2018年06月18日
【PINARELLO】2019年モデル発表 プリンスの復活
6月18日、ピナレロは5回目のフルモデルチェンジを果たしたプリンスをリリースした。
初代プリンスは1997年 アルミ全盛時代、ピナレロもケラルライトというグランツールを制覇するフルアルミバイクを所有してたが、さらにアルミフレームにバックステーをカーボンチューブ化したセンセーショナルなモデルの初代プリンスをリリースした。この構造は、多くのメーカーにこぞってコピーされ、影響力の強さを知らしめた。このプリンスは当時、最大で納期1年待ちになるほど爆発的な人気を博した。
2代目はカーボンバックにカーボンフォークを搭載。かの“オンダフォーク”を最初に搭載したのがプリンスSLである。この画期的なフォークがデビューすることになった革新的なモデルである。3代目のプリンスまでの間に、初代ドグマ(マグネシウムフレーム)が2002年にリリースされている。
そしてフルカーボンフレーム時代が到来。3代目のプリンスは2008年、フルカーボンのフラッグシップモデルとして登場。クラシックレース、ステージレース問わず多くの勝利に貢献する。プリンスを駆り活躍したアレハンドロ・バルベルデも、プリンス人気を後押しした。
4代目のプリンスは2014年、ドグマF8の姉妹モデルとして登場する。F8はエアロフォルムに以降するが、4代目プリンスはドグマの前作ドグマ65.1の金型を使用し、ピナレロのアイデンティティとされるオンダフォークを継承。根強いファン層に人気となった。
そして2019年、5代目となるプリンスのコンセプトはすべてのサイクリストに、他に類を見ないハンドリング&乗り心地の良さをもったピナレロの良さを知る喜びを提案したい、という考えから始まっているという。
新しいバイクを製作するさいに、特にオールラウンドなバイクの設計を行うときには、プロジェクトを明確に、最後にその製品がすべてを満たしているものになっているかの確認が重要だ。革新的なF10を生み出したからこそ、可能としたプリンスのプロジェクトというわけだ。
ピナレロ本社よりルチアーノ・フサポリ氏も来日し挨拶を述べる。グランフォンド八ヶ岳のゲストでもおなじみ
フルモデルチェンジを果たしたプリンスはプリンスFX、プリンスそしてプリンスDiSKの3モデルのラインナップとなる。
大きな違いは、カーボン素材のチョイスになるが、プリンスFXはT900 3Kカーボンを用い、プリンスおよびプリンスDISKはT700 12Kカーボンを使用。カーボンのグレードを変更することで乗り味を調整している。
プリンスFXはロードレースやヒルクライム向けのスペック、プリンスはレースからロングライドまで楽しめる“オールラウンダー”という位置付けだ。
プリンスの登場によって、2019年のラインナップが変更される。ミドル〜ハイエンドはGAN RS、GAN SからプリンスFX、プリンス、そしてプリンスDISKとなる。そしてGAN DISKも終了し、GANは継続となる。不動の“スーパーハイエンドバイク”はドグマ、ハイエンドバイクはプリンスFX、プリンスとなる。
ジオメトリーはGANに近い設計となる。F10と比べるとヘッドチューブが若干長いが、あくまでもレーシングジオメトリーを採用している。
プリンス プロジェクト ターゲット
・空気抵抗を減らし、エネルギーの無駄をなくす
・ピナレロのパフォーマンスと安定性を保証する
・すべてのライダーに最高の乗り心地とハンドリングを提供する
F10の革新的なテクニカルソリューションの継承される。エンジニアリングはこうだ。
コンケイブ ダウンチューブ
ボトルケージをつけた時に、よりフレームと一体化さえることで空気抵抗を削減する。前作のGANよりも10%、乱気流の発生をおさえ、空気抵抗を減らす
フォークフラップ
タイムトライアル用バイクのボリード、F10にも採用される形状。フロントフォーク、クリックレリーズまわりの整流効果をたかめ、空気抵抗を削減する。GANシリーズとくらべて、10%向上している
eリンク システム
F10より継承した、電動変速機のジャンクションを内蔵するシステム
ホイールシェイプド ダウンチューブ
ホイール形状に沿った形状に。フロントフォークはヘッドチューブとダウンチューブの接点の凹凸をへらし、滑らかななシェイプに。ホイールとダウンチューブの距離を縮めることで、整流効果を高めて乱気流の発生を抑える
アシンメトリカル デザイン
もちろんプリンスにも採用。右側のボリュームがアップされている(全ラインナップに採用される)。とくにBB周りはGANと比較して、右側のボリュームをより厚くし反応性・快適性が向上している。BBはイタリアンを継続する
エアフロー ヒドゥン リムブレーキ(リムブレーキ仕様)
フロントブレーキ一体が凹んだようなデザインに。フロントブレーキがよりフレームと一体化する。ダウンチューブに流れる気流をスムーズにする。リアも同様に気流の流れからブレーキ本体を隠すことで空力が高まっている。タイヤサイズは28cまで対応する
カラーリング
プリンスFXは4色展開となる。F10と同様にグラデージョンカラーを採用した711/グラディエント ヴルカーノ(マット/シャイニー) 712/グラディエント フルオライト(マット/シャイニー) の2モデル、ブラックon ブラックの747/ボブメタル(マット/シャイニー)、そして714/レッド・ホワイト(シャイニー)。完成車のカラーは以下のラインナップを参考に
PRINCE LINEUP
PRINCE FX
PRINCE FXは軽量で反応がよく安定したハンドリングを実現。ロードレースやヒルクライムに最適なレースバイク。
フレームセット
価格:455,000円(税抜)
メインマテリアル:T900 3K ハイストレングスカーボン
フォーク:ONDA™ with ForkFlap T900 ボトムブラケット イタリアン
サイズ SL=スローピング:44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5, 62
カラー (在庫カラー):711/グラディエント ヴルカーノ(マット/シャイニー) 712/グラディエント フルオライト(マット/シャイニー) 714/レッド・ホワイト(シャイニー)
シマノ Dura-Ace Di2 11S 完成車/シマノ Ultegra 11S 完成車
価格:970,000円(税抜)/価格:528,000円(税抜)
サイズ SL=スローピング:44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5, 62
カラー (在庫カラー): 747/ボブメタル(マット/シャイニー) 711/グラディエント ヴルカーノ(マット/シャイニー) – 714/レッド・ホワイト(シャイニー)
メインコンポ Dura-Ace R9150 11S Ultegra R8000 11S
ホイール Fulcrum Quatro Carbon RS010
その他 ペダル別
PRINCE
PRINCEはよりオールラウンドにライドを楽しめるように剛性感を調整、安定したハンドリング性能と相まってレースからロングライドまで楽しめるオールラウンダー。
フレームセット
価格:275,000円(税抜)
メインマテリアル:T700 12K カーボン
フォーク:オンダ
ボトムブラケット:イタリアン
サイズ (C-C) SL=スローピング EF=イージーフィット:44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 62
カラー (在庫カラー):715/CARBON RED(シャイニー) 716/BOB(マット/シャイニー) 717/WHITE ORANGE(シャイニー)
カンパニョーロ Potenza 11S 完成車/シマノ Ultegra 11S 完成車
価格:435,000円(税抜)
サイズ (C-C) SL=スローピング EF=イージーフィット:44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 62
カラー :(在庫カラー) 715/CARBON RED(シャイニー) – 716/BOB(マット/シャイニー) 717/WHITE ORANGE(シャイニー)
メインコンポ:カンパニョーロ/Potenza 11S、シマノ/Ultegra R8000 11S
ホイール:カンパニョーロ/Fulcrum Racing 500 、シマノ/RS010
その他:ペダル別
シマノ 105 11S 完成車/シマノ 105 11S EZ 完成車
価格:385,000円(税抜)
サイズ (C-C) SL=スローピング EF=イージーフィット: 44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 62 42.5EZ
カラー (在庫カラー) :715/CARBON RED(シャイニー) 716/BOB(マット/シャイニー) – 717/WHITE ORANGE(シャイニー)
メインコンポ:105 R7000 11S
ホイール: RS010
その他 ペダル別
PRINCE DISK
スルーアクスルにも耐えうるディスク専用のフロントフォークを開発。ヘッドチューブとフロントフォークの段差をなくし、空力特性の向上、美しいフォルムも実現。
フレームセット
価格:295,000円(税抜)
メインマテリアル:T700 12K カーボン
フォーク:オンダ
ボトムブラケット:イタリアン
サイズ (C-C) SL=スローピング 44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5, 62
カラー:718/CARBON RED(シャイニー)
シマノ Ultegra 11S 完成車
価格:478,000円(税抜)
サイズ SL=スローピング:44SL, 46.5SL, 50, 51.5, 53, 54, 55, 56, 57.5, 59.5, 62
カラー:718/CARBON RED(シャイニー)
メインコンポ:Ultegra R8000 11S
ホイール:Fulcrum Racing 500 DB
その他:ペダル別
関連URL:http://www.riogrande.co.jp/pinarello_opera/pinarello2019/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。