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2023年10月06日

秋雨の八ヶ岳を駆け抜けたサイクリストたち「グランフォンドピナレロ八ヶ岳with グラベル2023」

2023年10月1日(日)、山梨県北杜市など八ヶ岳南麓で開催された「グランフォンドピナレロ八ヶ岳with グラベル2023」。天気予報が急変し秋雨の中でのスタートとなったが、サイクリストがそれぞれ安全走行を心掛けライドを楽しんだ。ここではグランフォンド、グラベルフォンドを走ったゲストライダー、サイクリストの表情をお届け。

獲得標高約2200mに挑むグランフォンド!

グランフォンドは全長約105km、獲得標高約2.200mと今年も走りごたえ十分のコース。レースではないので、自分のペースを守り、仲間と声をかけあいながら八ヶ岳の誇る山岳コースに挑むのがポイントだ。

雨が降る午前7時、約500人が参加したグランフォンドがスタート!
ピナレロジャパンのスタッフのみなさんらが、応援ボードでサイクリストを見送った
名所の赤い橋、東沢大橋は深い霧の中…
地元・北杜市の上村英司市長も、グランフォンドのコースをロードバイクで走った

各エイドでは地元特産品のグルメが振る舞われた。こちらはようやく復活を遂げた、高根体育館で提供されたそばとレタス
エイドステーションで提供されたフードたち
お昼ごろになると雨もほぼ上がり、田園風景の中をサイクリストたちが駆け抜けていく
グランフォンドコース終盤に立ちふさがる海岸寺の激坂。距離約3㎞、平均勾配約9%の難所をペダルを踏みしめ上っていく
最後も坂を上って、清里の森にゴール!
地元在住のエース栗原さんは今年も全力応援! 宇宙人に捕らわれた人のコスプレで、文字通りサイクリストを後押し

地元・北杜市在住のプロアスリート、エース栗原さんはスタートでサイクリストを見送ったかと思うと、コースを間違った参加者を道案内したり、難所のひとつ明野の坂で仮装して参加者を応援したりと、八面六臂の活躍でイベントを盛り上げてくれた。

「雨だからこそ、みんなで危ないよと注意喚起して声をかけ合いながら、うまくライドしてたんじゃないかと思います。地元の僕は、吹雪の中を走ったこともあるのでこの寒さも全然大丈夫です!」とサイクリスト同士の思いやりに笑顔を見せていた。

期待の女子選手、太郎田水桜さんが今年も参加。寒さのため第1エイド過ぎでショートカットしたものの、他のサイクリストとの触れ合いを楽しんでいた

法政大学自転車競技部の太郎田水桜さんは、この夏ツール・ド・フランスの女子U23版のツール・ド・ラブニール・ファムにもナショナルチームの一員として出場した。

グランフォンド八ヶ岳には過去数回参加しているが、「最近はレースでちょっとピりついた雰囲気ばかりだったので、こういうほんわかしたみんなで楽しもうという会場が新鮮で楽しかったです」と振り返った。

走り出したらやっぱり楽しい!

東京から参加した会社の自転車仲間「CHARIBU」のみなさん。「普段はZWIFTが多くてあまり外に出ないのですが、ツーリングやグランフォンド系のイベントには一緒に参加しています。雨降ると考えてなかったしDNSも考えていたけど、走り出したら楽しいし、やるしかない!」
毎年参加している東邦大学自転車部のみなさん、今年はOG、OB、教授も含めて総勢14人で走った。「グランフォンドはお祭り感覚で参加しやすい。1年生にとっては厳しいコースだけど、完走したら達成感もある。ロケーションもコースもいいですね」
埼玉から参加した高校時代の同級生4人組「高校の自転車部だった1人が、最近自転車に復帰したので一緒に参加しました。朝は土砂降りでどうしようか迷ったけど、エイドをいろいろ回れて、景色もいいのでよかったです」
日本航空の同期社員のみなさん。「去年もこのメンバーで走って1人転倒してリタイアしたので、今年はリベンジです。天気はよくないけど、暑くないから上りは楽ですね」

ラファカフェの女子ライドで出会ったロードバイク仲間3人。「たまにエンデューロに出たり、乗ったり、飲んだり(笑)する仲間です。朝は辞める気満々でしたけど、乗ってみると楽しいですね」
去年も取材させていただいたTeam TAKAHANAのみなさんは、甲府の居酒屋に集まる仲間「今年は5人で走りに来ました。天気は最悪で、よくスタートしちゃったと思いましたね。(第7エイドまで来たので)あとちょっと頑張ります!」
ピナレロ・ドグマシリーズのオーナー同士で仲間になったみなさん。「もともと2人が友人で、1人去年出会って一緒に走ろうとなって、もう1人は昨日偶然知り合いました。ドグマ繋がりの縁ですね!」

長野県松本市のスポーツジムで一緒に自転車レッスンを受ける仲間「チームスプリズム」のみなさん。「楽しい! しんどい! 打ち上げの方が楽しみです!」
愛知県一宮市の「ポパイツーリングクラブ」のみなさん。「初めて参加しましたが、しんど楽しかったです! 獲得標高がかなりあって坂がきつかった。天気がよかったら最高でしたが、達成感はあります!」
八ヶ岳常連メンバーも多い、千葉県千葉市のショップ「Beeサイクル」のみなさん。「楽しかったですね。町のみなさんが応援してくれて、暖かかったですね。以前、台風のときに走ったこともあるので、その時に比べれば走りやすかったです」

グラベルフォンド、20km連続のグラベルでオフロードの醍醐味を楽しんだ!

グラベルフォンドならではの景色に出会えるのも大きな魅力

2回目の開催となったグラベルフォンドは、61人が出走。今年のコースは全長約75.3km、獲得標高は約1925m。昨年から全長は約40km短くなったものの、グラベル区間の総距離は2倍以上に。そのうち新たに追加された1区間は標高1300〜1400mという高所に加えて約20km連続するグラベルで、オフロードライドの醍醐味を味わえるコースに。晴れれば絶景を楽しめたはずだが…。時折代用が出て木漏れ日が差すと幻想的な雰囲気に。
グラベルロードを持っているけど、普段なかなか思い切りオフロードを走る機会がないというサイクリストも存分に楽しめる1日となった。

雨に濡れたコースもグラベルロードでしっかり路面をとらえて進んでいく
移動のロード区間には、秋の訪れを感じさせるコスモスも咲いていた
グラベルコース監修の矢野大介さん。「このあたりには良いグラベルがたくさんあるので、もっと拡大できる可能性があります」。地域も協力的。次回、期待をしてください!
元シクロクロス全日本王者の竹之内悠さんも、長距離のグラベルを満喫!

昨年に続き参加した元全日本シクロクロス王者の竹之内悠さんは、「去年のコースはグランフォンドのコースにグラベルをプラスしていて、一般の方には結構きついコースだったのかなと思います。今年はまったく別コースになって距離は短くなったんですが、日本国内では20kmも続くグラベルを自転車で走れる機会が少ないので、すごく楽しかったです。グラベルに参加しているライダーさんたちと自然と会話も生まれて仲間ができて、グラベルに立ち向かう一体感はこういうイベントじゃないと味わえない。楽しませてもらいました」と充実した表情を見せていた。

シクロクロス選手として竹之内さんが感じる、シクロクロスバイクとグラベルロードのそれぞれの魅力については「どちらもドロップハンドルでオフロードを走るバイクなので似ているんですけど、シクロクロスは競技用バイクで競う楽しみがある。グラベルも世界的にはレースもありますが、どちらかというとこういうイベントを楽しむためのバイクという印象ですね。グラベルロードはよりロードバイクに近い設計なので、今日みたいにロード区間を数10km走るときも快適なようにジオメトリーや素材を含めたフレームの設計がされています」と解説してくれた。

親子でグラベルフォンド完走!

愛知県の石原さんは、高校3年生の息子さんと卒業前の親子の記念としてグラベルフォンド参加。

「もともとロードもマウンテンバイクも好きで、脇道に入っていくのが楽しくて走っていました。3年ぐらい前にグラベルロードを知って手に入れて、本格的なグラベルを走りたいなと思って今回参加しました」

普段はグラベルを走る機会はほとんどないということで、この日は「雨でぬかるみがすごくて、下りでハンドルをとられて3回くらい転びました。最後の坂もきつかったですが、走り切れてよかったです。うまい人は軽く上っていくんですが、私たちも75km走ってテクニックが上達したんじゃないかと思います」と苦戦しながらも、走ることで経験を積んでレベルアップできたようだ。

息子さんは「こういう大会に出るのも、20kmのグラベルも初めてで、軽い気持ちで考えていたんですが、実際、走って見て大変でした(笑)」と笑顔で振り返っていた。


グランフォンドピナレロ八ヶ岳で見た最新機材レポートも後日お届けします!

関連URL:グランフォンドピナレロ八ヶ岳 https://gf-yatsugatake.jp/


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