が増えれば楽しさ倍増、ビギナーも安心、自転車は人をつなげる!

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