2015年11月26日
3モデル インプレッション VOL.4/LAPIERRE編 プロローグ
エアロ/スタンダード/エンデュランスの3モデルを一気乗り!
THREE MODELS IMPRESSION
3モデル インプレッション VOL.4 LAPIERRE
◆3モデル インプレッションの定義◆
エアロロード、ノーマル、エンデュランスロードと3つのカテゴリーを有するブランドをセレクトし、この3つカテゴリーの代表モデルを各1台、合計3台インプレッションするというもの。ブランドのイメージ、それぞれのカテゴリーに特化したバイクの評価、3モデルを総合した印象と比較など3人のライダー が多角的にレポートします。
第4回目はラピエール。ワールドツアーで戦うフランスのプロチーム、FDJが駆るフレンチブランド。このラピエールとFDJは14年間も、ともにレースの最前線で戦うという強いパートナーシップを結んでいる。そして同じ環境から多くのフィードバックを受け続け、バイクも世代とともに進化している。最新モデルはとても特徴的な形状設計で、とくにフルモデルチェンジを果たしたゼリウスSLには興味をもっているサイクリストも多いはず。さて、前回と同じく菊地武洋、小高雄人、山本健一の3ライダーがそれぞれのニュアンスでインプレッションをお届けいたします。
TEST BIKES / LAPIERRE
ゼリウスSL 500/フルモデルチェンジを果たした新型ゼリウス。もっとも特徴的なのはリアセクションで、トップチューブに接続したバックステイだろう。このラウンドしたステイの配置方法が快適性を高めることに成功。フロントフォークはダイレクトマウントブレーキ、そして空力特性も兼ね備える。このモデルはプロスペックのアルチメイトと同様の剛性レベルながらもカーボンの配置やグレードを調整して、お求めやすくしたモデル。価格は399,000円(シマノ・105完成車、税抜)、299,000円(フレームセット、税抜)。
エアーコードSL 600/エアロロードバイクのエアーコードはヘッド周辺のカーボンレイアップを見直すことで、優れたエアロ効果と、レスポンスの良さはそのままにより軽量にブラッシュアップされた。このモデルも、プロスペックのアルチメイトと同様の剛性レベルながらもカーボンの配置やグレードを調整して、お求めやすくしたモデル。価格は519,000円(シマノ・アルテグラ完成車、税抜)。
パルシウム アルチメイト FDJ MCP/エンデュランスモデルのパルシウムは、昨年と同様のスペック。それだけ完成度の高さを伺わせる。特徴はシート集合部に配置したダンパーだ。これがリアからの衝撃を緩和して、コンフォート性能を高めてくれる。アルチメイトはプロスペックで、従来のモデルよりも軽量ながらも同様レベルの剛性を実現するよう設計されている。価格は389,000円(フレームセット、税抜)。
LAPIERREのブランドイメージは……
小高:ラピエールって同じフレンチブランドのタイムやルックとは違って総合自転車メーカーですよね。
山本:そう。個人的なイメージで、日本のメーカーに置き換えるとブリヂストンアンカーといえそう。2003年頃、最初に日本に入ってきたとき、同時にFDJがラピエールを採用したときから気に入っているブランド。当時流行の兆しを見せていたスカンジウム合金の大口径フレームをいち早く導入していました。
菊地:ダウンヒルバイクからクロスバイク、大衆車までやっているメーカーだよね。
山本:MTBの開発にもかなり力を注いでいます。ロードとMTBなどをあせるとエンジニアの人数はほかとは比較にならないくらい多く開発力も高い。つねにトレンドの最前列にいるイメージで、ここを探っておくとヨーロッパのトレンドをつかみやすいというか。
菊地:とくに最近は、形状に遊びがあるラインナップだよね。何本か乗った印象ではマジメに作っているなあ、と感じた。自社でしっかりと作っているよね。
小高:今回のバイクは結構、用途に特化したような形状ですよね。
菊地:急激にイメージチェンジをしてきたので、乗るのを楽しみにしていたよ。今どうなっているんだろう、っていう意味で。
山本:ゼリウスSLのフルモデルチェンジには少々驚きましたね! こうきたかと。
小高:プロチームにずっと供給を行なっている理由としては、やはり資本力が高いということですよね。
山本:FDJとは長く付き合っているよね。社長と監督がすごく良い関係を築いているし、お互いの共存体制がうまくとれている。
小高:ルックやタイムはレーシングフレームだけを作っているようなイメージだけど、ラピエールは大衆車も扱う大きな総合メーカー。そういう認識は日本ではすこし薄いかもしれませんね。
菊地:総合メーカーっていうとママチャリ屋さんのイメージにつながりやすい。それが悪いとはいわないけど、日本とフランスの温度差が激しい感じはするね。ヨーロッパはもっとスポーツと総合メーカーの距離が近いから。クルマで例えるとトヨタがレースをやっているようなものかな。大きなメーカーならレースをやるよね、っていうイメージで。
コンテンツ・スケジュール
1.フェルト◆F5/AR5/Z5
2.コルナゴ◆C60/V1-r/CX-ZERO Alu
3.トレック◆エモンダSLR/マドン9.2/ドマーネ6
4.ラピエール◆ゼリウスSL 500/エアーコードSL 600/パルシウム アルチメイト FDJ MCP
5.ピナレロ◆GAN/ドグマ F8/ドグマ K8-S
6.スペシャライズド◆S-WOKS ターマック/S−WORKS ヴェンジ バイアス/S-WORKS ルーベSL4
7.アルゴン18◆ナイトロジェン/ガリウムプロ/クリプトン
8.ジャイアント◆TCR アドバンスドSL1/プロペル アドバンスドSL1/ディファイ アドバンスド1
9.メリダ◆スクルチューラ/リアクト/ライド
11.ルック◆695ライト/795エアロライト/765
12.リドレー◆ヘリウムSL/ノアSL/フェニックスSL
13.ニールプライド◆ビューラSL/ナザレ2/ゼファー
14.タイム◆スカイロン/アイゾン/フルーディティ
※ラインナップは予告なしに変更する場合がございます。ご了承下さい。
(写真/和田やずか)
お問い合わせ先:東商会 http://www.eastwood.co.jp/
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。