2025年06月07日
【Mt.富士ヒルクライム】別府兄弟が富士ヒル攻略法を伝授! 雨にも負けず盛況のステージイベント!

「富士の国やまなし」 第21回Mt.富士ヒルクライム、大会前日の5月31日にはメイン会場の富士北麓公園でサイクルエキスポが開催された。ステージ上では別府匠さん・史之さん兄弟による富士ヒル攻略ガイドなど様々なイベントが行われ、雨の中、多くのサイクリストの注目を集めていた。
追い込みすぎとトレインの誘惑に注意!「富士ヒルコース攻略ガイド」

元プロロード選手の別府匠さん・史之さん兄弟による「Mt.富士ヒルクライムコース攻略ガイド」。匠さんは現役時代の2007年に招待選手として当時の富士ヒルのコースレコード58分35秒を樹立。長年UCIワールドツアーで活躍した史之さんは3大ツールを始め、世界中のあらゆる峠道で戦ってきた。ともにヒルクライムを熟知する2人だ。
コース図を前に、匠さんは「富士スバルラインは全長24kmの上りで、ツール・ド・フランスでいえばカテゴリー超級の上り。いわゆる超級の峠のよりは全体の勾配は低いんですが、特に距離が長く、前半に急勾配があるのが注意ポイントですね」とその特徴を解説。
史之さんも「極端な話24kmのタイムトライアルなので、ブローアップ、つまり追い込みすぎて限界を超えてしまうといけない。前半の急勾配区間で追い込んでしまうと、下がっていくしかない。みなさん1週間前ぐらいから気持ちが上がっていると思うので、精神的なコントロールが大切。『始めよければ、すべてよし』で行けますから」とメンタル面の重要性を唱えた。
また平均勾配が緩い富士ヒルならではの、「誘惑」についてもアドバイス。
匠さんは「走っているとトレインが魅力的に見えて、乗ったら速く走れるように見える。でも、トレインの後ろの方はペースの変化がある。勾配の変化に加えてペースの変化で限界を超えて千切れてしまうという」と注意。
史之さんも「プロのレースでもトレインの先頭は40km/hで走っているのに、後ろはスピードの上げ下げがあって50~60km/h出ることもある。トレインの前の方にいれば感じないけど、無理して後ろについていくとそういった現象に巻き込まれるかもしれない」と助言し、サイクリストたちにエールを送った。
夢を追いかけて5年目「ビオレーサードリームチーム」

富士ヒルで夢や目標の達成を目指すサイクリストが集結した「ビオレーサードリームチーム」。毎年新たなメンバーで構成されるが、5年目を迎えた今年は個性豊かな12人が選ばれ、ステージへ上がった。
ゴールドリング(1時間5分切り)やシルバーリング(1時間15分切り)といった目標を掲げるメンバーが多い中で、みっこさん(前列左2人目)は「富士ヒルは3回目で、今年の目標はブロンズ、90分切り。去年のタイムは1時間50分で20分も短縮しなきゃいけないとかなり大きいハードルですが、みなさんが機材選びや練習会で初心者の私にサポートしてくれました」とチームの絆の深さを強調していた。






写真:光石達也、小野口健太、池ノ谷英朗
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著者プロフィール

光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。