2018年08月24日
エンデューロイベントを安全に楽しむための4ヶ条【富士チャレンジ200直前講座】
初秋のエンデューロイベント、富士チャレンジ200(通称 富士チャレ)の開催がいよいよ迫ってきました。
富士チャレでは、レースを安全に運営するために、30名を超えるサポートライダーおよびバイクマーシャルの管理統括をスマートコーチング(http://www.smart-coaching.jp/)の安藤隼人さんにお願いしています。
年間を通して、さまざまなサイクルイベントにゲストやサポートライダーとして協力している安藤さんに、改めてエンデューロイベントでの安全な走り方の基本を伺いました。ぜひ、富士チャレンジ200をはじめ、秋のサイクルイベントに参加される方は、一度目を通してください。
その1
集団で走る時にキョロキョロしない
集団走行となるサイクルイベントでは、「しっかり周りを見ましょう」とよく言われますが、周りをキョロキョロと見て、フラフラとまっすぐ走れていない人が結構います。
はじめは難しいと思いますが、前を見ながら全体を見るというのが理想的です。1点だけを凝視していると、どうしても周りの様子を知るために、頭を動かして、フラついてしまいます。リラックスして広い視野を持ち、全体を把握しながらも、集団内を走る時は前走者から視線を外さないようにしましょう。また、下を向いてしまうのも厳禁です。疲れてくると、下を向きやすくなってしまうので、意識して前を見るようにしましょう。
富士スピードウェイはアップダウンが結構あり、集団も速度変化を繰り返します。下りからの上り返しで、集団のスピードが緩んだ時はとくに注意。しっかりと前を見て、車間を調整してください。
その2
急加速、急ブレーキ、急ハンドル 3つの“急”をやめよう
急加速、急ブレーキ、急ハンドルも参加者同士の接触の原因となります。とくに皆さんが苦手としているのが、ブレーキです。集団内で「ブレーキ!」という声が挙がると、慌てて急ブレーキをかけてしまい、後ろの参加者に追突されてしまうといったケースが見受けられます。
まず意識してほしいのは、自転車は脚を止めるだけでも減速するということ。脚を止める減速とブレーキでの減速の2段階の減速を使いこなしてほしいです。脚を止める動作とブレーキをかける動作を、どうしても同時にしかできない人が結構います。脚を止めるだけで、どれだけ減速になるかということや、ブレーキングの強弱のつけ方などを普段から練習しておくと良いですね。「これぐらいの車間距離であれば、これぐらいの減速で大丈夫だ」と落ち着いて判断できるようになりたいところです。
急ハンドルに関しては、先導のオートバイや早い集団に追い抜かれる際に、急に避けようとして斜行してしまう行為がとても危険。露払いのクラクションや「先頭通過します!」という声が後ろから聞こえても、振り向く必要はありませんし、急に退こうとする必要もありません。避ける必要があれば、まわりの状況を把握しながら、少しずつ走行ラインを変更していきましょう。
反対に早い集団が通過する際に、集団の先頭に飛び乗ろうとする人がいますが、これも危ないので控えましょう。早い集団が後ろから来て、そこに飛び乗りたい場合は、集団の後ろの方から合流すること。集団の前方に上がっていきたい場合には、集団に入って走行ペースを掴んでからにすると安心です。
その3
ホームストレートでの挙動に注意
チームエンデューロの場合、ピットエリアとのやり取りの際に、前を見ていない人や急に手を上げてフラついている人がいます。原則としてピットとのやり取りは集団の先頭で行わないようにしましょう。手を上げたりとピットに合図を送りたいのであれば、集団内の後方に下がって、あまり人がいないところで。プロレースでも、手を挙げてボトルなど補給をもらう場合には集団の後ろに下がるので、みなさんも徹底してほしいです。
富士チャレの場合、ホームストレートで補給する人も多いと思いますが、片手を離しての補給に自信のない場合も、同様に集団の後ろに下がりましょう。
ホームストレートは集団ができやすい。仲間へ合図を出す場合など、しっかり周りの状況を把握しよう
その4
集団の先頭は大トレーラーを運転するイメージで
サポートライダーにも伝えていることですが、集団の先頭を走っている場合、コーナーでは大型トレーラーを運転しているつもりで、大回りでコーナリングしましょう。
大型トレーラーの内輪差と一緒で、集団では後ろにいけばいくほどコーナーリングがイン側に切れ込んでいってしまいます。内側にゆっくり走っている参加者がいる場合、接触の危険があるため。先頭のライダーは大外を走るように意識したいです。同じチーム5,6名で一緒に周回を重ねるケースもあると思いますが、その際も先頭のライダーは、大回りを徹底してください。
※富士チャレの場合は、キープライトなので右コーナーが相当する。
集団の先頭でコーナーに入る場合、内側にゆっくりと走る参加者がいたらなるべく大回りでコーナリングしたい
おまけ
暑さ&雨 対策
富士チャレは9月上旬の開催なので、レース当日はまだまだ暑い可能性が高いです。水分補給はみなさん比較的ちゃんとしているのですが、水をかぶらない人が多いです。下りもあるので、水をかぶるとかなりの冷却効果があり、身体をクーリングできます。100km、200kmという長丁場なので、後半バテないためにもかぶり水を利用しましょう。
もし当日雨が降った場合、集団走行がさらに不安になる人も多いのではないでしょうか。私がおすすめすしているのが、普段練習の際に、ホイールのリムとブレーキシューに水をかけて、雨が降った場合のブレーキの制動性を理解しておくこと。これをやっておくだけで、だいぶ不安も払拭できるのではと思います。
以上を踏まえていただき、楽しく安全にエンデューロイベントを走りましょう!
富士チャレでは、安全講習会を実施します
富士チャレでは、安藤隼人さんによる安全講習会を今年も開催します。9:00より実施しますので、受講を希望される方は、20番ピットの大会本部前に8:45に、走る準備を完了してから集合してください。
上記の内容のほかに、シフトチェンジなどのテクニックを実際にコースを使用して練習する予定です。
さらにスキルアップを目指したい方は……
サイクルスクール@向ヶ丘自動車学校 9月17日(月祝)開催
スマートコーチングでは、自動車教習学校を使用したサイクルスクールを開催しています。正しく自転車に乗る基本となる、「まっすぐ走る」練習や上手な転び方体験など、180分みっちりとレッスンを受けることができます。また、午後の部ではレース形式による集団走行練習も行います。次回は9月17日(月祝)開催です。
詳細&申し込みはこちら → https://20180917cycleschool.peatix.com/
※富士チャレンジ200は、ソロ種目のみレイトエントリー実施中!8月26日(日)まで!
エントリーはこちら → https://moshicom.com/20289/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。