2026年10月19日
【宇都宮ジャパンカップ2026】山本元喜、留目夕陽が逃げでアピール! 日本人4年ぶりの山岳賞!

国内最高峰の自転車ロードレース「宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース」が、10月16~18日に栃木県宇都宮市で開催。18日のロードレースでは、序盤から大人数の逃げに乗った山本元喜、留目夕陽が日本人選手としては4年ぶりとなる山岳賞を獲得。さらに留目は2年連続でアジア最優秀選手賞も手に入れた。今年も海外勢が猛威を振るったレースで、存在感を見せた2人がレースを振り返る。
逃げ15選手に日本人3選手 山本元喜がチャンスを活かす
秋晴れの強い日差しの中、宇都宮市森林公園周回コース(10.3km×14周=144.2km)を舞台に争われたロードレース。スタートから小刻みなアタックが繰り広げられるが、2周目に突入した直後、集団から先行していた選手がまとまって15人の 逃げ集団が形成される 。リドル・トレック、バーレーン・ヴィクトリアスなどのワールドチームを含む海外勢が多数を占める中、山本元喜(キナンレーシングチーム)、留目夕陽、織田聖(ともに愛三工業レーシングチーム)の日本人3人がこの逃げに入った。
名物の上り、古賀志林道の頂上に3周回ごとに設定された山岳賞、3周目はこの逃げから山本が先頭通過する。過去数年、海外勢が序盤からハイペースで逃げを仕掛け、山岳賞も総取りしてしまう展開が多かったので、 日本人選手による獲得 は2022年の増田成幸(Astemo宇都宮ブリッツェン)以来、4年ぶりとなった。

アグレッシブなレーススタイルでファンから愛される34歳のベテラン・山本は、意図せず入り込めた逃げでチャンスをつかんだと振り返る。
「逃げを狙っていたというよりは、動きの中で先行できた方がいいかなと思っていました。毎年そんな簡単に逃げは決まらなかったりするんでね。1周目からペースが速かったんですが、(先頭に)追いついたタイミングでちょうど前に出られたので、そのままアタックの動きだったんで、そこに乗ってったら決まった感じでした」
「このレースで何か表彰台に乗るんだったら山岳賞が一番可能性あるので、逃げに乗った時点で狙いたいなと思ったけど、メンバーと状況次第で厳しかったりもするんで、様子見ながらと思っていた。1周目、2周目は上りがまあまあ速くて獲れないかなと思ったんですけど、3周目は山岳賞を獲りたい動きをしてる選手だけ行かせるみたいな雰囲気だったんで、もがけば獲れるかなと思って獲れた感じですね」
「毎年上りでペースが一気に上がって(日本人が山岳賞を)獲れないパターンが多かったんで、次の6周目も留目選手が獲れてますし、久々に日本人が獲れてジャパンカップで表彰台に立ててよかったんじゃないかな」

留目夕陽、全日本チャンピオンジャージで奮闘
逃げの15人が最大2分30秒ほどのリードを広げて迎えた6周目、2度目の山岳賞。今度は留目が頂上数百m手前から飛び出す。
昨年まではワールドチームのEFエデュケーション・イージーポストに所属、今年は全日本選手権を制した留目は、世界の強豪ぞろいのジャパンカップの中で存在感を示そうと意気込んでいた。

「僕らが何かをしてレースを動かせるということではないので、逃げに乗ったり、山岳賞獲ったりしてチームをアピールすることが目的でした。もちろん僕自身は優勝を狙ってたんですけど、どうしても脚の差があるので、できる限りのことをやろうと思ってプランニングしました」
「山岳賞を獲るぞ、とは思っていなかったんですけど、偶然逃げに乗れてこれなら自分が獲りに行ってもいいなと、ほんとにタイミングがよかったと思います。(6周目は)ちょっと踏んだら海外勢は山岳賞を気にしてない様子で、日本人ということで容認してくれた部分もありますし、無駄な脚を使うことなく獲れたのでうれしいです」
しかし、後方ではメイン集団がペースアップして徐々にタイム差を縮小。逃げの中で山本は少しずつ苦境に陥っていく。
「メンバー的に自分が真正面から勝負できると思えなかったんで、できればツキイチとかして脚を休めたかったんすけど、(他の選手に)『 山岳賞を獲ったんだから回れ 』っていう風に言われちゃったんで、まあ、そうだよなと思いながら回って、ある程度逃げれるとこまで逃げればいいかなって。でも、ラスト5周、3回目の山岳賞のタイミングでペースが上がって、ついていけなくなりました。UCIポイント圏内(40位以内)であったり、アジア人最上位であったり、何かしら成績は欲しいなと思ってたんで、山岳賞が獲れたのはよかったです」
その9周目には、数人の選手が集団から先頭集団に合流。しばらく先頭に食らいついていた留目も、徐々に後退していく。
「いけるかなと思ったんすけど、ちょっとダメでしたね。(一緒に逃げた)織田さんは終始きつそうな顔していたで、話とかはしてないです。僕らが逃げを引っ張ろうという感じじゃなく、耐えて耐えて、できる限り走ろうという感じでした。思ったよりも逃げでダメージがありました」

シャッフルされた先頭からは12周目にクイン・シモンズ(リドル・トレック)とベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)の2人が飛び出し、後続との差を2分近くまで拡大。最後は2人によるスプリントを全米チャンピオンのシモンズが制し、ジャパンカップ初出場初優勝を達成した。

留目は21位でフィニッシュし、2年連続でアジア最優秀選手賞を獲得した。
「(ベン・)ヒーリーは強かったです。もともと手が届く存在ではなかったんですけど、さらに、もうこれは勝てないなみたいな領域まで行っている感じですね」
かつての僚友ヒーリーを称えつつも、多くのファンの前でチャンピオンジャージを着て走ったことに特別な思いを抱いていた。
「ジャパンカップは日本で一番大きなワンディレースですし、カテゴリーも一番高いので、このチャンピオンジャージで走れるのはすごく意味があること。たくさん名前も呼んでもらえました。来年も全日本選手権を勝って、チャンピオンジャージを着て走れるように頑張ります」



関連URL:宇都宮ジャパンカップサイクルロードレース https://www.japancup.gr.jp/
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。





