記事ARTICLE

2016年01月29日

シクロクロス世界選手権の歴史と成り立ち、そして現在 【後編】

シクロクロス世界選手権2016 注目の選手たち

男子エリート 絶好調ファンデルポールを地元ベルギー勢が止められるか

ディフェンディングチャンピオンとしてレースに臨む現世界チャンピオンのマチュー・ファンデルポール(オランダ)は、怪我から復帰したシーズン後半に破竹の勢いでワールドカップを連勝中。一週間前のホーデルハイデ大会での圧倒的な勝ちっぷりからも、彼が優勝候補の筆頭であることは疑いの余地がありません。対する地元ベルギーはその層の厚さで対抗したいところですが、実質エースとなるのはワールドカップ総合優勝を決めたワウト・ファンアールト。マチューにやられっぱなしのシーズンで有終の美を飾りたいところ。

9

現代アメリカの第一人者、ジェレミー・パワーズ (c)ww.rapha.cc

ベルギー勢からは今シーズン限りで引退を決めているスヴェン・ネイスに注目。上の二人がまだ20歳そこら(!)なのと対照的に、シクロクロスの酸いも甘いも知るネイスは御年39歳。衰えを知らぬ生ける伝説はそのテクニックとパワーに衰え無し。安定感抜群のケヴィン・パウエルスとともにベルギーの3枚看板を張ります。少しづつですがグローバル化の進むシクロクロス。その先鋒はアメリカ合衆国。日本にも来日経験のある全米チャンピオンのジェレミー・パワーズは常に新しい時代を代表する存在として期待が寄せられています。

そして日本からは、5年連続の全日本王者、竹之内悠と小坂光が出場。近年ベルギーに拠点を置いて活動してきた竹之内選手にとっては思い入れの強いレースとなるはずです。全日本選手権ではその竹之内を脅かした小坂。世界の舞台での活躍に期待です。

男子U23 沢田時のリザルトに期待

世界各国の未来のスターが集うU23。優勝候補の筆頭は若干18歳のエリ・イセビート(ベルギー)。次代のファンアールトの呼び声高い才能です。2014年のRaphaスーパークロス野辺山でエリートカテゴリーで2連勝を挙げたジョエーレ・ベルトリーニ(イタリア)も今季好調。表彰台を狙っています。

日本からはU23チャンピオンの沢田時が出場。前週のホーデルハイデWCではフルラップの38位と、普段はMTBで世界を転戦する彼らしく、臆さず渡り合いました。欧州のスピード感覚を取り戻した彼が、どんなリザルトを残すかに注目です。

女子エリート

女子レースカンニバルのディフェンディングチャンピオン、フェランプレヴォ不在のため上位選手の力が拮抗している女子エリート。開催国ベルギーの女王サンヌ・カント、スタート前の笑顔が眩しいエヴァ・ラクネル(イタリア)、イギリスのニキ・ハリスらが勝利を争う展開が予想されます。日本からはアジア選手権ロードレースからの連戦となる興那嶺恵理が出場。

男子ジュニア/女子 U23

こちらも厚い選手層のオランダから、イェンス・デッケルが優勝候補の一角。日本からは優れたテクニックを持つ織田聖が出場。欧州のサーキットでどこまでやれるか、注目の存在です。女子U23には全日本チャンピオンの坂口聖香が出場。日本で開催されたロードアジア選手権から1週間というハードスケジュールながら、今年の全日本選手権を獲った大器の活躍に期待しないではいられません。フェムケ・ファンデンドリーシェ(ベルギー)、やはり14年に野辺山を制したアリーチェマリア・アルツッフィ(イタリア)らが有力でしょう。

注目の選手を駆け足でご紹介しました。世界中のキッズが憧れをもって見つめる世界選手権。今年は男子エリート、男子U23、男子ジュニア、女子エリート、 女子U23のすべてでYouTubeのUCIオフィシャルチャンネルでライブストリーミングがあるので、観戦も存分に楽しみたいところ。

UCI シクロクロス世界選手権2016 ジュニア男子

UCI シクロクロス世界選手権2016 ジュニア女子

UCI シクロクロス世界選手権2016 U23 男子

※ライブストリーミングが公開され次第、随時追加していきます。

進捗情報はJCF、UCIのページで。

関連記事

記事の文字サイズを変更する

記事をシェアする