2016年01月25日
バラ♥サイ VOL.2(前編)今井美穂さん
女性サイクリストの生態!? を赤裸々かつ大胆に伝えるバラ♥サイの第2回。2015シーズン シクロクロスレースで快進撃を続ける“みぽりん”こと、今井美穂ちゃんに登場していただきます。CycleClub.jp所属。昼休みには子供たちと鬼ごっこ、サッカー、ドッヂボールに全力をかけている先生のサイクルライフに迫りますよ。
今井さんは、大学までずっと陸上競技(種目は7種競技)に情熱を注ぎ、大学卒業後に赴任した中学校で受け持った部活は陸上部。毎日部員たちと10kmのジョギングを続けるうちにフルマラソンに挑戦することに。完走した瞬間なぜか“トライアスロンをやってみたい”と思ったのがきっかけで自転車を購入。
ちゅなどん:ほう、またきましたね。連載2回目にして、2人目のトライアスロンがきっかけと。
みぽりん:でも、買っただけで満足しちゃって乗らなかったんです。5月に買って、年が明けるまでに乗った回数が3、4回で総走行距離は70kmくらい。周りに乗る人も居なかったし、仲間もいないし、まだフラペだし……って。そしてある日、高校時代陸上競技の県合宿から知り合いだった男性に『お前自転車持ってたよな? 明日、練習に来いよ』って誘われたんです。そのとき30kmの距離を一緒に走ったんですが、彼らの走るペースの速さについていけなくて、これは……“バイクが違うんだ!”って。
ちゅなどん:ええっ。そこなん?(笑)
みぽりん:当時わたしが持っていたのはアルミフレームのバイクで、彼らはカーボン製の軽いバイクに乗ってる。練習に来ていたメンバーのひとりが自転車屋さんに勤めているので、すぐに持っていたバイクを売って「なんでもいいからいちばん速く走れる自転車をください!」と、そこへ駆け込んで。値段も調べずに。もちろんその値段にはちょっと驚いたんだけど、いいや、これで速く走れるなら、って。
この新しく買ったバイクで最初に走ったのが神奈川県の三浦半島一周だったんですけど、距離は80~90km。この1日で前のアルミバイクの総走行距離を超えちゃったんです。なんだ(機材が良ければ)走れるんじゃん、って。
ちゅなどん:あはは!(めっちゃ機材のせいにしてるけど)高いバイク買ってよかったんだね。
みぽりん:周りの人がね、気を遣わないんです。女だから手加減とか合わせてくれるとか一切なし。遅かったら『遅いんだよっ』『千切れたら承知しネェゾ!』って頭をはたかれるような。でも私はそういうのがぜんぜん嫌じゃなくって。
最初は上りでついて行けなくて言葉では『お待たせしちゃってすいません~』なんて言っているんだけど、心の中では『コノヤロー!負けねぇぞっ!』って、やっているうちにだんだんみんなと脚が揃ってきて走れるようになっていったんです。
ちゅなどん:根っから体育会系なんだね。
みぽりん:そして通勤も自転車でしようと思って、もうちょっと気軽に乗れる自転車が欲しくなり、また自転車屋さんに伝えたら出てきたのがシクロクロスバイクだったんです。最初はレースのことは知らなかったんだけど、周りも同じ時期にシクロクロスバイクに乗り始めて、レース出てみようぜ、ということになりました。最初に出た“ちちフェス”というレースではほぼぶっつけ本番で、もうとにかくキツくって、ものすごーく、楽しかった。ロードでは味わえない楽しさ。うーん、なんだろう。初めての楽しさだったんです。
ちゅなどん:ああ、それって自転車が“遊園地の乗り物”みたいなものになったような楽しさじゃない?
みぽりん:そうそう! それです。その次に出たのが野辺山シクロクロス。私は勝って、チームからは3名が表彰台に乗って、俄然ムードが盛り上がったんです。
こうしてシクロクロスシーン、レースにどっぷりハマっていくみぽりんと仲間たち。さて、それからどうなる?
(中編へ続く)
取材協力/valo kioski(バロキオスキ)
住所:群馬県 前橋市 千代田町 3-9-4 弁天通りアーケード 1F
TEL:027-237-1790
(写真:編集部)
著者プロフィール
ちゅなどんちゅなどん
自転車好きが高じて一時期飽きるほど自転車に乗り、とうとう自転車に"乗る理由"がなくなってハンドメイドサイクルキャップを制作販売、自走納品する『自作自演型サイクリスト』 その傍ら、あるときはサイクリングイベント会社で、あるときは自ら企画するイベントでアテンドライドしています。持ち味はよく通る声と年の功からにじみ出る安定感。 ハマっ子歴19年。関西弁ネイティブ。