2015年11月06日
パリ・ブレスト・パリってなんだろう
パリ・ブレスト・パリ ランドヌール(以下、PBP)は4年に一度、8月にフランスで開催される約1200kmの最古のロードレースでありブルベである。
簡単に説明すると、世界最初の自転車レースとして1891年に誕生。1951年までプロによるレースだったが以後は市民レースとして複数年に一度開催となり近年は4年に一度。前回は2011年の開催だった。現在、集中連載しているパリ・ブレスト・パリ 三船雅彦氏×矢野大介氏の記事はこのイベントでの出来事である。
1200kmにも及ぶコースは、ツール・ド・フランスのように大きくは変わらず、パリからフランス西部のブレストで折り返し、再びパリに戻るというコース。大きな峠はないものの、アップダウンが続き、累積標高は10,000mにも及ぶ。トップでも43時間以上もかかり、2度のナイトランを余儀なくされる。ほとんどの参加者がチェックポイントの街で休息や食事をとったり、仮眠をしながらゴールのパリを目指す。
まさにロードレースの原点ともいえるスーパー・エンデュランスライド。制限時間以内にゴールすれば誉れだが、これまであまり語られることがなかった先頭集団の状況は三船雅彦氏のレポートによって明確となった。
制限時間は80時間クラスと90時間クラスで、80時間クラスは脚に自信があるサイクリストがエントリーするようだ。
日本からの参加資格は日本のオーダックス・クラブに認定される必要があり、定められたブルベの走行条件を満たしていないと参加資格が得られない。なお2015年大会は約5000人、日本からは200人ものサイクリストが出場している。現在の日本人最速記録は三船雅彦氏がもつ43時間23分。
こんなバイクで走ってる
今回のPBP80時間クラスで、トップ集団ゴールをした三船氏のバイクを紹介しよう。帰国直後ながらバイクの貸し出しを許され、あえて1200kmの汚れが残ったまま撮影を行なった。
リドレー・ヘリウムをベースに、ブルベに特化した装備に整えられるが、三船さんのバイクはかなり軽装な部類に入るだろう。
キャットアイ・VOLT700を2灯装備する。センターにはキャットアイ・ストラーダスマートを設置。メインに使ったコンピュータはステム上部に装着したポラール・V650だ(撮影時は未装着)。
タイヤは三船氏自身が手がけるMASSA・T2601。26Cのボリュームのあるタイヤだ。PBPのためにチョイスした空気圧は5.8気圧(体重は75kg)。ロングライドにおける快適性と転がり抵抗のバランスを考慮している。
ハンドルバーの下にはお守りが。
リアのカセットは11-28Tを用意した。
サドルバッグにはスペアチューブ、タイヤレバー、ニップル回し、ハンディツール、パンク修理パッチが入っている。
ボトルはロングタイプを2本。消費カロリーは約2万5000キロカロリー。何度もリフィルしたことだろう。
ゼッケンプレートはヘッドチューブ付近に装着。
(写真提供/三船雅彦 バイク撮影/海上浩幸)
著者プロフィール
ファンライド編集部ふぁんらいど へんしゅうぶ
FUNRiDEでの情報発信、WEEKLY FUNRiDE(メールマガジン)の配信、Mt.富士ヒルクライムをはじめとしたファンライドイベントへの企画協力など幅広く活動中。もちろん編集部員は全員根っからのサイクリスト。