2015年11月05日
パリ・ブレスト・パリ ランドヌール2015 VOL.3 三船雅彦×矢野大介&ファンライド 鼎談
矢野氏の役割は日本へ新鮮な情報を送ること。
そして記録への挑戦のために孤軍で戦う男は
孤独ではなくなった。
サポートと発信が課せられた使命
編:サポートをしていて待機している間は何を考えていましたか?
矢野:どういう状態で入ってくるかわからないので色々な準備をしました。着いたらまずばーっと広げて。後半になってくると、前回はこんな感じだったので今回はこんなものが欲しいだろうな、と考えながら、じゃあなにが欲しいかと考えてコーヒーやマカロニの準備をしました。コーヒーも熱すぎず、冷めすぎず、その辺りのどのタイミングではじめたら良いかなって。実際にブレストから後は楽でした。逃げが決まったのでタイミングをはかりやすくなりました。彼が来てからあと15分くらいで来るかなと。
今回はSNSで発信することもミッションのひとつでした。どこまでそれができるかわからなかった。できることはなるべく早く着いて発信する。本社にも送らないといけなかったし。やっているうちに色々発信できることがあるな、と。でもラファジャパンで行なうと制約もある。ノンフィルターで出したかったので個人アカウントで行ないました。やっぱり国柄をすごく出ていた。それを素直に伝えるべきだと思いました。だからフランスの連中とか、ベルギーのやつらとか。ステレオタイプでやっぱりあるんですよね。しかし、それが良いように聞こえない人たちもいますので。個人であれば責められてもね。
臨場感をだすのは大事だと思ったし、この雰囲気をどうやって伝えるかと。ブルベというイメージを覆すことが目の前で起きていたので。そのままノンフィルターでだす必要があった。日本でブルベは保守的なイメージがあり一般のロードサイクリストはほとんど興味を示さない世界ですが、こんなのだったら面白いじゃないか、というところが発信できればもっと広がるのではないかと。これが本当に魅力的なものであれば広がります。それはしかたがないのです。止められませんから。
編:今までやっている人は我々の世界を変えるな、と。
矢野:三船さんも発信することに慣れているので聞き出す必要がなかった。すべで言ってくれるので。僕としてはすごく楽でした。インタビューしなきゃっていうのがなかったので。情報が自然に出てきますから。
編:矢野さんのツイートの裏で三船さんが何を考えていたのか、面白いですよね。
三船:前回、自分のブログであったり、発信していることって、ただ片側だけの情報だけど、矢野君が発信したことで、ステレオになった。見ている側としても面白い。今回のPBPって前回以上に注目されていた。参加者も積極的にツイートしていたし、俺を見かけたって発信してくれたのでよりリアリティが増したと思う。
矢野:日本人は200人以上も参加しましたけど、一番最初にすれ違うグループに三船さんがいるので見つけやすいですよね。三船さんのチャレンジのやり方に対していろいろな思いを抱いている人がいるんですが、三船さんがPBPを変えてしまうわけではないですよね。そういうPBPが存在していてそこに居るだけ。そう考えたとき、はじめてすれ違うグループに日本人が居たら、表情に出さなくても絶対心のなかでは三船さんが居てくれた、って誇らしく思うのではないでしょうか。そのなかでも結構な人数の人たちは期待を寄せてくれる。周りに勇気を与えて、見えない力を与えたと思っています。
(写真/海上浩幸 取材/編集部)
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。