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2021年04月30日

【詳報】新たな200kmへの挑戦!「富士チャレンジ200」がリニューアル

2021年4月25日(日)、「FUNRiDE presents 富士チャレンジ 200」が富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2019年9月以来の開催となったが、感染対策を徹底して1,046名が出走した。ここでは午前・午後の2部制となった「キング・オブ・富士チャレンジ200」の模様と、共催した第10回全日本最速店長選手権をレポート。

「キング・オブ・富士チャレンジ200」を制したのは!?

今大会からコース上の混雑緩和を主な目的に200kmと100kmの2部門が同時に混走するスタイルから、100kmを午前と午後の2回に分けて実施するスタイルにリニューアル。午前と午後の合計タイムで競う「キング・オブ・富士チャレンジ200」が新たな種目として加わった。1日で行うステージレース的要素もある中、参加者も走り方を工夫しながらレースに挑んだ。

ソロ男子

ソロ男子は、午前、午後ともトップでゴールした井上亮さん(MSJ)が合計タイム4時間51分20秒600で文句なしの優勝。2019年大会ソロ200kmに続く、連覇となった。

午前の部、最終周回ラストの上り

「午前はスプリントで1位が獲れて、午後は(100kmの部で)逃げている人たちがいたけど、集団の中で勝てました。午後は最後まで残れればいいかなと思ってましたが、雨で寒すぎて体が震えてきて、自分からも動きました。なかなか大会が少ない中で、対策して開催してくれてありがたいです」

家族とともに優勝を喜ぶ井上さん。今大会は密集を避けるため表彰式も省略

ソロ女子

ソロ女子を制した梅山良子さんは、元プロ選手の普久原奨さんが経営する宇都宮市のショップAshivivaからの参戦。

「疲れましたが、(普久原)監督のおかげで勝てました。集団走行に慣れるために午前中は男子の集団の中で走って、たくさん学ぶことができました。昨日は群馬の実業団レースで完走して、全日本選手権の出場資格をとれたので、次は全日本で頑張りたいです」

チーム男子

「team Zero」は重田道保さん(右)が午前の100km、乙津知駿さん(左)が午後の100kmと完全に走るパートを分ける作戦が功を奏し、4時間49分43秒028で見事優勝を飾った。

「午前中は3位だったんですが、午後はいい逃げに乗れました。運がよかったです。去年は中止や延期になるレースが多くて自転車に乗るモチベーションも下がったんですが、チームで感染対策しながら練習してきました。出られる大会を大切にして頑張りたいです」

チーム女子

チーム女子を制したのは「Team轍屋女子部(野下幸さん/渡邊奈穂子さん/石井千尋さん)」の3人。

「久しぶりにこういうところを走れて、疲労感と達成感でいっぱいです。開催してくれて感謝しています」

フォトギャラリー


GTマシンからロードバイクに乗り換えて快走!

SUPER GTなどで活躍するレーシングドライバーの元嶋佑弥選手、JPことジョアオ・パオロ・オリベイラ選手、ベルトラン・バゲッド選手(左から)がGTマシンをロードバイクに乗り換えて、富士スピードウェイに登場。オリベイラ選手と親交ある今中大介さんのSNSに「走りたい」と連絡したことがきっかけで、今回の参戦が実現。元嶋選手は自らエントリーするほど意気込み十分だった。

日本で長年活躍し、2010年フォーミュラニッポン王者、昨年のGT300王者でもあるブラジル人のJPオリベイラ選手は自転車でも驚異のスピードを発揮し、100kmの部・午前9位の好成績。ロードバイクが趣味という元嶋選手も12位に入った。

今中さんによると「レースで横Gがかかるときは心拍数が160以上に上がるので、高い心拍数に慣れるためにトレーニングとして自転車を取り入れる選手が多い」とのこと。レーシングドライバーのフィジカルの高さをあらためて証明した。

富士チャレお馴染みの今中さんも、久しぶりのイベントを走って感慨ひとしお。

「すでにプロのレースや実業団レースは開催されていますが、市民イベントの開催は大きな意味があると思います。みなさん周りへの影響も注意していて、集団は走りのレベルも安全に対する意識のレベルも高かったと思います」と今中さん。

全日本チャンピオン入部選手らがサポートライダーとして走る!

今大会は全日本ロード・チャンピオンの入部正太朗選手擁する弱虫ペダルサイクリングチーム、地元静岡のレバンテフジ静岡、さいたまディレーブの3チームがサポートライダーとして参加。

入部選手は2年前にここ富士スピードウェイで行われた全日本選手権を制し、昨年はワールドツアーも経験。今年は新たなチームで国内復帰し、前日に群馬のJプロツアーレースで5位に入ったばかり。この日は、コロナ禍でなかなか披露する機会の少ないチャンピオンジャージをまとって、参加者のペースメイクを行った。

「45周、楽しく走れました。大集団のレベルが高くて、人数を小さくするのも難しかったです。僕らにとってもいいトレーニングになりました。こういう時期にイベントを走れるだけでもありがたいので、参加したみなさんも楽しんでもらえたらうれしいです」

レバンテフジ静岡
さいたまディレーブ

「富士スピードウェイ100km攻略 サイクルスクール」開催!

午前の部と午後の部のスタート前、スマートコーチングの安藤隼人さんによる「富士スピードウェイ100km攻略 サイクルスクール by スマートコーチング」を開催。イベント初参加やコロナ禍明けで久しぶりにイベントに参加する方を対象に、サーキット走行や集団走行を安全に行うためのレッスンを施した。

安藤さんの指導のもと、参加者は重心を自転車の中心のBBに置いたスムーズなコーナリング、集団内での目線の位置などを練習。また、前傾姿勢でも視線を確保できるアイウエアの着用の仕方、タイヤの空気圧などのセッティングまで丁寧に伝授。最後はスムーズに安藤さんの後ろについて、走行できるようになった。

様々な顔であふれた富士スピードウェイ

山梨県笛吹市の自転車愛好家チーム「レザン山梨」のみなさん。グランフォンドピナレロ八ヶ岳でもサポートライダーを務める。「平均60歳近いので、シャカリキにがんばります!」。
元プロ選手の普久原奨さん(右)の宇都宮市のショップ「Ashiviva」のみなさん。「店長選手権は後ろの集団になってしまい、残念でした。あとはみんなに頑張ってほしい」(普久原さん)。
横浜・湘南の自転車好きが集まったTeam ZEROのみなさん。「目標はチーム戦優勝」の宣言通り、チーム男子優勝も獲得。「イベント開催はうれしいので、どんどんやってもらえるようになったらいいですね」。

大会MCとして、スタートからフィニッシュまで盛り上げてくれた絹代さんと栗村修さん。

「アミノバイタル」が参加者を完全サポート。
スタート前の受付では、当日のコンディションを支えるアミノ酸「アミノバイタル プロ」、後半まで途切れない持続性エネルギーの「アミノバイタル パーフェクトエネルギー」、レース途中のアミノ酸補給、エネルギー補給に最適な携帯型の「アミノバイタル アミノショット」、「アミノバイタル アミノショット パーフェクトエネルギー」を配布。フィニッシュ後はリカバー用の「アミノバイタルGOLD ゼリードリンク」も提供し、全力でバックアップした。
出走上位パーセントに応じた記念品タオルが参加者に贈呈された。目標は達成できましたか??

今回も大会チャンピオンジャージを制作した「ビオレーサー」のブースでは、高性能ウエアの展示や物販を展開。メッシュ素材に変わる新たな真夏用ウエアの素材「グラフェン」は体感温度を下げつつも丈夫で、東京五輪でも多くのナショナルチームが採用予定。また、接着剤を使わず一体成型された通気性の高いパッドなど、最新技術を盛り込んだサイクルウエアを直接確かめることができた。

東商会のブースでは、今季から強豪ワールドチームのユンボ・ヴィスマも駆る「サーヴェロ」のバイク各種を展示。富士チャレのようなサーキットイベントで力を発揮するエアロロードのS5などがサイズのラインナップもそろえられ、自分に合うサイズのフィッティングも可能に。

「カーボンドライジャパン(CDJ)」のブースでは、流行のビッグプーリーにCDJお得意のカスタムカラーを施し、個性を演出。純正サイズながら回転性能を高めたプーリーやカーボンリペアやペイントサービスなども紹介。

UAEチームエミレーツも愛用するオーダジャージでお馴染みの「チャンピオンシステム」。今回は台湾のヘルメットブランド、Kプラスを会場限定の特別価格で販売。大手メーカーのOEM生産で培った高い技術を持ち、アジアンフィットの形状とサイクルウエアともコーディネートしやすいカラーリングが特徴。

洗車用品メーカーのシュアラスターが、この4月から自転車に最適な洗車用品を発売。宇都宮ブリッツェンやさいたまディレーブなどもサポートする。ブースでは、無料のバイクメンテナンスサービスを提供し、実際に参加者に使ってもらいながらシュアラスターの品質を体験してもらった。

今回もWAKO’Sがシフトの調整、空気圧などの簡易的なメカニックサービスを実施。また洗車相談窓口も開設し、ドライブトレインへの注油や洗車についての質問アドバイスも受け付け。

第10回全日本最速店長選手権を共催!

サイクルスポーツ誌の人気企画、全日本最速店長選手権をなんと富士チャレンジ200と併催することになった。そしてノミネートされた中から35人の店長が出走した。(写真:サイクルスポーツ)
解説には中島編集長、栗村修さん、今中大介さん(右から)という豪華布陣(写真:サイクルスポーツ)
スタート前のパドック内は富士チャレとは違った緊張感が漂う。
優勝は初出場の高岡亮寛さん(RXBIKE)

全日本店長選手権の詳細情報はサイクルスポーツ誌で!


写真:小野口健太 文:光石達哉

関連URL:富士チャレンジ200 https://www.fujichallenge.jp/

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