2015年12月24日
バラ♥サイ VOL.1(前編)福永脩子さん
新連載のバラ♥サイ! 女性サイクリストに焦点を絞ったこの企画は、女性サイクリストによる、女性サイクリストの企画(タイトル名はURLスラッグから察してください!)。女性同士だからこそ訊けるようなお話をここで紹介しちゃいます。インタビュアーは、いま一段と輝きを放っているリーディング・ウィメンのちゅなどん。(ちゅなどんは2009~10年に行なっていた弊社主催のオクトーバー・スポーツマラソンにて、ひと月で3000km以上走ったランカー級のスーパー・エンデュランス・サイクリストとしての過去があり、FUNRiDEとはただならぬ因縁!?があるのです)。さて、テーマは女性サイクリストは、なにを思ってライドするのか。そして目指すところは? それでは記念すべき第1回目 福永脩子のお話をお届けします。
人との出会いが育んだサイクリングライフ
仕事で太り始めたのをきっかけにダイエット目的で水泳を—。最初は気楽なエクササイズだったのがやっているうちにエスカレートして仕事の合間の限られた時間で「今日は4km(!)泳ごう」と自分に目標を課したりしていたー。インタビュー開始1分で「自転車にハマりやすい性質」の持ち主であることがわかる……。福永脩子、通称つぼちゃん(旧姓が大坪さんだから)。自転車歴は4年。夢中になってすぐ一生懸命がんばってしまう、という彼女はここまでどんな風に自転車に乗ってきたのだろう。Rapha Supercross NOBEYAMAの会場の片隅で福岡から遠路やってきた彼女と再会。お話を伺いました。
きっかけはトライアスロン
つぼちゃん:2年間黙々と泳いでたんだけど、水泳で何かやってみようと思っていつもと違うプールを訪ねてみた。そこで主宰していたオープンウォータースイムのバスツアーに参加してみたの。
ちゅなどん:友達も、彼氏もなしで?
つぼちゃん:そう。友達も彼氏は当時いなかったから、ひとりで行って。行くときは寂しかったんだけど、帰りにはトライアスロンチームの人たちと友達になって。いつの間にか輪に入ってた。そのチームの飲み会においでよ、って誘われて行ったらいつの間にかリレー方式のトライアスロンに出ることになっていて。バイクも貸してあげるから、って。これがはじまり。貸してもらったバイクはクロスバイクだった。
ちゅなどん:トライアスロンだけどクロスバイクだったんだ。ロードバイクじゃなかったんだね。
つぼちゃん:そう、そこでみんなが乗っているこういうの(ドロップハンドルのジェスチャーで)。いいな、私もあれ乗りたいなって。それからはじまったんです。だから元々自転車に興味があったワケではなかった。トライアスロンの大会にはその後1年間ほど、オリンピックディスタンスなどに2~3回出場して。そうしているうちに自転車が楽しくなってきたんです。そして自転車だけのレースにも出てみようと思って。
ちゅなどん:自転車のどういうところが楽しくなってきたの?
つぼちゃん:いろいろ楽しみ方があるじゃないですか。ちょっとごはん食べに行ったりとかできるし。
ちゅなどん:そうか! 泳いでは食べに行けないもんね!
つぼちゃん:そうそう、そしてね、仲間がどんどん一気に増えた! そして自転車は速く走っても楽しいし。
昔の愛称はマーガレットちゃん
つぼちゃん:あ、でも速く走ろうと思ったきっかけは、当時知り合った人たち(おじさんたちだったそうです)からわたし『マーガレットちゃん』って呼ばれていて。ものすごくチヤホヤされるじゃないですか。まわりは男性ばっかりだから。
ちゅなどん:あるある(大きく同意する)。
つぼちゃん:「今日はツボちゃんがいるからゆっくり行こうね。ポタリングでー」なんて言われるのがすっごく悔しくて。それが嫌で速く走れるようになろうと思ったんです。この当時一緒に走っていた人たちは比較的のんびり派だったんですけどね。その後、どんどんレース志向の人たちと知り合うようになった。そうすると、彼らのペースについていくのに必死で、どんどんエスカレートしていったんです。そうこうして1年くらい経ったころに自転車のレースに出てみたんです。でも最初のレースはぼろぼろだった。男女混走のレースだったんだけど男の人に負けて本当に悔しかった。
(写真提供:Aya Fukamichi)
ちゅなどん:レースで男の人に負けて悔しかったとは……(なんという負けず嫌い……)。
つぼちゃん:で、2回目に出たレースでは女性のカテゴリーがあって2位になった。それがきっかけでVC福岡(福岡では有力な実業団チームのひとつ)の代表の佐藤さんから声をかけてもらい加入することになったんです。VC福岡に加入してからというもの、1年間ほぼ毎日、仕事行く前に5時半から7時まで朝練して、週末は日が暮れるまで自転車に乗る、っていう日々を過ごしました。ツール・ド・沖縄にも出ましたね。そのうちチームの中での役割も変わって、広報を担当するようになって。でも2年目に入った頃から……、身体がボロボロになってきたんです。で、気持ちもね、乗らないとこう……、罪悪感のようなものを感じるようになってしまって。
ちゅなどん:あるね。いつの間にか“乗らねばならない”になっちゃって、乗らないことが悪いことのように感じてしまう。
ちょうどこの頃、練習中にクルマが突っ込んでくるという事故に遭い、バイクは全損、身体は骨折こそしなかったものの打撲多数。プライベートでは転職のタイミングが重なって、と自転車に対するモチベーションが保てなくなったというつぼちゃん。その後は!?
シリアスレーサーからカルチャー系への転身
ちゅなどん:そのとき、今のご主人は?
つぼちゃん:それこそ、がんばれなくなっていたこの時にいろいろ相談したんです。彼はその当時まったく恋愛対象ではなかったんだけど、これがきっかけで仲よくなって、つきあうようになった。そして、そんなタイミングで丹野篤史さん(MOZU COFFEE)と知り合ったんです。
ちゅなどん:ガチガチの実業団チームのVC福岡と、九州カルチャー系のMOZU COFFEEのどこに接点があったの?
つぼちゃん:VC福岡ではシーズン最後に“練習会ではないファンライド”を開催するんです。ここにはチーム員だけではなくて、日頃お世話になっている外部の人も呼んで一緒に走るんですけど、丹野さんを知っている共通の知人が居て。ちょうどRaphaのFestive500(※1)の時期で、丹野さんに教わって参加してみたんです。当時は速く走ることに疲れていたころだったから練習で自転車に乗るのではなくて、ゆっくり楽しんで乗るのもいいんじゃないか。そしてチームの人とだけじゃなくて、もっと違う人とも一緒に走ってみようと思って。そして、彼らはその時すでにRapha Gentlemen’s Race(※2)にも出ていて、『つぼちゃんも九州で女性でチームを作って出てみなよ』って言ってくれたんです。わたしも、わ〜、なにそれ!楽しそう、って思って。
※1.Festive500:年末の慌ただしくも華やかな1週間に500kmの距離を走りましょう、という呼びかけるRaphaイベント。
※2.Rapha Gentlemen’s Race(以下RGR):現在 Rapha Prestigeと呼ばれるこのライドイベントは5人1チームでエントリーできるアドベンチャー要素が強いルートを5人揃って走破するもので、これに女性ばかり5名で参加するという、なかなかタフなイベントなのである。
(後半へ続く)
福永脩子さん●29歳 会社員。福岡市在住、MOZU COFFEEに所属。主に九州エリアにて数々のカルチャーライドを企画・アテンドしている。サイクルウェアブランドRaphaアンバサダー。
著者プロフィール
ちゅなどんちゅなどん
自転車好きが高じて一時期飽きるほど自転車に乗り、とうとう自転車に"乗る理由"がなくなってハンドメイドサイクルキャップを制作販売、自走納品する『自作自演型サイクリスト』 その傍ら、あるときはサイクリングイベント会社で、あるときは自ら企画するイベントでアテンドライドしています。持ち味はよく通る声と年の功からにじみ出る安定感。 ハマっ子歴19年。関西弁ネイティブ。