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2021年06月09日

【第17回Mt.富士ヒルクライム】日本一の山に挑んだサイクリストたち

6月6日、2年ぶりに開催された「富士の国やまなし」 第17回Mt.富士ヒルクライム。参加者、関係者のみなさんの協力のもと安心安全な大会運営を行い、4726人のサイクリストが日本一の山・富士山の五合目を目指してスタートした。
レポート第3弾では参加者の表情やサイクルエキスポの模様をプレイバック。

仲間と一緒に「富士ヒル」!

主催者選抜クラス男子を脅威のコースレコードで制した池田隆人さん(中央)も名を連ねる「Team ZWC」のみなさん。普段はZWIFT内で交流しているので、リアルでは「初めまして」というメンバーがほとんどだとか。

前回第16回大会の主催者選抜クラス男子で優勝した佐々木遼さん(中央)が所属する「Team GOCHI」は、実力派ヒルクライマーぞろい。「近くの自転車好きの集まりですが、最近は遠くから参加するメンバーもいますね」(佐々木さん)

「チーム髪人(かみんちゅ)」は、床屋さんなど平日が休みの職業の人が集まって作られたチームで、平日に練習を重ねている。自分を追い込むヒルクライムレースが好きで、榛名山などの大会にも出場

「名前を売り出し中!」という「チームゼロ」。ヒルクライムレースはあまり好きじゃないが一年の最初の調子を占うレースとして富士ヒルには出場しているという

医師や技師など病院勤務のスタッフで構成された「TRH レーシング」。富士ヒルは初出場。なかなかスケジュールが合わせられず集まって走ることはできないが、各自練習して当日を迎えた

「NSSU日体大スケートチーム」は大人数で参加! 実はオリンピック金メダリスト、高木美帆選手も学生時代同チームで富士ヒルに参加経験あり。

走っている時は真面目だがそれ以外は下ネタ好き!? 「シモーネ」というチーム名にもそれが表れているが、ロードレースやヒルクライムが大好きで、特に富士ヒルには思い入れがあるそう。今回も「真面目に」参加してます!

「Qlimbers」というチーム名は、メンバーが働く会社「クアルコム」と「クライム」をかけて名付けられた。今回が富士ヒル初参加ではあるがヒルクライム熱はかなり高く、夏に控えている「乗鞍」に挑戦するメンバーもいるほど

自転車ショップ「U2バイクス」のメンバーが参加中。当然メンバー内にも実力の高低はあるが、この日は一緒に参加し、それぞれ応援しあって各自の目標を目指して走る!

結成して約4年。先輩・後輩、仕事仲間、家族とさまざまなメンバーが集まって、基本的にはスイーツを求めてグルメライドを楽しむチーム「アントタワーウォーク」。年に数回はエンデューロやヒルクライムにも出場

「奥武蔵 Cyclo-Line」は練習場所には峠が多く、富士ヒルにも5回参加しているメンバーがいるなど坂好きも多い

はじめて参加する富士ヒルの規模にびっくりしていた「MSR(メキシカンスマイルレーシング)」のみなさん。チーム名のとおり楽しく笑いながら完走してくださいね!

自転車洗車の専門店をやっている「ラバッジョ」。これまでの富士ヒルとは違い「静かな感じ」とはいうものの「でもこんなに集まっているイベントは今年全くないので、ワクワクします。どれだけ走れるか分からないけど完走します!」

目標はシルバー、ブロンズ、完走と、さまざまなレベルのライダーが集まる「平日温泉ライダーズ」

ブラジル出身で日本のスーパーGTなどで活躍するレーシングドライバーのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(左)。4月の「富士チャレンジ200」にも参加し、サイクリストとしても非凡な実力を発揮していたが、プライベートで参戦した富士ヒルでも1時間10分11秒の好タイム!「2回目だけど、前回より4分速くなったよ。前半は集団で走れて調子よかったけど、標高1800mを越えると酸素が薄くて大変だったね。またチャレンジするよ!」

富士ヒルといえば、おなじみの今中大介さん。「本当は一番後ろからスタートしてみなさんを応援したかったけど、最近忙しくて練習不足なので真ん中あたりからゆっくり走ります」と語っていたが、さすがの華麗な走りを披露!

「サイクルエキスポ」注目の自転車関連アイテムが集結!

大会前日の5日、受付会場でもある富士北麓公園では「サイクルエキスポ」を開催し、30以上の自転車関連ブースが出展。検温、人数制限、時間制限などの感染対策も徹底しながら行った。

ときおり富士山も頭をのぞかせる中、参加者のみなさんは最新アイテムをチェックしたり、翌日の富士ヒル本番に備えてウエアや補給食を買い求めたりと、思い思いにブースを巡っていた。
ここでは、注目のブースをいくつかご紹介します。


BIORACER

“勝つため”のオーダーサイクルジャージをプロデュースするベルギー発祥のサイクルウエアブランド・BIORACER(ビオレーサー)。その性能の高さから多くのナショナルチームに採用され、東京五輪でも投入される予定だ。富士ヒルではチャンピオンジャージ、公式ジャージを手掛けた。

富士ヒル公式ジャージは、自転車先進国ベルギー・オランダ等の代表ジャージと同品質のもので、ブースではお求めやすい価格で販売。このジャージには、コロナ禍でイベントや大会が少ない中、同じウエアを着てサイクリストが心を一つにしてほしいという思いも込められている。デザイナーの奥村真美さん(写真左)は「6月の新緑に映えるブルーで、晴れてほしいという願いもこめて空のようなグラデーションにしました。幾何学模様は山岳をイメージしています。これを着て、みなさんのモチベーションが上がってくれるとうれしいです」と語っていた。

大会当日は曇りから小雨がぱらつく天気となったが、多くのサイクリストが鮮やかなブルーの公式ジャージを着て、富士スバルラインを駆け上がっていた。


ピュアパラ

植物由来の糖質パラチノースを使用した「ピュアパラ」は、消化がゆっくりな糖質として注目。マラソンランナーなどの持久系アスリートに愛用者が多く、サイクリストの間でも広まりつつある。ピュアパラは粉末状で、ボトルの水などに溶かして摂取。ブースではパラチノースを使用し、ライド中も片手で食べやすい「スポーツようかん」なども販売。


SurLuster

自動車用の洗車用品として知られるSurLuster(シュアラスター)が、今年4月から自転車用ケミカルに参入。スプレーのノズル形状も自転車に使いやすいようにこだわっており、ユーザーからの評判も上々とのこと。ブースではスタッフによる洗車サービスが行われ、すみずみまで洗車することで自転車の性能を最大限発揮できることをユーザーに伝えていた。


AIRFIT

貼る心拍センサーパッドとして注目のAIRFIT(エアーフィット)。従来のベルトの締め付けがなくストレスフリーと好評で、数年前から多くの国内プロ選手が愛用。
最近ではバーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也選手、EFエデュケーション・NIPPOの中根英登選手らワールドツアー選手の間でも広まり、新城選手のチームメイトで先日のジロ・デ・イタリアで総合2位に入ったダミアーノ・カルーゾ選手、元ロード世界王者のアレハンドロ・バルベルデ選手(モビスター・チーム)らも使用しているという。今後はイタリアを始め、海外でも販売される予定とのことだ。


ポディウム

ポディウムのブースでは、フランスの人気レーシングブランド「TIME」のフレームのカットモデルを展示。自社でカーボン繊維から成型しているTIMEの貴重なフレーム構造や、フロントフォーク内のダンパー、カーボン繊維などを手に取ってみることができた。
またブースで実演されていた「idmatch クリートフィットシステム」は、足の長さ、幅などを測定して計算で正しいクリート位置を導き出すサービス。自らのシューズを持参して調整するサイクリストも多くいた。

写真:小野口健太 武智佑真 今雄飛 光石達哉


公式サイト
Mt.富士ヒルクライム https://www.fujihc.jp/

大会スポンサー・企画協力
ビオレーサー https://bioracer.jp/
グリコパワープロダクション http://www.powerproduction.jp/
Zwift https://www.zwift.com/ja

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