2017年05月25日
芦田昌太郎の「脱・使わず嫌いインプレッション」第2回 ニーウォーマー
数ある自転車アイテムのなかで、みなさんはどうやって要不要をチョイスされていますか。
想像だけで要らないと決めつけてはいませんか。食わず嫌いと同じで、使ってみないとその真価は分かりません。そこで、我々サイクリストの感性を悩ますアイテムを実際に試して、使わず嫌いを克服しようというのがこの連載。初回に告白したピータンに続き、私は豚足も食わず嫌いです……。
さて、連載第2回目は「ニーウォーマー」です。いかがですか、みなさん。ニーウォーマーは使っていますか? あると便利そうでもなかなか購入に踏み切れないアイテムの代表ではないでしょうか。だって、レッグウォーマーがあれば必要ないですもん。いかにもずり落ちそうですし、寒ければロングタイツを履きますし、それに、意外とお値段もします……。ただ、先輩ローディーからは「ニーウォーマー、良いよ。」と聞いてはいました。
ロードバイクに乗り始めて10年、ずっと購入を見送ってきたニーウォーマーですが、昨秋のグランフォンド八ヶ岳(http://gf-yatsugatake.jp/)の特設ブースで、ついにASSOS KneeWarmer_evo7を購入したのです。大会前日イベントでのアソスのウエアリング講座で紹介されていて、気温もニーウォーマーを足すとちょうど良いくらいの肌寒さ。私は大会MCなので走りはしないのですが、会場の雰囲気に流されて「何か買いたい病」が発症し、会場特別価格ということもあり、このニーウォーマーに辿り着いたというわけです。
その後3カ月くらい使う機会もなく、ウエア用の衣裳ケースに入れっぱなしだったのを思い出し、今年に入ってから使い始めてみました。
結論から述べますと、
「ニーウォーマー」は持っていた方が良い。否、むしろさっさと購入すべきアイテム
でした。
連載初回のスポーツ用マスク同様、浅はかな思い込みと乏しい想像力で判断していました。「レッグウォーマーがあれば必要ない」と言ったこと、わたくし、心より反省しています。何故今まで買わなかったのだろう。何故すぐに使わなかったのだろう。「味」を知った今となっては疑問しか湧きません。では、ここからはニーウォーマーの有用性について紹介していきましょう。
まず、保温性能です。当たり前ですが普通に暖かいです。脛が覆われていないだけで他の部分はレッグウォーマーと同じ。そして使ってみて改めて感じたことは、脛はあまり寒さを感じないということ。そうでした……寒さを感じるのは太ももとつま先、そして冷えると困るのは膝関節。これらを保護すれば快適なライドが待っているのです。例え暑くなってきても、レッグウォーマーほどは脱ぎたい欲求に駆られません。
次に長さ。見たままです……。ただ、「短い=劣る」というわけではありませんでした。短いがゆえの良さがあったのです。それは、小さく畳めるのでバックポケットに入れておく時も邪魔にならないということ。夏場でも高原や下りは冷えますよね。これまで美ケ原のビーナスラインや渋峠でウィンドブレーカーしか持っていなくて寒い思いをしたこともありました。そんな時はコレを背中に忍ばせておけば一安心。バックポケットには携帯やお財布、補給食も入れていますから、小さくなるというのは大きなメリットだと思います。おまけにアキレス腱あたりのファスナーがないことも利点でした。人間の皮膚感覚とは凄いもので、意外とペダリング時のストレスになっていたのですね……。恥ずかしながらニーウォーマーを使ってはじめて気づきました。
寒さを感じた時にサッとバックポケットから取り出せる携帯性の高さもニーウォーマーの魅力
一覧にまとめると以下の様になります。(あくまで個人的な感想です)
暖かさ : ニーウォーマー≦レッグウォーマー<冬物ロングタイツ
携行性 : レッグウォーマー<ニーウォーマー
使用できる季節 : レッグウォーマー≦ロングタイツ<ニーウォーマー
価格 : ニーウォーマー<レッグウォーマー<冬物ロングタイツ
そしてこのアソスのニーウォーマーは右脚にだけ黄色いタグが付いています。おかげで左右が一目瞭然。細やかな心遣いが憎いですね。だいたいウォーマー類やソックスなど筒状のものは、どちらが右なのか左なのか分かりにくい。確認してから身に着けるので間違えたことはないのですが、ハッキリと見分けがつくというのは便利です。このユーザビリティの高さ、流石はアソス!
さて、反対に出番が減ってしまったレッグウォーマーですが、決して不必要ということではありません。富士ヒルのような20kmを超える長い下りはレッグウォーマーに軍配が上がりますし、ニーウォーマーだけでは寒い日もあるでしょう。つまりはウエア選択に幅を持たすことが快適なライドへの近道なのでしょうね。お財布と心にゆとりがあればですが……。
最後にニーウォーマーにひとつだけ難点をあげます。それはコーディネートの難しさです。くつ下やシューカバーとのバランスは悩むところで、上手に合わせると脚長効果もあるようですが、ややもすると悲しい結果が待ち受けています。それだけは絶対に避けねばなりません。
豚足は食わず嫌いのままで良いと思っていますが、「使わず嫌い」だったニーウォーマーは最近すっかり大好物になりました。
ASSOS KneeWarmer_evo7
価格:6,800円(税別)
サイズ:0(XS-S)、I(M-L)、 II(XL-XLG)
カラー:blockBlack
推奨使用温度帯:14℃~22℃
メインファブリック:RX Light
素材:85% PA、15% EA
HP:http://www.diatechproducts.com/assos/kneewarmer_evo7.html
問:ダイアテック株式会社 お客様サポート室 075-702-7766 (平日10:00~17:00)
(写真/小野口健太)
著者プロフィール
芦田 昌太郎あしだ しょうたろう
俳優。富士ヒル90分切りの中級クライマー。表紙の女性モデルに惹かれ初めて買った自転車雑誌がfunride。以来、大会MCを務めるなど縁が続く。