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2015年12月03日

3モデル インプレッション Vol.4/LAPIERRE編 総論

LAPIERRE ☆ 総論

菊地:大アタリか大ハズレのブランドだと想像していたけど、結構堅実なブランドだった。フランスには個性的な自動車メーカーもあるけど、シトロエンとイメージが被るね。あの独特なフレーム形状は、好きな人は本当に好きなブランドになる。色々な物が標準化されて個性を失いつつあるなかで、これだけ個性を主張できるブランドは希少だと思う。

山本:ラピエールの動向は押さえておきたいブランドのひとつで、少し前まではコレクションしていたくらいで。それでトレンドに対するアンテナにしていたというか、これに乗っていればOK! みたいな絶対の安心があった。大口径アルミフレームのときからそう思っていましたね。それはおおよそ当たっていたと思っています。

菊地:確かに、ハズレのモデルに乗ったことがない気がする。

山本:100点ではないけど、つねに『優』を取っている感じ。

菊地:あまりメジャーになってほしくないブランドだね(笑)。このままインディーズっぽいほうが、いい位置にいられる気がする。

山本:そのロードモデル3傑を、同時に試乗してみましたが。

小高:そう、パルシウムだけアルチメイトでしたが、ノーマルとの差って大きいのでしょうか?

山本:良い質問だね。2ヶ月ほど前に、ノーマルのパルシウムで200kmのイベントに参加してみたりとやや長めのインプレッションを行なったんだけど、今回アルチメイトに乗ってみて感じたのは、ほとんど差を感じなかったというのが正直なところかな。というのもノーマルのパフォーマンスが高いってことを言いたいんだけど、大きな違いは重量だけ。しかも100g前後という些細な程度だということ。

菊地:とはいえ、予算に余裕があるならアルチメイトでしょう。価格で二の足を踏むなら他の選択がありますよ、となるけど。フランス車のカタログには“予算に余裕がある人向け”とか普通に書いていることがある(笑)。でもそれが実情だよね。

小高:結局、選び方ってそうなりますよね。

山本:レースをやるうえで、ホビーであっても壊したら、すぐに用意できない値段のバイクには乗るべきではないだろうし、なにより自分がつらい。

菊地:レースをやる人はそうだよね。ただ、ゼリウスSL 500はリーズナブルで性能も良かったから、レーサーじゃない人にもオススメできる。

小高:グラフィックはフランス車独特の雰囲気がありますよね。

菊地:タイムもルックもそうだけど、フランス車って垢抜けないところがある。この味わいも、たまらない人にはたまらないはず。

小高:ラピエールはFDJカラーであることが多いので、選択肢から外れてしまうこともあって……。

菊地:違う色があるならそれを推しても良いよね

山本:あまりにもイメージが近いのかな(笑)。完全にチーム推しだから。

小高:着るウエアを選びますからね(笑)。

菊地:でもさ、今やチームカラーのバイクだから、パーツやウエアまでプロ選手と揃えるのって流行らないでしょ。昔は上から下までコスプレのように真似だけど。

山本:シューズでいえば、不具合があれば足をシューズに合わせていた(笑)。不文律というかそういった古い縛りみたいなものはあったけど、主流はそこではなくなりましたね。

菊地:昔は自分を選手に見立ててコスプレしていたからね。だから選手と違うウエアを着てチームバイクには乗れなかったけど、もう、そんなことはないでしょう。

小高:個性ですからね(笑)。

山本:改めて3モデルを同時に乗ってみて感じたのは、例えば性能を数値化してヘキサゴンチャートに落とし込んだとき、3モデルとも円に近い形に整っていますよね。

菊地:3台の性能がクロスオーバーしていて、すごくまとまりは良いけど、ちゃんとそれぞれに差が付けられている。なにも知らされない状態でサドルにまたがっても、設計の意図はすぐにわかってしまう。

小高:それぞれの特化した部分は形状にも表れているので、目的に応じて選びやすいですね。

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