2017年01月03日
瀬戸圭祐の 「快適自転車ライフ宣言」 2-8)仲間が増える!自転車コミュニティ
第2章:ハマるとヤバい?自転車の魅力! その8 仲間が増える!自転車コミュニティ
自転車は仲間をドンドン増やし、世界を広げてくれる!
もちろん一人でも楽しめるが、仲間と一緒だともっと楽しみが増える。喜びや感動は相乗効果で大きく分かち合えることができるし、トラブルなどの際には助け合えるので心強い。
自転車に関する様々な情報を共有できるし、アドバイスをしたりされたりと相談相手になったり、時にはライバルになる事も有る。乗るだけでなく、オフ会なども行われる場合が多く、気の合った仲間同士ならばそれぞれの近況報告やバカ話をしながら、和みの時間をすごすこともできる。人脈が広がって仕事につながることもある。
もちろん、メインは一緒にサイクリングをすることだが、苦楽を共にすると一体感も生まれ、結びつきも強まって行く。
「ビンテージ自転車のオーナー」「釣り好きな自転車乗り」「折畳み自転車を楽しむ」「シニアサイクリスト限定」「自転車アニメオタク」「カスタム好きサイクリスト」などなどいろんな自転車コミュニティがあって、SNSなどでは新たなコミュニティがどんどんできている。
活発に活動していたり、逆に休眠状態にあったり、自転車にはほとんど乗らずに飲み会中心だったり、会社が推奨する職場のサークルだったりとホントいろんな集まりがある。
中には内紛で分裂しそうだったり、実質的に消滅しているコミュニティもあって見極めが必要だが、あくまで趣味の世界である。ほとんどのコミュニティは「来るものは拒まず、去る者は追わず」といったスタンスである場合が多い。
自分と仲間が快適に気持ちよく楽しむことが目的なのであり、自転車を通じていろんな人たちと楽しみを広げて行けば良いのだ。
しかし、どうやって自転車コミュニティを見極め、仲間になれば良いのかわからないという人もいるだろう。ここでは、筆者が良く知っていて、自信をもってお勧めする自転車コミュニティをいくつか紹介したい。
<大人の自転車部>
1万6千人以上の登録メンバー数を誇る、フェイスブックでは最大の自転車関連コミュニティ。創設者は著名な自動車ジャーナリストである河口まなぶさん。
片山右京さんに口説かれてロードバイクを始め、すぐにハマってしまわれ、2012年7月のライドの際に仲間とフェイスブックにグループがあればいいなと盛り上がって、その勢いでその日に作られたコミュニティ。
名誉会長の片山右京さんをはじめ、今中大介さんや宮澤崇史さんなどの自転車のプロフェッショナルの方々、メーカーの方、ショップの方、メディアの方まで、さまざまな方が登録している。
大人の自転車部主催のライドなどはほとんどなく、個人での活動の情報シェアが基本であり、特に決まり等を設けずに、大人の節度で自転車に関する様々な事柄を共有するコミュニティである。
また、大人の自転車部ジャージを作成しており、希望者は購入可能で、さらにフェイスブックページから手続きを行えば、「大人の自転車部ステッカー」を無償で頂くこともできる。河口さんからは、「今後はイベント等の実施のほか、交通安全等に寄与するような活動も行えれば良いと思っています」とのコメントを頂いた。
メンバーになるにはフェイスブックの大人の自転車部の公開グループからリクエストを申請する。
https://www.facebook.com/groups/151555314968932/
<多摩川サイクリングロードを走ろう>
「自転車乗りには初心者やボッチライダーが非常に多い」と感じた創設者が、仲間が欲しいといったニーズに応じ、多摩川周辺の自転車愛好者のグループとして2010年3月に設立。
「自転車で楽しむ」をコンセプトに、毎月複数回のライドイベントなどが開催されている活発なコミュニティで、メンバーのモラルも高い。「無理はしない」をモットーに、大きな事故やトラブルを起こしたことがなく、フェイスブックの投稿も盛んである。
仲間内だけの少人数でざっくばらんなグループにしたいため、「非公開グループ」としていたが、それでも加入希望者は後を絶たず、メンバーは既に千人以上となっている。
「健康アドバイス担当」「グルメ企画担当」「ブルベ班」「技術班」「チームレース担当」「横浜周辺担当」などといったユニークな役割分担がなされており、ポタリング中心にグルメや観光などを兼ねた緩い企画が多い。
投稿写真の人気に応じてフェイスブックページのカバー写真を毎月変更するなど、管理人も一生懸命にやっておられる魅力あるコミュニティだ。
<荒川EarthRide>
多摩川にあれば、荒川にもコミュニティがある。もちろん江戸川であれ淀川であれ、サイクリングに適した河川沿いのコースをホームグランドにした自転車コミュニティは各地にたくさんある。関東サイクリストの聖地とも言われる荒川にはいくつもの自転車コミュニティがあるが、その中でも最も濃いと思われる「荒川EarthRide」を紹介したい。
もともとは創設者が2009年に自転車イベントへの参加者をmixiで募って、集まった人たちでグループを作った事が発端。荒川周辺のサイクリスト中心でコアメンバーは10名ほどと小ぢんまりしているが、深く濃い付き合いをされており、とても仲の良いリア友の集まりだ。
外部に対して門戸を閉じているわけではなく、イベントにはメンバー以外の参加者も多く、メンバーからの信頼のある方なら誰でも仲間になれる。但し、速さや強さを競う事を目的とはしておらず、「古民家を観る」「横須賀の隧道」などといった知識見聞を広めるサイクリングなどの企画が多い。
一番人気はBBQイベントで、年2~3回程度、都内の光が丘公園で開催される。丸鶏のビールローストや、ダッジオーブン料理、燻製料理といった本格的なアウトドア料理の腕を振るうイベントで、メンバーのみならず仲間の多くのサイクリストが楽しみにしている。
ちなみに男性メンバーのほとんどは、サイクリストらしくないポッチャリ体型であるのも特徴である。
<爆笑!茶利坊主団>
2009年3月に自転車ショップとブログを通じて知り合った仲間が集まって、FUNRiDE主催の「TOKYOエンデューロ」に参戦したのがきっかけでできたグループ。大会に出るにあたりチーム名を考える必要があり、爆走!は出来ないが、爆笑!ならお任せという自虐ギャグで「爆笑!茶利坊主団」と命名。創設者は「茶利坊主」さんで、スキンヘッドのチャリ団長として強いリーダーシップで様々なイベントを企画実行する愉快なおじさん。
自分達のイベントだけでなく「バイシクルライド イン東京」「東京夢舞いポタリング」「東京アースデイ自転車ライド」「ツール・ド・三陸」など様々なイベントにボランティアとして参画し運営に協力している。
仲間同士「楽しく!愉快!に走る」ことがモットーであり、ブログやフェイスブックで自転車の楽しさを多く伝えている。「自転車乗りはみんな仲間」として自転車の輪を通じて広がった仲間たちとの相互協力により、自転車愛好家を増やして行くことを願っている。
https://www.facebook.com/charibozteam/
<Escargot Rouge>
爆笑!茶利坊主団のメンバーで、毎週のように坂を求めてライドを行っていた坂好きの方々によって「山岳部」が自然発生し、2012年夏にEscargot Rougeというチームになった。
チーム名のEscargotには「かたつむりのようにゆっくりだって、いいじゃない! 坂を上ることを楽しみましょう」というメッセージが込められている。
Rougeはチームカラーで、坂にチャレンジする燃える心の色を表している。ジャージはメンバーのプロのデザイナーの作品で、このジャージ欲しさにメンバーになる人も多いという。メンバーになるには既存メンバー3名以上の推薦が得られることとともに、グッドチャリズム宣言に賛同していただくことが条件となっている。グッドチャリズム宣言は連載の第1章5項で紹介したが、自転車のマナーアップやルール遵守など、自ら安全の模範となることを誓う宣言である。現在メンバーは100名近くになっており、全国各地に支部があって、チームとして様々なイベントに参加している。
このEscargot Rougeの特徴は、女性のメンバーが多く、特に美女率が高いことを誇らしげに自慢することである!?
https://sites.google.com/site/teamescargotrouge/
<企画集団らくもび>
自転車に乗るコミュニティではなく、自転車を含む乗り物関係者が「楽」で「快適」で「判りやすい」移動環境の実現を目指し、様々な取組みを実践するためのグループ。
サイクリストにバスやダンプカー、トラックなどの運転席に乗ってもらい、死角を体験するイベントなどを、グッドチャリズム宣言プロジェクトとのコラボで行っている。
サイクリストをはじめ全ての乗り物の利用者と歩行者に、安全意識を高めて頂くことを目標に活動している。
<PoTaBeRu>
「Pottering」(ポタリング)しながら「TaBeRu」(食べる)自転車コミュニティ。「東京夢舞いポタリング」のリーダーの方が、個人で毎週のようにライドイベントを企画実施されており、マナーとルールを守り、他のメンバーに迷惑をかけない方なら、参加が認められる。本格的なライドが多いが、皆でサンタやトナカイなどに仮装して走るクリスマスライドや、4時間走ってその後5時間宴会をする牡蠣小屋ライドなど、ユニークなイベントも行っている。
<軽率会>
弱ペダなどのアニメから入って自転車を始められた、主に女性のためのコミュニティ。
「スポーツ自転車を買ったけどどうしていったらいいか分からない」という方に、楽しく安全に乗って頂くための活動をしており、初心者の女性が多いサークルである。
北海道から九州まで七つの支部があるが、入会には女性視点での審査があり、下心のある男性は却下される。
いろいろなコミュニティを紹介したが、実はそれぞれが結構つながっている。
例えば、「東京夢舞いポタリング」などでボランティアに協力下さるサイクリストは、ほとんどが上記のどれか、もしくは複数に所属している。いろんなグループの仲間が一緒になって運営していて、横のつながりも強く一体感と仲間意識が膨らんで行く。
何らかのコミュニティに参加すれば、その先には多くの仲間が待っている。
ともに走り、楽しみ、苦しみ、飲んで笑って、人生を豊かにしよう!
(瀬戸圭祐さんの「快適自転車ライフ宣言」は隔週火曜日掲載です。次回は1月17日(火)に公開予定です。お楽しみに!)
第2章 ハマるとヤバい?自転車の魅力!
<項目>
8)仲間が増える!自転車コミュニティ
著者プロフィール
瀬戸圭祐せと けいすけ
中学/⾼校時代に⽇本全国を⾛破し、その後、ロッキー、アルプス、⻄ヒマラヤ/カラコルム、ヒンズークシュ、北極圏スカンジナビアなど世界の⼤⼭脈を⾃転⾞で単独縦断⾛破。 ⼗数年ジテツウを続けており、週末はツーリングや⾃転⾞イベントなどを企画実施。 ⾃転⾞の魅⼒や楽しみを著書やメディアへの掲載、市⺠⼤学での講座、講演やSNSなどで発信し続けており、「より良い⾃転⾞社会」に向けての活動をライフワークとしている。 NPO法⼈ ⾃転⾞活⽤推進研究会 理事、(⼀社)グッド・チャリズム宣⾔プロジェクト理事のほか、 (⼀財)⽇本⾃転⾞普及協会 事業評価委員、丸の内朝⼤学「快適⾃転⾞ライフクラス」講師、環境省「環境に優しい⾃転⾞の活⽤⽅策検討会」検討員などを歴任。