2024年06月10日
【第20回Mt.富士ヒルクライム】フミが今年も参戦! スバルラインを駆け上がったレジェンドたち!
「富士の国やまなし」 第20回Mt.富士ヒルクライム(6月2日、富士スバルライン)、今年も自転車界のビッグネームが登場。世界のロードレースで活躍した別府史之さん、パリ五輪トラック代表候補の橋本英也選手らが参加者と一緒にスバルラインを走り抜けた。また90分切りペーサーとして現全日本ロード王者の山本大喜選手ら現役選手たちもサイクリストをサポートした。
フミが2年連続富士ヒル挑戦!「今後も自転車をエンジョイしたい」
フミこと別府史之さんが、2年連続で富士ヒルにスペシャルゲストとして登場。ジロ、ツール、ブエルタの3大ツールを完走するなど世界中のレースで活躍し、オリンピックにも北京、ロンドンの2大会連続で出場した日本を代表するロードレーサーだ。
2021年限りで現役引退した後も精力的にサイクリングとかかわり、今年5月にはオーストラリアで開催されたグラベルレースにも出場。乗り込みも十分で、富士ヒルのスタートラインに立った。
「今回は昨年走った経験もあってどういう上りかも熟知していたし、この日に合わせて走ってきました。事前にZWIFTさんのヴァーチャル(クライムポータル)でも1時間5分ぐらいで走れていたんで、テンポよく走れたらいいな。グラベルもUCIのレースだったので、自動的に現役復帰というかたちになってしまったので(笑)」
いざコース上に飛び出すと、笑顔で他のサイクリストと触れ合ったフミ。
「今日はみなさんに声かけながら走りました。1年間この日のためにトレーニングを積み重ねてきてスタートラインに立って、走っている姿がとても輝いて見えました。天気も心配するほど悪くなかったので、みんな楽しそうにとてもいい笑顔で走っていたのが印象的でした」
リラックスしながら走ったタイムは、1時間15分48秒と昨年より約5分短縮。
「去年よりよかったけど、余裕でシルバー行けるかなと思ったら、数十秒足りなかった(笑)。タイムより、富士ヒルクライムに戻ってきて走れたことが大きな収穫でした」
一方でヒルクライムにかける日本のサイクリストたちのたちのレベルの高さと情熱にも、強く感銘を受けていた。
「今回は第3グループで走ったんですけど、彼らもワールドツアーのモビスターチームを見ているような隊列を組んで走っていました。一般のライダーのみなさんがトレーニングを頑張って、自己ベスト目指して走っているのはとても健全で新鮮だと感じました」
また主催者選抜クラス男子で2連覇を達成した金子宗平さん、同4位でブライテストホープ賞を山口瑛志さんにも熱い視線を注いでいた。
「選抜も、去年に続き金子宗平君がいいタイム出しているし、1~4位も僅差で見ごたえのあるレースをしてくれたのかなと思っています。金子くんは2年連続優勝ですけど、来年、再来年はわからないんじゃないかな。ブライテストホープ賞の山口くんも22歳でまだまだ可能性がある。今回4位で悔しい思いをバネにして走ってほしい。若い子たちが活躍して上を目指して走っていく、そういうのも垣間見れましたね」
「(前日の)ブースでも、参加者のみなさんとコミュニケーションをとってこの大会にかける意気込みを聞けたのも、自分の新しい発見でした。自分としても引退したからと言って、今後も自転車をエンジョイできるようなコンディションにしていきたい」と、自転車の楽しさを再発見した1日になったようだ。
パリ五輪代表候補、橋本英也選手が3度目の富士ヒルへ
先日、パリ五輪・自転車トラック日本代表候補(マディソン、チームパシュート)に選出された橋本英也選手が3年連続で富士ヒルに登場した。
東京五輪にもトラック代表(オムニアム)として出場した橋本選手。競輪、ロードレースでも活躍し、約1週間前にはツアー・オブ・ジャパン(TOJ)にも出場して激坂の富士あざみラインを上ったばかり。
さらに、富士ヒルは過去2回出場し、1時間02分48秒(2022年)、1時間04分19秒(2023年)と大柄なトラック選手らしからぬ驚異的なタイムをマーク。パリ五輪開幕まで約2カ月と迫ったこの時期に、またも富士スバルラインに挑んだ。
スターターとしても登壇した橋本選手は「大好きなイベントなので、それに向けて眠れない夜を過ごしてきました。本当だと1時間切りしたいと思っていたんですけど、TOJで体調壊したのが続いているので、今日は無理せず生きて帰ってくるのが大事。みなさんも楽しんで帰ってきてください」とマイペースで走ることを誓っていた。
結果、過去のタイムには及ばなかったものの、それでも1時間12分15分でフィニッシュ。オールラウンドなポテンシャルを見せてくれた。
全日本ロード王者・山本大喜選手らがブロンズ獲得をリードアウト!
毎年恒例のブロンズ獲得(90分切り)を目指すFR90(90分ペースメーカー)に今年も豪華な顔ぶれが登場。現全日本ロード王者の山本大喜選手(JCL TEAM UKYO)はじめ、多くの現役選手らが参加者をサポートした。
「あざみラインはTOJでよく走っているんですが、スバルラインは初めて。比較的勾配が緩やかと聞いてますね。今回は90分切り目指している人たちのペーサーなので、230Wぐらいで淡々と踏もうと思っています」と山本選手。
また、全日本チャンピオンの日の丸ジャージは注目度抜群で「たくさんの参加者の方と交流できました、昨日も会場にいたんですけど、たくさん声かけてもらって、自転車が盛り上がっているなと思ってすごくうれしいです」と多くのサイクリストとの触れ合いを楽しんだ様子だった。
元富士ヒルレコードホルダーの別府匠さんが、インスタで生配信!
元プロロード選手・愛三工業レーシングチーム監督の別府匠さんが、今回はオフィシャルリポーターとして富士ヒルに参加。ファンライドのインスタグラムで、前日のパレードライドから当日自らがスバルラインを上る様子まで生配信を行った。
「新鮮な経験でした。昨日初めてレポーターやってみてちょっとコツをつかんだので、今日はいい感じで撮れたんじゃないかな。インスタにアーカイブ残してあるので、ぜひ見てください!」
現役時代は招待選手として富士ヒルに何度か出場し、2007年に58分35秒と当時のコースレコードを樹立。打って変わって、この日は配信しながら2時間半以上かけてゆっくりゴールした。
「今日は撮影で何度も止まりながら上ったのでタイムは全然です。途中でトレインに乗せてもらって、参加者のみなさんがどんな気持ちで走っているのかいろいろと体感したので、その辺もうまくフィードバックできてたらいいですね」
そして「本当に人が途切れなくて上も下もいっぱいで、あらためて人気があるイベントだなと感じました。今朝は霧が出ていたけど、第1回大会も実はそういう天気で、霧でまったく周り見えなかったことを思い出しました」と富士ヒルの歴史と人気を改めて実感する1日となったようだ。
前日のステージイベントでは弟の史之さんと一緒に登壇し、この日も富士スバルラインを一緒に走ったことになったが…
史之さんは「途中でちょっと見かけましたよ」と話していたが、匠さんは「配信のことで頭いっぱいで、気づかなかった。でもまあ、同じ道の上にいたってことですね」と笑顔を見せていた。
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著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。