2018年08月26日
【TREK】NEWエモンダALR5 & チェックポイントSL5 チェック&インプレッション
エモンダのコンセプトを引き継ぎ、1kgを下回る軽さのアルミフレーム、エモンダALRがフルモデルチェンジ。
そしてグラベルロードの新型、チェックポイントSLのインプレッションをお届けします。
IMPRESSION NEW エモンダALR5
2005年前後にあったアルミフレーム全盛の時代にも起きた軽さへの飽くなき挑戦。大手チューブメーカーが競って軽量なアルミチューブをリリースし、1kgを下回るようなフレームが作り出されたが、デリケートな扱いを求められたものだ。そんな時代から約15年ほど経ち、アルミフレームの進化が感じられる。このエモンダALRのように1kgを切る軽さながらも、フレームチューブの加工にも妥協がなく、しかも日常的な用途を考えたクラスに登場しているのだ。
当時の最軽量アルミフレームの価格は30万円を軽く突破していたが、このエモンダALR5は新型の105“R7000”シリーズを搭載しながらも20万円という価格に抑えている。現代の最軽量クラスのカーボンフレームは700gだが、この最新アルミに比べてパフォーマンスが底知れぬものなのかというと…….。
話を戻すと、過去にレースで使われていたようなアルミフレームの軽さで、かつ実用性も兼ね備えたのがエモンダALRだ。重量だけならエモンダSLRと比較しても300g前後の差だ。
まさしくフレーム剛性とフォークの挙動については、素直そのもので弱点が見つけられない。ホイール・タイヤの足回りについては、入門用と言わざるを得ない実直性、リスクをとらない堅実な仕様となっている。つまりは重量度外視であるので、運動性能面では犠牲にしている部分が多少なりともある。ここは割り切り、スペアホイールとして考えて、ホイールのアップグレードという将来的な機能拡張を目指したい。
ハンドリングはいうまでもないが、ブレーキ性能も向上している。よく見てみるとダイレクトマウントではないか。確実なアライメント、高い剛性で思った通りに制動できる。
かつてのアルミフレームで1000g以下の重量というと繊細で、試乗にも気をつかったもの。エモンダALRもそれなりに肉薄チューブとなっているだろうから、転倒時やチューブをぶつけてしまった時などはチェックが必要になるだろう。このあたりはカーボンフレームと同じように扱った方が無難かもしれない。
さらに秀でた面はこのラグジュアリーなグラフィックペイントにもある。秀逸の仕上がりは所有する喜びを満たしてくれる。
スペックだけ見ると練習用……と思ってしまうが、十分に戦力となるポテンシャル満載の一台だ。
価格(税抜)
エモンダALR5ディスク / 199,000円
エモンダALR5 / 172,000円
エモンダALR4 / 135,000円
ディテール
ヘッドチューブはつなぎ目が一切わからないインジビジブル ウェルド テクノロジーが用いられている
ハイドロフォーミングを用いたチューブ。カーボンモノコックフレームのようなくびれを演出している
カーボン製シートポストを標準装備(やぐらはアルミ)。丸チューブで扱いやすい
トレックの最高グレードのアルミチューブ、アルファ300を用いている
光の差し具合で色が変わる美しいグラフィック。ジオメトリーはエモンダのカーボンモデルと同様
エモンダALR5はシマノ・105(R7000)を搭載
ダイレクトマウントブレーキとなる。細身のバックスティは上位モデルゆずり
関連URL:トレック・ジャパン
次のページへ NEW チェックポイントSL5 インプレッション
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得