2019年10月12日
【グランフォンドピナレロ八ヶ岳】グランフォンドの呼び名に恥じぬ、獲得標高2200mに挑戦せよ!
10月5日(土)、6日(日)の2日間、山梨県北杜市で開催された「グランフォンドピナレロ八ヶ岳」。
土曜日のグルメフォンド(ガイド付きサイクリング)と日曜日のグランフォンド(113km)、メディオフォンド(73km)合わせて、前年を上回る1,250人がエントリー。
2日間とも天候に恵まれた絶好のサイクリング日和となった。10回の節目となった今大会を、参加者のスナップとともに振り返る。
ゴールの達成感を求めて
最長のグランフォンドは、獲得標高2200mと上りの過酷さも本格的。とはいえ、標高約1400mの清里の森からスタートし、名所の赤い橋・東沢大橋を越え、第2エイド・せせらぎホールまでは約50kmの長い下り基調で、一気に距離を稼いでいく。
ここから文字どおり長い坂、長坂の緩やかな上りが20km弱続く。その先の70km地点の第4エイド・高根体育館には、ほとんどの参加者がお昼前に到着。「ここまでも十分にきつかった」とすでにお疲れ気味の人がいれば、「ずっと下りだったので、この後で上りが始まるかと思うと怖い」と不安そうな表情を見せる人も。
約80km地点の須玉IC付近が、標高約400mとコース上で最も低いポイント。つまり、ここから30kmあまりで約1000mを上る計算になる。ここで参加者に強い味方が待っていた。元デュアスロン全日本王者で地元・北杜市在住の地域密着型アスリート、エース栗原さんが参加者を待ち受け、ときに大きな声をかけ、ときに背中を押してサポートした。
「最後尾でスタートしてほぼ全員を抜いて、11時前には80km地点の明野の激坂に着きました。ここで通る人たちを押したり、『頑張れ、アレ!アレ!』と声をかけたりしました。僕自身も応援されるとパワーになるし、みなさんの辛いところで力になれていたらうれしいです!」
エース栗原さんからパワーを分けてもらったものの、厳しい上りはまだまだ続く。第6エイド・おいしい学校の先にはGFP八ヶ岳最大の難所、距離約3km・平均勾配10%強の海岸寺の上りがそびえたつ。参加者のみなさんも自転車を左右に揺らし、ときには自転車を押しながらなんとかクリア。このあたりでようやく100kmに到達も、まだまだ続く上り坂をこなし、ついにゴールへ。苦しんだ分、うれしそうな笑顔がはじける。
昨年は台風接近の影響で中止となったため、2年分の思いを込めて走ったという人も多かった。完走メダルを手に「海岸寺もきつかったけど、ゴール前もずっと上りで最後まで気を抜けなかった」「エース栗原さんに助けられました」と、疲れ切った中でも完走した喜びと達成感、充実感に満ちた表情が見られた。
「グランフォンド走ったぞー」参加者スナップ
グランフォンド、メディオフォンドの参加者のみなさんの声を写真とともにご紹介!
静岡県浜松市のショップ「シクロサロンとつか」のチーム「C.C.YOU」のみなさん。「毎週浜名湖一周しているチームです。GFP八ヶ岳は何回も来ていて、今回は14~5人で参戦します」
東京から来た大学生5人組のチーム「S-dash」のみなさん。「大学生活最後の思い出で参加しました。ロングライドイベントは初めてで楽しみですが、獲得標高が高いのが不安です(笑)」
東京から来た仕事仲間のチーム「RUN&HIDE」。「自転車以外にもマラソンやったりしているチームです。今回は6人で参加。初めてチームでのロングライドなので、感動を分かち合いたい!」
群馬や埼玉から参戦の「チームイチカワ」は、レーシングミクのファン同士のつながり。「去年もエントリーしたけど、中止になったので今年初挑戦。朝寒かったので、走り切れるかと思ったけど、天気よくて、坂も楽しめました。エース栗原さんの応援も楽しかった。最近、あまり乗ってなかったけど、完走できてよかったです」
愛知県の会社の自転車仲間のみなさん。「初めて参加しました。ここ(第4エイド)までほとんど下りだったので、これからの上りが怖いです(笑)」
東京都吉祥寺にあるトライアスロンショップ「オミノウェイズ」所属のご夫婦。「初めて参加しました。景色がすごいよくて、コスモスがきれいでした」
「みんなのタイムトライアルジャパン」で表彰台常連の山倉幹丈さん、石井美絵さん(内房レーシング)も参加!
東京都中野区のショップ「ピアチェーレ・ヤマ」のチームのみなさん。この日は、「みんな60歳越え」という6人で参加
中国蘇州で知り合ったという元駐在員仲間のみなさん。「中国にもロードバイクの文化はあるのですが、日本のイベントのオーガナイズがすばらしいですね。ホスピタリティもいいし、景観も最高です」
前日のステージイベントにも登場したワイズロード川崎店の平山冬芽(右)さんは、お客さんと一緒に参加中
今年で8回目の参加という茨城県つくば市のショップ「スペース ゼロポイント」のみなさんは、約40人でエントリー。翌日に清里からつくばまで約200km自走で帰った人もいるなど、今年もパワフル!
奥多摩駅前にある地ビールの店「VERTERE」のチームの10人。「普段は奥多摩中心に走っています。今年のコースは走りやすいけど、年々きつくなっている気もします(笑)」
愛知県名古屋市のショップ「りんきち」。店長の企画で初参加11人。「道も走りやすいし、いい景色です」
東京の東邦大学の医学部と看護学部のみなさん。ジャージの大学名が目立っていた!
大阪市のショップ「ビチコルサ アヴェル」のチームの富山在住のメンバーのお2人。「メディオフォンドをめいっぱい楽しんでいます」
通称・激坂さん(茨城県・左)はファットバイクで参戦。「ギアは軽いけど、車体はメチャクチャ重いです! ファットバイクで獲得標高2000m超えたので、自分の中で新記録です!」
メディオフォンドに初参加した東京から参加の同級生2人組。「ご飯もおいしいし、景色もよかったです」
静岡県の職場仲間の3人。「去年台風で走れなかったので、今年が初参加です。今までヒルクライムは出ていたけど、ロングライド系は初めて。にしては、獲得標高が高すぎですね(笑)」
東京と千葉の自転車仲間「ノーセンシズ」のみなさん。「自転車は好きだけど、上りのセンスがないのでノーセンシズ。2年前は制限時間ギリギリで完走したけど、今日は2時間ぐらい早くゴールで来てよかった」
地元・山梨県在住の今中大介さんにとって、GFP八ヶ岳のコースはホームコースのようなもの。「一生懸命みなさんをフォローします!」と参加者と交流しながら、軽やかな走りを見せていた。
写真:海上浩幸、光石達哉
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。