2020年08月12日
【日本縦断ギネスレコーズチャレンジ】Day7 北海道札幌市〜宗谷岬 340km 完走
7日目のチャレンジは札幌市から宗谷岬までの340kmを一気に駆け抜けるプランだ。当初の予定では最終日を短い設定して、日中にゴールする計画を立てていたが、ちょうど120kmのビハインドが追加された形となる。フェリー乗車時間は3便遅らせることで10時間の遅れとなった。しかしこの時点で5時間遅れまで挽回したのは上出来だろう。
300km 以上の走行となると、12時間以上の走行時間となるため、日中に到着するためには、スタート時間を早めるほかない。疲労困憊の最終日も午前4時にスタート。午前3時に起きることはもはや習慣となり、それほど苦ではないが。
早朝に起きることよりも慢性的な寝不足による脳の疲れを感じる。たとえば15分仮眠をとると見違えて体が軽くなる。根本を解決しなければ2時間ほどするとまた倦怠感に襲われるが。高岡もスタッフもそのような状況下で、最後のライドとすべく走り出す。
今日も風に助けられた。地元のサイクリストによれば「この時期は運が悪くなければ必ず追い風」。さらに大陸北部にある低気圧の影響でかなり強い追い風となった。メーター読みで180wで軽く40km/h以上で数時間巡航できる環境ながら、2時間おきに20分ほどの仮眠を取るスタイルで進める。およそこれで50〜60km走れる。「とにかく眠い」と訴える高岡。仮眠することに抵抗感がない今では、小休止のたびにスタッフが用意した仮眠用のマットの上で20〜30分ほど休み、好きなものを食べて休息した。ここ数日は仮眠休息後に見違えるように速くなる。
序盤から中盤にかけて気温は高く高岡向き。スコールのような雨と急に晴れ間がのぞき強い日差しにさらされる。不安定な天気だ。自然隆起のダイナミックな地形と手付かずの植生の中に一本、アスファルトで固められた道を進む。
九州では太陽に炙られ、北陸・東北では雨になじられ、気まぐれのように追い風で後ろから煽られる。おこがましいが大地の掌の上で遊ばれているようだった。
留萌から宗谷岬までのメインルートとなる国道232号〜40号〜238号はこれまで走った中でも有数の豪快なコースといってもいい。穏やかな日に走れたらそれはご褒美だろう。今回のような強風と豪雨はまるで地獄のようだった。
アップダウンのほうが性に合っている高岡向きのコースで快調なペースで進む。
終盤残すところ55kmで集中的な豪雨に見舞われる。気温も下がりウインター用ともいえる装備を身にまとい走り始める。季節的には夏のはずだが、ここでも自然の脅威を目の当たりにした。しかしペースを大幅に落とすことはなく、淡々とフィニッシュを目指す。宗谷岬までは上り基調になるが、ゆっくりと噛みしめるようにペダリングを続ける。
最終日は340kmをグロスで13時間22分というタイムでこの日のライドを終え、見事に大きなトラブルに遭遇することなく、6日13時間28分というタイムで日本縦断を終えた。これまでのギネス記録から30時間と9分記録を更新することになる。
今後はギネスレコードジャパンにむけて証拠物品の提出を行い2週間ほど認定を待つ。その後に報告会を行う予定だ(認定されなかった場合は反省会となる)。
関連URL:日本縦断ギネスレコードチャレンジ 総合情報サイト
https://rxjgrc.roppongi.express/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得