2023年04月04日
Hijiri Oda -Ostwind- Vol.2「Ελλάδα(ギリシャ遠征)」
–どうやって読むのかわからない。
チームメイトと看板やメニュー表記をみてアルファベットの国は楽だなと。そんなことを話したら「お前の国の言葉は尚更わからん」と言われ、確かに海外の人からしたら日本語は本当に謎だろうな、と思いながらこの文章を打ち込んでいく。
「Αθήνα」
まずこの文字化けのような記号。なんて読むか分かりますか? ギリシャ語では、これをアテネと読むらしい。
私たちのギリシャ遠征の2日前にアテネで列車の衝突事故があり電車もメトロもストライキでストップ。
トランジットの時間が長かったためバスで市街地に向かった。アテネ空港からの公共移動手段はバスかタクシーの2択。
バスはタクシーに比べて安価なため、バス停は人でごった返していた。
飛行機の乗り換え時間が長かったので郊外を散策しようと思っていたのですが、空港から市街地が遠くあまり散策できずに帰ってきた。
Ρόδος(ロドス島)
今シーズンのレースはこのロドス島での連戦から始まった。
まずはロドス島について少し。南エーゲ地方に分類されるギリシャの中で東側にあり、外周がおおよそ200kmと自転車で回ることができる比較的小さな島です。
3月で最高気温20度ほどで温暖な地域。すでに海で泳いでる人もいてびっくりした。
天気のいい日には海を挟んでトルコの山々を見ることができ、島の北側にある港街ロードは中世の街並みが残る綺麗なところだった。大きなクルーズ船もたくさん停まっていて迫力が凄かった。
島の中部以南は開拓がそこまで進んでいないのか野生の動物と崖、オリーブ畑と葡萄畑が広がっている。
–これは補給食に良いのでは?
「これ甘くて美味しいぞ」「補給食で持っていったらどうだ」と炭水化物と糖の塊のようなものを指して監督が笑いながら言う。
確かにビュッフェにもお土産屋さんにも並んでいて、ここの地域の特産品なのであろう。トルコでは有名なのは知っていたがお隣のギリシャでも有名とは知らなかった。
“血糖値が急上昇して急降下しそうだな”と思いながら「アルミホイルにくっついて取れなさそうだね」と返答。
こちらがその正体。
18日間の滞在で全7レース
今回は2日間のステージレース、ワンデーレース、4日間のステージレースの計7レースを走った。
並行してチームの別部隊がクロアチア遠征にも出ていた。そちらではワンデーレース2戦、ステージレース1戦と、1回の遠征で何日もレースすることがあります。
このロドス島遠征のレースは主催者が同じで、外国籍チームが遠征しやすいようにレースを固めてくれています。
監督から「とりあえず苦しんでこい」と言われた。チームのための位置取りや逃げグループに入ったりしました。
最初のステージレースではレース中に大雨が降り道路が冠水した。雨が止んで太陽が見えるとその冠水していた道路が嘘のように乾いていて驚かされた。
次のワンデーレースでは島の外周を回った。前述したように1周が約200kmなのでワンデーレースで1周することができる。比較的風の強い日だったが、風向きが南西だったのでまだ良かった。島は楕円形の形で、長い面が向かい風と追い風。短い面が横風だった。
これが逆だったと考えると恐ろしい。
最後のステージレースでは初日のレース(プロローグ)の天気が大荒れ。雷が鳴って雹が降りレースがキャンセルになった。
このステージレースでは島の内陸部の山岳地下帯の道を走り、島で1番高い山アタヴィロス(標高1215m)の周辺の峠を毎ステージ通過した。最大勾配18%と壁のようなところもあったり、バラエティの豊富なステージレースだった。
今後の予定は、4月はスペインでトレーニングをこなし、5月に開催されるツアー・オブ・ジャパンが今のところカレンダーに入っているので、日本でレースをできるのが楽しみです。
写真と文:織田 聖 https://hijirioda.com/
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著者プロフィール
織田聖おだ ひじり
1998年生まれ。 2023年シクロクロス全日本チャンピオン。 ロードレースはマトリックスパワータグ、シクロクロスは弱虫ペダルサイクリングチームに所属。 レースなどの情報はInstagramやブログからどうぞ (https://hijirioda.com/)