2016年02月04日
ローラー台の最新トレンドをチェック!【FUNRiDEアンケートより】
WEEKLY FUNRiDEにて「ローラー台を使っていますか?」というアンケートを行ったところ以下の結果となった。
「ローラー台を持っていますか?」
1位 持っていない 92人
2位 持っているがほとんど使っていない 32人
3位 週1~2回程度トレーニングで使っている 30人
4位 週3回以上トレーニングで使っている 18人
5位 月1~2回程度トレーニングで使っている 15人
6位 レースのウォーミングアップで使っている 2人
約半数の方がローラー台を持っておらず、保有している方のなかでも30%の割合でうまく活用できていないよう。
今回はローラー台の最新トピックスを3つご紹介。ローラー台に対する認識が変わるかも!?
Topic.1
Zwiftが本格始動 日本でも利用者が増加中
ソーシャルインドアトレーニングとして注目のZwift(ズイフト)が昨年11月より正式オープンし、着々とユーザーを増やしている。日本でのZwiftのプロモーションを担当する宮原 海さんに現在の状況を伺った。
編集部(以下 編):昨年β版をリリースされている際に少しお話を伺いましたが、正式オープン後の動向を教えていただけますか。
宮原(以下 宮):昨年の11月に全世界で一斉に正式オープンしまして、現在の会員数は世界全体で約2万5千人です。日本国内でも徐々に会員数を増やしていまして、現在は800人弱の方にZwiftを楽しんでいただいています。
編:どこの国での利用者が多いですか?
宮:アメリカとイギリスのサイクリストが利用者の中心になります。日本の登録者数は現在世界で4番目です。
編:アメリカやイギリスが多いと、Zwiftのオンラインがもっとも盛り上がっているのは彼らのトレーニングの時間帯ですよね?
宮:そうですね。日本でのトレーニングの時間帯とZwift上で参加者の多い時間帯はズレがあるかもしれません。ただ週末になると一日中サイクリストで賑わっています。多いときには2000人を超えるサイクリストが同時にZwift上でトレーニングしています。
海外のユーザーはグループライドを頻繁に開催しているので、そこに合流してコミュニケーションを取りながら汗を流すというのはZwiftでしかできない経験です。また、プロレーサーも頻繁にグループライドを開催しているので、憧れの選手と一緒に走れるというのも魅力的だと感じています。
編:宮原さんのおすすめの楽しみ方は?
宮:パワートレーニングで有名なアメリカのピークスコーチングが監修したワークアウトモードがあり、それを用いてトレーニングしています。コース上にも自分のトレーニング用のフィニッシュゲートが表示されたりするので、最後までがんばれます。あとはさまざまなグループライドが設定されているので、そこに参加して世界中のサイクリストと一緒に走ることももちろん楽しいです。
編:日本でもグループライドが立ち上がっているのですか?
宮:まだ数は少ないですが、北海道でオダックスジャパン北海道(ブルべの運営・促進団体)の方がグループライドを企画されたりし始めています。今後会員数が増えて行けばグル―プライドも増えていくかなと感じています。
編:Zwiftを始める際には少し機材を買い足さなければいけない人もいるかと思います。これから始めようとする際に注意するべきことはありますか?
宮:ローラー台やセンサーから走行中データをパソコンで受信するための受信機はそこまで高価なものではないのです。ただ自分のパソコンがZwiftに対応しているかどうかは必ず確認していただきたいです。まずはZwiftを立ち上げて、対応しているかどうかを確認してから他の機材も購入してほしいです。
編:Zwiftでは山岳賞ポイントやスプリントポイントが設定されていたり、ゲーム的な要素で楽しくトレーニングできるのが素敵だなと感じています。
宮:ありがとうございます。山岳賞などはそのときの利用者の中で1位を獲得すると、オリジナルのジャージがゲットできるようになっています。今までは全体での1位のみだったのですか、正式版では女性のなかでの1位にも同じくジャージがプレゼントされるようになりました。また、累積の走行距離でユーザーのレベルが上がっていくと、新しいジャージを手に入れられます。エンターテイメント性を重要視しながらも、プロにも使っていただけるトレーニング要素も強化しているのがZwiftの大きな特徴です。海外では実際にZwiftを冬のあいだのトレーニングに活用し、レースで勝てるようになったと報告する人が多いですね。
Zwiftスマートフォンアプリで現在走っているメンバーの確認などが可能だ
編:Zwiftで走りはじめる際にはまず何をすればいいのでしょうか?
宮:ZwiftではFTP(機能的作業域パワー)を計測できますので、まずはトライして、その後のトレーニングの指標にしていただきたいですね。現在Zwiftでは2週間無料キャンペーンを実施しているので、ぜひ一度利用してみてください。
編:バーチャルの枠を飛び出したプロジェクトも先日発表されましたね。
宮:はい、昨年始動した新しい女性プロロードチーム「CANYON//SRAM Racing」の選手発掘の一環として、「CANYON//SRAM Racing、ZWIFT Academy Project」を発表しました。一般参加可能な選手養成プログラムをZwift上で実施し、その結果を審査し、選ばれた3人による決勝レースを行い、優勝者は2017年のチームメンバーに迎え入れられるというものです。今年3月の本格始動を目指しています。
編:これからも今までにない取り組みを期待しています!
Zwift(ズイフト)
利用料金:$10/月
対応OS:Windows、Mac
ダウンロード:http://zwift.jp
Topic.2
インドアレーニングはアプリで管理する時代!?
ローラー台を用いたインドアトレーニングの良さは天候や道路状況など走行環境にとらわれず、集中したトレーニングを行なえる点にある。
インドアトレーニングをより効率的に実行するために、各社からスマートフォン用のアプリケーションも登場しはじめているのでこれを利用しない手はない。
今回はイタリア、エリートがリリースしているホームトレーニングアプリ、「My E-Training」の内容を簡単に紹介しよう。
My E-Trainingでは基本的なレベル別のトレーニングや心拍数閾値(HRT)や乳酸閾値(LT)を測定するテストトレーニングを実施できる。さらにトレーニングテストモードを利用すれば、自身のパフォーマンスレベルをチェックし、ライダーのレベルや目的に応じた一カ月のトレーニングメニューを自動作成してくれるという機能も。インドアトレーニングで強く、速くなりたいと思っても、どうメニューを作り、トレーニングしたら良いか分からない人も多いのでは? そんなサイクリストにはうってつけのアプリケーションと言える。
加えて、エリートからリリースされている「My Real Video」とも連携可能なので、自分が実走して記録した映像や世界中のライダーがアップした映像データを見ながらトレーニングすることも可能。自動負荷機能を備えたモデルであれば、映像内の勾配の変化に応じて、負荷も変化させることができる。
Topic.1で紹介したZwiftよりもよりトレーニング性に特化した取り組みがしたい場合はメーカーがリリースしているトレーニングアプケーションを利用するのも手だ。
エリートのほかにもタックスやミノウラなどが独自のアプリケーションがリリースしているので、ローラー台を選ぶ際にはアプリケーションの充実度も参考にしてみてほしい。
Topic.3
固定ローラーのバリエーションが拡充中
一般的な固定ローラーといえば、リアホイールをローラー台に固定して使用するモデルが主流であるが、ここ数年で、リヤホイールを外して固定するモデルやフロントホイールを外して固定するモデルも登場した。またペダリングパワーを計測できるようなタイプにも注目が集まっている。
それぞれのタイプの違いを比べてみよう
リアホイール固定タイプ
もっとも定番のローラー台。本体にリヤホイールを固定し、ライダーの自重で固定するものと負荷ユニット部分の位置を調整して固定するものと2タイプがある。定番のモデルのため各社幅広い価格帯でラインナップしており、選択肢の幅が広い。また収納性と携帯性に優れ、イベント会場への運びにはこのタイプが便利。
ダイレクトドライブタイプ
リヤホイールを外し、フレームを直接ローラー台をセッティングするタイプ。スプロケットはローラー台に装着される。タイヤとローラー台との摩擦がなくなるため、静穏性がアップし、負荷の精度も高い。加えてリアタイヤのの消耗も防ぐことができる。一方で、ローラー台自体の大きさと重量が増加するため、収納性と携帯性には劣る。高価なモデルが多い。
フロント固定タイプ
フロントホイールを外すタイプの場合は高い実走感を得られるのが特徴。ローラーは自重式なので、セッティングも簡単だ。まだまだ選べるモデルの選択肢の幅が狭いが、ダイレクトドライブモデルよりは比較的手に入れやすい価格で購入が可能。固定ローラーと3本ローラーの中間のような乗り心地はぜひ一度試してみていただきた。一般的なリアホイール固定タイプに比べると重量は重め。
タイプによる走行感の違いもありが、それぞれのモデルによっても走行感や使用感に大きな差がある。ぜひ実際に試乗してお気に入りの1台を選んでほしい。
3本ローラーって?
固定式同様にインドアトレーナーとして活用されるトレーニング機器。ローラーの上に乗ってペダリングをするのだが、倒れないようにバランスを取りながら乗るため、固定式よりもよりリアルな走行に近いトレーニングができるもの。走行時のようにステアリングを切って倒れないようにするのは違い、ホイールが回転することで起こるジャイロ効果による直立しようとする力が生じているので真っすぐに走れる。固定ローラーよりもトレーニングを行うモチベーションを保ちやすいため、”2台目”のローラー台として好まれる傾向にある。
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。