2017年05月31日
【CLIMB JAPAN レベル別攻略法/中級編】山の神 森本誠氏に訊くヒルクライム心得
強い人の言葉なんて、我々ホビーレーサーになんて響かないもんね〜、なんてことはありません。みんな最初はゼロからのスタートです。ペダリングはクランクを回せば回すほど磨かれていきます。もっともっと乗りましょう!
さて、会社勤めをしながらレースに参加している人は多くいますが、その中でプロ並の走りでレースを盛り上げるようなスーパーフルタイムワーカーも存在しているのは事実。その一人である森本誠さんは誰しもが認める国内最高クラスのヒルクライマーです。一体どんなトレーニングを積んで強くなったのか。初心に戻っていただきヒルクライムに臨むときの心得を伺いました。
編:それではよろしくお願いします。2017年の冬も寒かったですね。冬場のトレーニングをあまり行わないと伺っていますが、今シーズンの序盤はどう過ごしたのですか?
森本さん:全然乗ってないですね(※2017年2月初旬現在)。
編:そんなことないでしょう??
森本さん:実は2016年末に膝を痛めまして。だいぶよくなったんですけど、1月の走行距離は100kmくらいですね。
編:ということは、痛めたのはヘル・オブ・マリアナに行った後ですか?
森本さん:そうですね。マリアナに行ってからずっと休んでいて、年末にモリコロパークで行われたエンデューロに招待されて行ったんです。行ったはいいけど、ちょっと久しぶりに頑張って走って、たぶんそれで痛めたんだなと思います。そんな情けない状況で(笑)。
2017年シーズンは変革の年
編:2017年シーズンはJプロツアーのレースからスタートですか?
森本さん:Jプロツアーはいったんやめようかなと思っています。これまでの成績に満足感はある。興味がないわけではなく方向性が違ってきたのです。今はツール・ド・沖縄を目標にするのが面白いかなって思って。
編:ツール・ド・沖縄やグランフォンド世界選手権にでるため、ホビーサイクリストの皆さんが盛り上がっていますね。こちらも興味がある?
森本さん:今年は出られないんです。予選のニセコクラシックは乗鞍スカイラインヒルクライム(岐阜県側)、グランフォンド世界選手権も全日本マウンテンサイクリングin乗鞍(長野県側)と重複していて。岐阜県側は毎年招待してもらってるので、ちょっと難しそうだなって。
編:では沖縄とヒルクライムの2軸ですね。ヒルクライムは年間どれくらい出場するのですか?
森本さん:ターゲットにしているレースは全日本マウンテンサイクリングin乗鞍と太魯閣ヒルクライム、あと去年からMt.富士ヒルクライムですね。
編:ありがとうございます。リップサービスですね(笑)。
森本さん:いやいや、あれはホントに狙ってるんですよ。去年は初めて参加したのですが、かなりきわどい戦になるかと予想していました。コースとしては中村龍太郎選手といった上りの強いロードレーサーとちょうどヒルクライマーのかぶるゾーンなんでね。あの勾配っていうのが面白いなと思っています。
編:昨年「富士ヒルのコースは勾配が緩いので僕には向いてないかも」っていうのをおっしゃっていましたが。
森本さん:それはね、おそらくピュアクライマーって言われるような人ほど、嫌がってると思いますけどね。でも逆に言うと楽しいとも思うんですよね。
編:ロードレース的な駆け引きですね。
森本さん:そうなんですよね。ただ走っていれば、そのままちぎれて決まるっていうのもヒルクライム。それはそれであざみラインみたいなレースもいいんですけど。でもレースとなると、タイムトライアルではないのでああいうところの駆け引きが面白いですよね。
編:Mt.富士ヒルクライムの場合、走ってる時に駆け引きは繰り広げられている?
森本さん:強烈でしたよ、ホントに。去年はリオモベルマーレの才田選手もいたので。最初の20分はほとんどゆっくりな様子見でしたね。
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。