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2016年12月05日

バラ❤︎サイ VOL.7 望月美和子さん【ねじガール】/後編

会社からのサポートを受けて、サイクルねじガールはメキメキ頭角をあらわすの巻!

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ちゅなどん:会社が応援してくれるとあっては、よーし!がんばっちゃうよ!ってなりますよね。
これをきっかけにサイクルねじガール美和子さんの快進撃が始まることになるんですが、会社からの応援(サポート)とは具体的にはどんなものですか? チタンねじ?

美和子さん:そうですね。バイクのねじは会社から供給のチタンねじに換装されています。そしてレースのエントリーフィーを出していただいています。あと、参加レースの規模と結果(順位)によってインセンティブがあります。最初は3レース走ればいいかな、って思ってたんですが、師匠(原センパイ)に相談したら「それは少ない!もっとたくさん出ないと、興津螺旋が有名にならないよ!」って言われて、8レース(ヒルクライム7戦、ロードレース1戦)に申し込みました。

ちゅなどん:原センパイ、なかなか的確なアドバイスですね(笑)。そして、ヒルクライムの方は7戦、7勝! これはもう凄すぎて……。何を聞こうかな……。自分なりの勝ちパターンってあるのでしょうか?

美和子さん:全部独走で勝っていますね。2位ともつれたり、他の方と競り合ったり、っていうこともなく。自分のペースで走って、結果、優勝って感じです。走ってる最中は順位のことはあまり考えてないのですが、今自分が一番前を走ってるな、ってことはわかってることが多いです。中盤くらいになったらもう(後ろもいないので)周りを気にせず淡々と走るだけになりますが。だけどMt.Fuji ヒルクライムは、年代別では優勝したんですが、実は総合では2位。先行した選手はわかっていたんですが、途中で落ちてくるだろうと見込んで追わなかった結果、そのまま彼女が総合優勝したんです。これは本当に悔しくて。次は必ずついていこうって思ってます。

ちゅなどん:ではその強さに繋がる練習について聞かせてください。往復40kmの自転車通勤と朝練がメイン?

美和子さん:朝練は週末だけですが、時間にして3時間くらい。距離で50~70km程度です。これはしっかり「練習」ですね。サイクリングではなく。何箇所か上りのポイントがルートに含まれています。獲得標高は、自分では気にしてないですけど、周りは1000mは上ったね~なんて話しています。

ちゅなどん:男性のチーム員と一緒に練習していてどうですか? 今はもう千切れることはないんじゃ?

美和子さん:そんなことないですよ。集団で上りに入った後、自然にばらけるんですが、そこの先頭の集団にはついて行けないですね。その次のグループで走ってる感じです。あと、シーズン中はたまに「帰り練」もやっていましたね。会社の近所に鍼を作ってる会社があって、そこにチームの仲間がいるんですけど、彼らと仕事終わりに待ち合わせて、ジュースを賭けて1本、山原というところへ上りに行きます。距離は4~5kmなんですけど、平均勾配が10%くらいあるんです。
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ちゅなどん:ねじガールとはりボーイの帰り練、っておもしろい! で、美和子さん、その帰り練では彼らと互角に走ってる感じですか?

美和子さん:(ニヤリとして)今のところ、ジュースは奢ったことないですね!

ちゅなどん:すばらしい! ところで、素朴な疑問ですが、20kmってそんなに短くないと思うんだけど、自転車通勤はやっぱりサイクルジャージですか?

美和子さん:いえ、普段着です。

ちゅなどん:えっ? 普段着? レーパンなし?

美和子さん:はい、レーパンなしです。そんなにジャージを持ってないので、朝練で使うために取っておきたいから。

ちゅなどん:汗をかいたらどうしてるの?

美和子さん:会社に着いたら制服に着替えるので、通勤で着てきた服はロッカーで干してます。

ちゅなどん:うーん!びっくり。確かに、サイクルジャージって安くないし、自転車始めて3シーズン目だとそんな感じなのかなー。でもジャージの方がよく乾くし、動きも妨げなくていいと思うんですが……。

美和子さん:普段着って言っても、スポーツウェアですよ。寒くなったら上にウィンドブレーカー着たりして。でも帰り練のメンバー(はりボーイ)にはダサいってバカにされるんです。普段着っぽいサイクルジャージ買えば?って言われてますね。

しばし通勤ウェア談義に華が咲く3人。普段着派の美和子さんと編集部ヤマケン、ジャージ派のはりボーイの肩を持つちゅなどん。

ちゅなどん:今年、レースたくさん勝って、会社からのインセンティブがあったでしょう?それでジャージを買えばいいのでは、と思うんですが……。

美和子さん:せっかくだから自転車用品を買った方がいいのかと思って……。

ちゅなどん:用品ってあと他に何か欲しいものがあるの?

美和子さん:実は……マウンテンバイク買っちゃったんです。チームの人に、月イチくらいで山も走りに行こうよ、って誘われたんです。で、山も面白そうだなと思って。来年はマウンテンバイクのレースにも出たいと思ってるんです。

ちゅなどん:結局マウンテンバイクも買っちゃったんですね(笑)。マウンテンバイクでレースと言えば(ちゅなどんが唯一名前を知っている)セルフディスカバリー王滝ですか?

美和子さん:そうです! マウンテンバイクで100kmは過酷ですかね?

ちゅなどん:来年4月なので今から練習したらなんとかなるんじゃない?(ものすご〜く適当)。4月といえば、ちょうどロードのシーズンが始まる頃だから、冬の間にマウンテンバイクの練習をして、大滝が終わったらロードのシーズンインでちょうどいいですね。……ってそんなに自転車ばっかりで大丈夫? 彼氏はいるの?

美和子さん:今はいないです。

ちゅなどん:まぁそうでしょうね(笑)。お話伺ってて、だいたい察しはついていましたけど。さて、現在23歳の美和子さん。今、自転車以外で楽しいことってありますか?

美和子さん:うーん……、やっぱり今は自転車ですね。「走ってて気持ちが良い風」とか……。「みんなが一緒にいること」や「自分の成長を感じられる」こと……。

ちゅなどん:今、本当に充実している様子ですね。自転車を始めてお友達の顔ぶれって変わりましたか?

美和子さん:そうですね、自転車乗りが大半になりました。そして、今日お話しているうちに、彼氏を作ろうという気持ちがないなっていうのに気がつきました。

ちゅなどん:あはは! そうねー。一緒に走ってる仲間はグッドシェイプのイケメン揃いだし、これまでのお話から察するに、彼らが「美和子さん守り隊!」としていつも親切にしてくれるし、心地いいわよねぇ。わかるわよー。で・も・ね! そこに安住してると、気がついたら10年経ってるわよっ!

美和子さん:キャーーーー!!!

と、女性サイクリストあるある(一部の!)を披露してーーー


ちゅなどん:ということで、では来シーズンの抱負をお伺いしましょう。メインはやはりヒルクライムですか?

美和子さん:そうですね、ヒルクライムで。今年は静岡から近いところで開催されるレースばかりを選んだんですが、来年は富士ヒル、乗鞍、八ヶ岳、美ヶ原…遠征になってしまうけど、強豪が集まるレースに挑戦したいです。IMG_0088ss

お話を伺っていても本当に「普通のかわいらしい女の子」という印象の美和子さん。その印象は最後まで変わりませんでした。一体彼女はレースになったらどんな表情で走るんだろう。そんな興味を掻き立てられたバラ❤︎サイ第六回、いかがでしたか?今年の快進撃で、すでにSNSでは「ねじガールに負けた」なんて書き込みがあったりしたそうです。男性が女性の優勝タイムを目標にされるケースも多くあるのでしょうね。連勝を重ねたレースの成績とともにジワジワと「サイクルねじガール」の名前が広がりつつあります。来年はさらなる飛躍のシーズンとなりますように!

写真:編集部

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