2015年12月04日
3モデル インプレッション VOL.5/PINARELLO編 プロローグ
3モデル インプレッション VOL.5 PINARELLO
◆3モデル インプレッションの定義◆
エアロロード、ノーマル、エンデュランスロードと3つのカテゴリーを有するブランドをセレクトし、この3つカテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブランドのイメージ、それぞれのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダーが多角的にレポートします。
ツール・ド・フランスで11回も勝利に貢献したピナレロ。まさに王者に選ばれるバイクといえる。エアロロードとしてセレクトしたドグマ・F8はクリス・フルームをしてツールを制したモデル。そしてスタンダードモデルとしてセレクトしたGANはF8の技術を受け継いだセカンドシリーズとなる。エンデュランスロードとしては、クラシックレースから、グランツールまで、選手が好んで使用したというK8-Sをセレクト。プロスペックのF8からパフォーマンスを継承し、ホビーサイクリストにまでハードルを下げたGAN、そして注目のエンデュランスバイクのK8-Sを3人のテストライダーがインプレッション!
DOGMA F8/チームスカイ、ジャガー、東レそしてピナレロのコラボレーションによって誕生した新型ドグマ。すべてを一新したそのフレームは、新世代のカーボン繊維を用い、軽量かつ高剛性、そしてエアロダイナミクスに優れたフォルムに。価格は648,000円(レギュラーカラー、フレームセット、税抜)、726,000円(MYHOUR HRカラー、ライノカラー、MY WAY、フレームセット、税抜)
GAN/ドグマ・F8の最新技術を受け継いでいるモデル。そのフォルムは優れた空力特性を発揮し、軽さや強度、剛性はクラスの性能を超えた。ハイエンドモデルに引けを取らないスタイリングは所有欲も満足させてくれそう。価格は325,000円(シマノ・105完成車、税抜)
DOGMA K8-S/ピナレロとジャガーのコラボレーションによって生みだされたニューモデル。バックステイにはサスペンションユニットを設け、チェーンステーの柔軟性によって意図的にしならせ、悪路でも快適なライディングを可能にする。サー・ブラッドリー・ウィギンスがパリ〜ルーベのコースである石畳上でテストライドを行なったところ”これは勝負を変えるものだ”と言ったそう。価格は1,350,000円(シマノ・デュラエース完成車、税抜)、810,000円(フレームセット、税抜)
PINRELLOのブランドイメージは……
山本:さて、いまをときめくピナレロはどんなイメージでしょうか?
小高:お金に余裕がある大人が乗っているバイクというイメージですね。まだ個人的にはまだそれほどそそられないですね。チームスカイが乗っているのにレーシーなイメージも少ないな、と。
山本:私はトヨタというイメージですね。ハイエンドと大衆車の住みわけができていて。あとは門外漢でも知っている自転車ブランド。
菊地:確かに金持ちっていうイメージもあるけど、実際には普及モデルもあるよね。久しく買っていないけど、僕はピナレロが好きで、これまでに5台ほど自分のモノにしている。最初は90年代のケラルライト。これはツール・ド・フランスを5連覇したインデュラインが乗っていて、欧米では大ヒットした。日本では売れなかったんだけど(苦笑)。ただ、存在が気になったというのであれば、86年にアメリカに行ったときだな。84年のロス五輪でアレクシー・グレウォールというアメリカ人がピナレロで優勝して、そのカラーが非常に流行っていた。ピナレロってブランドはこんなに人気があるんだ!と思ったな。
山本:なるほど…..。その線でいくと私は90年の中頃、神奈川のサイクルショップにバネストチームレプリカのピナレロが吊るしでおいてあって、いつか買いたいなって思ってた。憧れでしたね〜。
菊地:バネストカラーのケラルライトは、ホレボレとするような自転車だったね。ペドロ・デルガドの乗っていた赤いピナレロとかも好きだった。だから今の拓かれているピナレロには少し違和感がある……。
小高:当時はマニアックなブランドだったんですか?
菊地:当時は日本でも取扱い元を点々とするようなブランドだったよね。コルナゴやデローザに比べると、全然人気はなかったけど、昔から高級ブランドというイメージはある。僕がヨーロッパに行くようになって最初にアプローチしたブランドだったね。昔話はともかく、ドグマはつねにいいね。この先頭集団の良いところにいて、ローテーションに加わって集団のペースをあげているような感じ。廉価版にしても、年々、実力が上がっているよね。
小高:F8からオンダの形が変わったんですけど、オンダフォークの性能に限界があったということでしょうか。
山本:オンダフォークはあれで完結していて、F8は新しい世界観だよね。オンダはあれで最高の性能を発揮していて、F8は新しい世代の最高のものっていうイメージ。
菊地:新しいフォークはいいよねえ。新しい時代の幕開けって感じがする。ただ、見ているだけなら次々にモデルチェンジするのは面白いけど、買う方はたまらないだろうね。しかも完成度が高いから欲しくなる。追いかけるのが大変だ。
山本:最新を追い求めるよりも、このバイクに心底惚れた人でないと手がでない気も。
小高:ツール・ド・おきなわでも多くのドグマ・F8ユーザーを見かけました。リリースされた直後に購入された、という方も多くいらっしゃっていて、まさに心底から気に入ったのでしょうね。
コンテンツ・スケジュール
1.フェルト◆F5/AR5/Z5
2.コルナゴ◆C60/V1-r/CX-ZERO Alu
3.トレック◆エモンダSLR/マドン9.2/ドマーネ6
4.ラピエール◆ゼリウスSL 500/エアーコードSL 600/パルシウム アルチメイト FDJ MCP
5.ピナレロ◆GAN/ドグマ F8/ドグマ K8-S
6.スペシャライズド◆S-WORKS ターマック/S−WORKS ヴェンジ バイアス/S-WORKS ルーベSL4
7.アルゴン18◆ナイトロジェン/ガリウムプロ/クリプトン
8.ジャイアント◆TCR アドバンスドSL1/プロペル アドバンスドSL1/ディファイ アドバンスド1
9.メリダ◆スクルチューラ/リアクト/ライド
11.ルック◆695ライト/795エアロライト/765
12.リドレー◆ヘリウムSL/ノアSL/フェニックスSL
13.ニールプライド◆ビューラSL/ナザレ2/ゼファー
14.タイム◆スカイロン/アイゾン/フルーディティ
15.ウィリエール◆チェントウノ・エアー/ゼロ・セッテ/グランツーリスモ R SL
※ラインナップは予告なしに変更する場合がございます。ご了承下さい。
(写真/和田やずか)
お問い合わせ先:カワシマサイクルサプライ http://www.riogrande.co.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。