2019年08月01日
【BIANCHI】2020年の全貌が明らかに。そしてインフィニートCVの弟分、“インフィニートXEディスク”、メタノールCV FS登場
ビアンキの2020年モデル発表となる、“ビアンキライド”が湘南国際村で行われた。
そこで公式に情報開示されたのが、エンデュランスモデルのインフィニートCVの弟分となるインフィニートXEディスク、およびマウンテンバイククロスカントリー向けのフルサスペンションモデル、メタノールCV FSの2機種だ。
ビアンキの今後の展開を大きく変えるであろうEバイクへの取り組みなど、潮流の大幅な変化を感じさせる2020年モデルの発表がなされた。
まず2020年のラインナップは、一層スポーツバイクの層が厚くする。そこでシティバイクのレンジを絞り一台に対して注力し、レーシングバイクに力を入れていくことになるのだ。よって2019年以上に層の厚いラインナップとなる。ビアンキのレーシングバイクはプロフェッショナル、パフォーマンス、スポーツと3つに分かれているが、特にパフォーマンスの層を厚くする計画だ。加えてイタリアで開発したモデルへさらに注力することでビアンキのDNAを日本のユーザーに伝えていく。ちなみにロードバイクのラインナップ全体にレパルトコルサが占める割合は6割と過半数を占める。
注目の4車種をピックアップすると、
オルトレXR4ディスク、スプリント、そしてニューモデルのインフィニートXEディスク、メタノールCV FSだ。
このうちニューモデルの2機種、インフィニートXEディスク、メタノールCV FSを紹介しよう。
インフィニートXEディスク
エンデュランスモデルのトップレンジであるインフィニートCVの弟分という位置付けのインフィニートXEディスク。ロングライドでもペダリングを楽しめる設計思想で、ロングライドや過酷なグランフォンドに最適なモデルとなる。ディスク専用のフレーム、ステムとシートポストは専用品となり、よりインテグレート化を進めている。さらにエンデュランスバイクながらエアロにもこだわったフレームデザインとなっているのも特徴だ。
フレーム重量は1100g、フォークは約420g。フレームサイズは47、50、53、55、57からの5サイズ。
価格はシマノアルテグラの完成車で348,000円。シマノ105で298,000円と競争力のある価格帯の2モデル。いずれも税抜。
内蔵シートクランプでスッキリとしたフレームのフォルム。アルミ製のシートポストは専用となる。エアロ形状のカバーが付属。
FSA製のハンドルステム。ステムに関してはスペーサーを変更すれば通常のステムも利用できる。ヘッドキャップの下に3mmの専用スペーサーをかならず装着するのがポイント。
プレスフィット30を採用したBB
もちろんフラットマウントを採用する。インフィニートCV同様のエアロを意識したフォーク形状だ。
フレームのタイヤクリアランスは32Cまで対応できる。
IMPRESSION
インフィニートXEディスク
踏み出しの軽さが際立つというのが第一印象だ。もちろんコンパクトドライブの影響も考慮しての印象。BBハイトが高く設計されているのか感じるほどにペダルの踏み込みが軽い(実寸法は平均的な高さである)。エネルギーロスとなるような、ねじれが発生していないのだろうと容易に想像できるような、路面を滑走するような走り出し。その上で反力的な硬さがなく実に柔と剛のバランスが取れている。アッセンブルされているホイールは決して軽量とは言えないモデルではあったが、気になることなくライドを楽しめた。ボリュームのあるタイヤはカウンターヴェイルと相まってロングライドでのストレス軽減に貢献するだろう。
フレーム重量は1100gと、マージンをしっかりとおさえたフレーム設計で安心感がある。1000gを切るフレームはいまや珍しくはないが、100gの違いで得られるのがセーフティーマージンなら、重量増も歓迎だ。
ハンドリングの軽さもインフィニートの特徴とも言える。弓なりのフロントフォークで、しなり方が一般的なベンドフォークとは異なる。ストレートフォークに近い印象で、クイックな挙動にアイデンティティを感じる。挙動、加速性に軽さを求めた印象で、外見上にもそこは上位モデルのインフィニートCVと共通する点である。
ホイールベースは一般的な設計よりもやや長めの印象で、直進安定性も十分に確保されているだろう。
インフィニートCVとの差は……
インフィニートにはCV(カウンターヴェイル)とXEの2モデルが存在する。上位モデルとなるCVとの違いを率直に表現するならば、CVはよりレーシングパフォーマンスにフォーカスしたモデルといえる。
より軽量で、クイックなハンドリングフィールによって生み出される加速感。上りはXE以上にスムースで“気持ちよく”走れる。レーシングモデルにオルトレXR4という絶対的な存在があるが、こちらをコンペティションモデルとして用いても遜色はないだろう。
新型クロスカントリーレースモデル
メタノールCV FS
昨年までのFSのモデルから全く新しいバイクとして生まれ変わった。これは長年MTBプロフェッショナルレースに出場する選手からのフィードバックデータをもとに完成したフルサスペンションXCレースモデルである。
もっとも大きな違いは、カウンターヴェイルを採用していることだろう。
そしてジオメトリーは刷新され、チェーンステーが短く、リーチは長く、そしてヘッドチューブの角度が緩くなったことで、あらゆるクロスカントリーレーサーがパフォーマンスアップを感じ取れる設計であるという。
下りも上りも大きく性能を向上しているというが、とくに上りでのトラクション性能の向上がポイントとなる。下りは振動を除去するカウンターヴェイルの働きにより、荒れた路面でも効率的なペダリングが可能になる。
また、FSとFSTフルサストレイルというジオメトリーが異なる2モデルを用意している。
ホイールサイズは29インチ、サイズは38、43、48、53の4バージョンとなる。
価格はシマノ・XTをアッセンブルした完成車で900,000円、シマノXT&SLXのミックスコンポでアッセンブルした完成車は700,000円の2モデル。いずれも税抜。
ビアンキ ビーチハウスで懇親会を
2日間の日程で行われたビアンキライド。初日のセミナーの後は、逗子海岸で営業中のビアンキビーチハウスで、本社スタッフと国内販売店の懇親会が開かれた。なお、ビアンキビーチハウスは9月1日まで営業を行う。住所:神奈川県逗子市新宿1丁目逗子海岸西浜。
ビアンキバイシクルズ CEOのFABRIZIO SCALZOTTO氏も訪れ、ジロ・デ・イタリアの名を冠したアストリアのスパークリングワインを開栓!して歓迎。
問い合わせ:サイクルヨーロッパジャパン https://www.cycleurope.co.jp/
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得