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2015年12月16日

3モデル インプレッション Vol.5/PINARELLO編 総論

PINARELLO☆ 総論

菊地:素材の調達や技術革新など、リーダーシップを発揮させるとなると、適度な会社規模が必要になる。ピナレロはイタリアを代表するというだけでなく、もはやヨーロッパを代表するブランドになったんだと思うね。トレカ・T1100カーボンを単独で供給してもらっているのも、東レが業界の盟主だと認めているってこと。

山本:エンジニアリングと商業を両立させているブランド。エンジニアリングに長けていても商売っけがない(笑)ようなメーカーもあるなかで、高いレベルで両立しているといえる。

菊地:以前はラインナップ全体を見渡すと、パフォーマンスにバラツキがあった。新作のGANの完成度も高いし、価格とパフォーマンスのバランスが一定になってきた。走行感にしても、ブランドの統一感はコルナゴのほうがよかったけど、それも今は昔になった。

山本:フレーム形状は細かいところで少し違っていても、ほとんど同じで、カーボンのグレードを変えることで、グレード差を付けている。値段も全然違うっていう。

菊地:でもイタリア車ってスチールの時代までさかのぼると、ウチのジオメトリーはコレで、違いは素材だけだった。してみると、伝統に基づいているともいえる。珍しいことではなく、古くからのイタリア車のやり方だよ。

山本:そうなんですよね。サイズ展開も多いし、どれだけ金型を持っているんだと。それだけで規模感がなんとなくわかりますよね。

小高:規模の大きさといえば、ドグマってすごくカラーバリエーションが多いんですね。

菊地:MY WAYもあるしね。

山本:それも象徴しているね。コレだけ多い上に、すべて日本で手に入るっていう。よそのブランドで、売れるかどうかわからないので入荷しないなんていうものある中で。

小高:日本がマーケットとして大事にされている感じがしますね。地元のイタリアで行なっているグランフォンドを、日本ではグランフォンド八ヶ岳として再現してくれているってところにも。まあ手前味噌ですが(笑)。

菊地:そうだね。”ブーム的”な売れ行きは落ち着いたけど、ピナレロは地道に力を伸ばしている感じがする。今、レースでも抜群の成績を誇っているのに、小高君が言っていたようにレース色が強くないでしょ。それはレースに頼らなくても、キチンとプロダクトに魅力があるから……とも言い換えられる。少し経ってから振り返ったら、「あの頃にピナレロって伸びたよね」っていうのが今なんだと思う。

山本:上級モデルはレーシングモデルとしての期待を裏切らないし、普及モデルとして位置するGANシリーズも3機種も用意されていて、予算や使い方に応じて選ぶことができる。GAN RSなんて限りなくドグマ・F8に近づけたスペックで、性能価格比でいったらお求めやすいと思う。GANのその比率からいけばかなりお得でしょう。こういう事ができるブランドって、力をもっているんだなあって素直に思えますね。


(写真/和田やずか)

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