記事ARTICLE
  • 記事
  • 機材・インプレッション

2015年12月14日

3モデル インプレッション VOL.5/PINRELLO編 DOGMA F8(エアロロードモデル)

151029_7D_2733

PINARELLO / DOGMA F8 IMPRESSION

DOGMA 65.1と比較して12%剛性アップ、+16%のバランス最適化、120gの軽量化、47%の空力特性向上を実現したドグマF8。一新したデザインはピナレロの新しい世界観を演出しているものだ。

151029_1D_6115

DOGMA F8■フレーム:カーボンT1100 1Kナノアロイ™トレカR■フォーク:オンダ™ F8カーボンT1100 1Kナノアロイ™トレカR■ボトムブラケット:ITA■試乗車のコンポーネント:シマノ・デュラエースDi2■ホイール:フルクラム・レーシングゼロ■完成車実測重量:6.9kg(ペダルなし)■カラー:673/カーボンホワイトレッド、674/カーボンレッド、686/ホワイトレッド、950/ネイキッドレッド、681/レッド(国内在庫カラー)、952/ブラックレッド、675/カーボンイエローフルオ、676/カーボングリーンフルオ、677 BOB、685カーボンホワイトブラック、845カーボンライトブルー、894/#MYHOUR HR、867/ライノチームスカイ、868/ライノイエロー、869/ライノパリ、870/ライノBOB、871/ポルカドット(ライノ)、872/ライノレッド、MY WAYカラーオーダー(受注発注カラー)■サイズ:42SL、44SL、46.5SL、47SL、50、51.5、53、54、55、56、 57.5、59.5、62 (C-C、42SLと57.5 以上は受注発注)■価格:648,000円(レギュラーカラー、フレームセット、税抜)、726,000円(MYHOUR HR、ライノ、フレームセット・税抜)、726,000円(MY WAY、フレームセット・税抜)

※試乗車は販売モデルとはスペックが異なります。

151029_7D_2720

東レのT1100K1カーボンファイバーと左右非対称デザインのおかげで、フレーム単体重量は890gという軽さを実現した。フォーク重量も加えると前作ドグマ65.1よりも120gの軽量化を達成している。

151029_7D_2715

この独創的な形状は、これまでのオンダフォークよりも40%も空気抵抗を削減することに成功し、ピナレロ独自の優れたハンドリング性能をキープするためのもの。

151029_7D_2710

卵型のチューブの背面を平らにする形状は乱気流を排除する真空状態を作り出すことができる。ダウンチューブはボトルの空気抵抗すらも軽減するような設計が用いられる。

151029_7D_2700

機械式、電動式コンポーネントに対応するTHINK2を導入。

151029_7D_2705

ウスを封入し、2本のボルトで固定するツインフォース シートクランプ。エアロダイナミクスを高め、フレームとピラーがシームレスに見え美しくまとまる。


 

151029_1D_6191

最高の性能を求めるなら■菊地武洋

カーボン時代になってからのドグマは、ツマラナイほどに優等生だ。ハンドリング、ブレーキング、加速、快適性……。どのパフォーマンスも、その時代のトップグループにある。それでも頻繁にアップデートを重ねるのは、ピナレロがレーシングブランドに他ならないからだ。現に2世代前のドグマ2だって、いまだに一級の魅力を擁している。ただ、好みの問題であるが、「こうやったら売れるんじゃないか?」というマーケティング的な匂いがして、いまひとつ好きになれなかった。北米メーカーのような能書き満載の形状よりも、もっとシンプルに作ってほしい。ずっと、そう思っていた。F8にしても能書きはたくさんあるが、説明いらずの美しさがある。これは高級車にとって大切なことだ。走ってもF8の魅力に陰りはない。ドグマ65.1THINK2よりも磨きのかかった走りは、どの領域においても進化を感じさせる。高速域においては空力的な抜けのよさがあり、これはO脚っぽい新型フォークの影響だろう。中低速においても、トレカ・1100Kの効果は顕著だ。この弾性率の高い素材は路面の振動と素早く収めるのに大きな効果を発揮している。空気抵抗が低減され、剛性が上がっているのは、まさにカタログの通り。数字的な進化をしていても、それが感じられないなら意味がないが、そうではないところにF8の魅力がある。ウィークポイントを挙げるなら価格だろうが、そもそもにして贅沢品である。予算に余裕がなければ買わなくてもいい。もう1世代待ってみたいとも思うが、つねに最高の性能を追い求めるユーザーであれば、間違いなく購入候補の1台になるだろう。

151029_1D_6205

空力を手に入れたドグマ■小高雄人

スポーツカーのようなエアロフォルムが印象的なピナレロのフラッグシップモデル。ドグマの代名詞であった波打つようなオンダフォークもF8から大きく形状が変更された。この点は、好みが分かれそうだ。新しいオンダフォークは横から見るとそれほど特徴がなさそうだが、正面にまわり込むと外側に湾曲し、O脚のような極めて個性的な形状をしていることがわかる。このフォークの安定感は非常に高い。とくに下りでは、狙ったラインを間違いなく走れ、どんな下りでも恐さを感じさせない。またバイク全体では“馬力”があるという印象をうける。パリッと乾いた踏み心地でパワー系のライダーがガンガン踏んでいけば、ぐんぐんと加速していく。加えて振動吸収性も高く、完成度が極めて高い一台だ。

151029_1D_6197

期待を裏切らない走行性能■山本健一

ピナレロの名に相応しいハイエンドモデル。ようするに、もはや生半可なバイクをハイエンドモデルに据えることはできないわけで、それほどまでに期待値は大きいし、ピナレロ自体も分かっているはず。前作のドグマははっきりいって記憶にこびりつくくらい良いバイクだったが、あのバイクを超えるには、並の仕事ではむずかしいだろう。想像もできないくらいの労力を注いでこのF8を完成させたのだろうが、それをおくびにも出さず、スマートに演出しているのがピナレロらしい。それでもホワイトペーパーまではいかないが、これまで以上にデータを多く露出あたりに、技術の高さと投資の大きさを臭わせる。ご存知のとおり販売価格も並ではないが、走りも並ではない。フォーク形状はセオリーから外れながらも概念を崩さず堅牢なフロント周りを具現化できている。個人的にはF8のフォークの挙動よりも旧来のオンダフォークに魅力を感じていることを隠さずに述べておこう。しかしながら下りやタイトなコーナーではコシが強いフォークがよくさばいてくれる。フレームは剛体そのもので、軽量ながらもよく剛性を確保できている。上りでは高めのケイデンスでキビキビとしたクライム性能を提供してくれた。エアロ形状を強く推し出しながらも、それを感じさせないのも強みだろう。この高い運動性能が約束されているドグマに乗るなら、費用対効果を考えてはいけない。チョイ乗りなんて許されない。お気に入りのパーツで組み付けをして、しっかりとフィッティングを行ない、トレーニングをして目一杯のライディングができないならドグマ・F8を所有する資格はない、と言いたい。そういう意味ではコンペティターの期待を裏切ることはないピュアレーシングバイクといえる。


(写真/和田やずか)

お問い合わせ先:カワシマサイクルサプライ http://www.riogrande.co.jp/

お問い合わせフォーム 

関連記事

記事の文字サイズを変更する

記事をシェアする

15,416 Views