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2018年10月02日

【SPECIALIZED】NEW ヴェンジ ディスク チェック&インプレッション

話題のニューモデル、ディスクブレーキを搭載しフルモデルチェンジを果たしたヴェンジ。
富士チャレンジ200(1時間40分で中止となってしまいましたが)雨中のテストライド+アルファのレポートをお届けしたいと思います。
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まずNEWヴェンジ を知らない方のためにそのコンセプトを。
「エアロこそすべて」というコンセプトの新生ヴェンジはヴェンジ  バイアスよりも8秒速いという(ヨー角0度で40㎞走行時)。さらに460gも軽量化しているという(56サイズ、サテンブラック/シルバーホログラム)。

完璧なチューブ形状を目指しFreeFoil Tube Shape Libraryという新テクノロジーの構築からヴェンジ の設計が始まった。
「エンジニアたちは最適化アルゴリズムを書き、本物のスーパーコンピューターを用いて、重量と表面積と構造的目標の異なるさまざまな新しい翼断面形状を作り出しました。多様なアスペクト比を持つ数多くの形状を収めたライブラリーをもとにバイクの各部を設計し、Win Tunnelでの多くのテストを経て、最も空力に優れ、最も速い形状を割り出しました」
「Rider-First Engineered™により重量削減が可能になりました。新型ターマック開発での最適な素材やカーボンレイアップの発見を活かすことで、新しいヴェンジ はヴァイアスより軽いだけでなく、どのフレームサイズをとっても剛性‐重量比がより高く、コンプライアンスも40%向上しました。見た目の変化が少なくても、一度乗れば素早い加速や、バンプをものともしないコンプライアンスが実感できます」(スペシャライズド公式ページより)

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「風洞実験施設内だけでなく実際の自然環境下でも、他のバイクよりも速く走ります」
NEWヴェンジは空力性能が向上しただけではなく、スピードを上げる別の要素も備わっている。
「重量と空力の完璧なコンビネーションがバイク全体のパフォーマンスを上げる最大の鍵です。空力だけを追求したバイクは、平地では抜群の性能です。しかし、登りや素早い加速で問題が生じます。軽量化だけを追求したバイクは、急勾配の登り坂以外のあらゆる場面で苦労します。
空力性能をヴァイアスより向上させただけでなく、モジュール全体での重量を460g減らしました。内訳はフレームで240g、フォークで25g、コックピットで107g、シートポストで25g、細かい部品で63gです。これにより、新しいヴェンジ はどんなコースを走っても、上り、下り、オールラウンドで常に最も速い選択肢となります」

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「ワールドツアーに参加するチームとの協力を通じて開発された新しいコックピットには、これまでにスペシャライズドがテストした中で最も剛性の高いステムと新しいハンドルバーを採用しました。このハンドルバーは従来品より空力性能が高く、軽量で高剛性。そのうえバートップにほどこされた表面の加工がよりしっかりしたグリップとコントロール力を提供します。
また、32㎜幅(実測)のタイヤでも問題なく装着できるタイヤクリアランスを採用。さらに、シートポストにはシマノのAジャンクションを内装。充電やバッテリーレベルのチェックがしやすく、調整も容易です」

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評価の高いカーボン素材を最適な形状設計で仕上げたのがNEWヴェンジだ。
「Rider-First Engineered™アプローチで作られたFACT 11rカーボン製フレームの新しいVengeは、スペシャライズド史上最もエアロ特性の優れたロードバイクであるだけでなく、軽量で最適な剛性を持っています。すべてのチューブ形状から空力性能を左右する各チューブの後端部など、設計上の細かい配慮までが、Win Tunnelでの長時間のテスト、CFD(数値流体力学)、3Dプリンター製のプロトタイプ、実際のライダーからのフィードバックに基づいています」

 

 

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類まれな一台
ディスクブレーキを搭載したバイクのステータスを一気に押し上げたバイクといっていい。まさに類まれなバイクだ。
一般的にディスクロード化することによるロングホイールベースやフォークの過剰な剛性アップに伴い、レーシングロードバイクの質感とはやや違ったバイクが多かったが、このNEWヴェンジに関しては、純粋なレーシングバイクそのものといったライディングフィールだ。
踏めば応えるまさにそんなイメージの剛性感で、64mmの比較的ハイトが高いリムでも上りが非常に楽だった。とはいっても1〜2分の上りなので、ヒルクライム性能を語る上では弱いかもしれないが、直感的に上れるバイクだ、というのが伝わってくる。
さらに雨でのテストライドも、ディスクブレーキの真価を問えた時間だった。テストバイクはまったくのおニュー(死語か!?)ではないものの、フロントブレーキの馴染みが甘く、ブレーキングするたびに音鳴りが発生し、周囲のライダーにはやや迷惑をかけた。
豪雨のライドほどリムブレーキの性能差を感じる場面はない。路面が見えないほどの雨が降っている場合、リムの表面にも薄い水膜のようなものができるのだろう。一度ブレーキシューを当て効き(制動ではなく調整の意味合いもある)をして水を払ってから制動に移る……ということをやっているのだが、その一連のプレセスが必要ない。タイヤのグリップさえマージンがあれば、晴れているのと変わらないコントロール性があった。非常に軽快なタイヤは雨ではややスリッピーなイメージがあったのでハードなブレーキングをするようなアクションをできるだけ避けていたが、ディスクブレーキのありがたさをつくづく感じた。バイク重量も7キロ前半に抑えられている。もはやリムブレーキに固執する理由がない。
2019年モデルのディスクブレーキ搭載の新型ロードバイクに何台か試乗をしてみたが、懐疑的な思いは払拭できなかった。しかしながらこれほどまでの可能性を突きつけられると、もはや受け入れるべきだろう。

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Roval CLX 64ディスクホイールは、スペシャライズドがテストした中で最速のホイールであるだけでなく、横風などのあらゆるコンディションでも非常に優れた性能を発揮する

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ダウンチューブのボトルケージ台座は3つあり、シーンに応じて取り付け場所を変更できる。下につけると空気抵抗が最も低いという

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オリジナルカーボンクランクにはパワーメーターが装備される。左右のアームからパワーを計測し、左右差を測定することもできる

S-Works ヴェンジ  価格:1250,000円(デュラエースDi2完成車、税抜)
S-Works ヴェンジ  フレームセット 価格:510,000円(フレームセット、税抜)
ヴェンジ プロ 価格:710,000円(アルテグラDi2完成車、税抜)

問い合わせ:スペシャライズドジャパン
関連URL:https://www.specialized.com/jp/ja/

写真:小野口健太

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