2017年08月07日
バラ❤︎サイ VOL.8 唐見実世子さん「復帰させてもらえる、という環境を作ってもらえたことに感謝」
ちゅなどん:今シーズン、残りは何レースですか?
唐見さん:数えてみたら、あと6レース。9月の初旬にはシクロクロスの遠征で中国へ渡ります。その期間、国内のレースは出られないので。残り6戦は全部取るつもりで臨みます。
テクニカルコースは苦手なシクロクロス
ちゅなどん:ロードシーズンが終わると、チームのほとんどがシクロクロスへ軸足を移すそうですが、シクロクロスも強いイメージがあります。もう一年中強いんですね。
唐見さん:実は、昔もちょっとかじっていて……。全日本も2回ほど獲らせていただいているんですが、下手なんですよ。テクニカルなコースが苦手です。その代わり、難しくないコースなら強いと思います。
ちゅなどん:難しいコースってどんなコースですか?
唐見さん:泥がたくさんあったり、砂が深かったり……。あ、けどね、お台場の砂場のコースの場合、女性はみんなバイクに乗れなくてランになりますから、そうなると私は体重が軽いですし、ランが得意なので有利ですね。今シーズンも出る予定でいます。
ちゅなどん:ということは、野辺山CXと東京CXではまた走る姿が見られるんですね!
唐見さん:JCXシリーズは全戦、参加の予定です。もちろん、シリーズも取れるよう狙っていきます。
40代選手の希望の星?!
ちゅなどん:そういう年代のみんなの希望というか、今後、あとどのくらいやれそう、とか思っていることはありますか?
唐見さん:2020年。オリンピックイヤーまでかな、と考えています。あと3年。濃い時間になればいいなと思いますね。今年は全日本選手権の結果から世界選手権に出るチャンスもありましたが、今シーズンはJCFに誘ってもらった海外遠征、今年はまだ早いと判断してお断りしたのでUCIポイントをもっていないんですね。ですから、今年は選抜されてないはずです(※.2)。来年以降はそういったことも考慮して、海外のレースのことも視野に入れて、出るレースを選択していこうと考えています。ですから実業団のレースを走る機会は減ると思います。
※.2 UCIポイントの上位選手から選ばれるため。
ちゅなどん:では加齢によるネガティブな点など、ご自身ではどう感じられてますか?
唐見さん:ありますねぇ。ちょっとしたことで内臓おかしくなるんじゃないかとか、もう若くないんだから、と自分でも思ってますけど、意外と筋肉の回復も早いですし、世の中で言われているよりは、やれてるんじゃないかと。例えば二日続けてのレースの二日目「あぁー疲れてるなぁ」って思うんですけど、周りの選手の疲れ具合を見渡すと「疲れているといってもそれほどでもないな」と思います。こんな風に感じているうちはまだやれるなぁと。2020年までは、よっぽど何かの病気でもしないかぎり、頑張っていきます。世界には51歳で世界選手権を勝つ選手もいるわけですから。
最後に「この歳になって、復帰させてもらえる、という環境を作ってもらえたことに感謝ですね」とおっしゃった唐見さん。
それは唐見さんなら、やれるんじゃないか、って思わせるものがあったから、だと思います。声をかける側の立場になって想像すれば、40歳という年齢を考慮すればこそ、なお勇気がいることだったろうと思います。それが、プレイングコーチという立場でありながら、ご本人もちゃんと火がついて、勝利を量産する結果につながっていること。その裏には、信念にも近い想いに忠実に、シンプルに、トレーニングを重ねられている、という秘密がありました。
唐見美代子さんと弱虫ペダルサイクリングチーム。これからもまだまだ先を見据えて、前へ進んで行かれます。応援していますよ!お店がオープンしたら、筑波山を走りに行って、帰りにコーヒーとプロテインをいただきに立ち寄ることにいたしましょう。中身の濃いお話、とっても楽しかったです。ありがとうございました!
写真:編集部
文:ちゅなどん
DEVOTION BIKES
今回の取材でお伺いしたのは、先日オープンしたばかりで弱虫ペダルサイクリングチームのオフィシャルショップとなるDEVOTION BIKES。店長は佐藤成彦さん。店内にはカフェスペースもあり、ライドしたあとに立ち寄って一息つくことができる。唐見さんもお店にたち、カフェなどを切り盛りする予定。
営業時間:11:00〜20:00(平日)、12:00〜20:00(土・日)、水曜日定休日
Tel:029-828-8670
https://www.facebook.com/pg/devotionbikes/
9月9日(土)富士チャレンジ200で唐見さんがレジェンドライダーとして参加決定!
http://www.fujichallenge.jp/info/legendrider06/その華麗な走りを間近で見られるチャンスです。
エントリーは8月10日まで。
http://www.fujichallenge.jp/entry/
著者プロフィール
ちゅなどんちゅなどん
自転車好きが高じて一時期飽きるほど自転車に乗り、とうとう自転車に"乗る理由"がなくなってハンドメイドサイクルキャップを制作販売、自走納品する『自作自演型サイクリスト』 その傍ら、あるときはサイクリングイベント会社で、あるときは自ら企画するイベントでアテンドライドしています。持ち味はよく通る声と年の功からにじみ出る安定感。 ハマっ子歴19年。関西弁ネイティブ。