2016年10月22日
別府史之 1日密着【後編】 インタビュー
今後について
編:フミもベテラン選手だね。
フミ:監督のルカが言っていることですが「プロの活動年数は平均で6年くらい」なんだそうです。その中で10年以上やっている選手なんて本当に少ないですし。日本からも若い選手が出てこないのが心配ですね。チャンスをものにしなよと。
編:ぶっちゃけいい歳なんだけど、2年契約っていうのはすごく稀じゃないかなと思って。30歳過ぎたらもうトップGCライダーとかでも1年契約でしょう。理由って、自身で考えて何だと思う?
フミ:やっぱり安心と信頼じゃないかな。ドーピングとかもしてないし、やっぱりチームのために。自分では自分のために走りたいっていう気持ちはわかってるけど、それを殺してやるっていうのがプロだから。監督のルカ自身も「フミはほんとプロフェッショナル中のプロフェッショナルで、長年やってこれて身体の故障もないし、病気もしないし、言い訳しないし」って。それがしっかりできているから取ってくれたんだと思う。やっぱり他の選手見ててもパンチが弱いっていうか身体頑丈じゃないですもんね。で、落車も多いし。落車で選手生命が終わっちゃう人もいるし。そういった意味でやっぱり、いろんな経験値を得たベテラン選手なんですよ、僕。自分でも言いたくないけど、やっぱり監督とかチームから見たら選手って駒なんですよ。総合リーダーにしても。それで動かすにしろ、やっぱりベースとして重要な選手として僕は取ってもらえたんです。歩じゃないから。歩っていうとちょっと可哀想な感じしますけど。だけどプロトンとかチームにいなきゃいけない存在として。
ビッグチームに所属していますが、小さなチームに行けば、ツールにも出られるチャンスはもっと高くなるし、自由に走れるというのはあるけど、その反面で苦労もあるんですよ。そこが自分にとってはすごい苦痛なんですよね。楽しく乗れないから。去年、今年に移籍とか、もしくはもう辞めようとか考えてたけど、でもやっぱりチャンスがあるから、まだまだ頑張りたいですね。
(協力:トレック・ジャパン 写真/編集部)
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得