2020年05月27日
【コロナ禍中における自転車チームの今:J Proツアー】VC福岡 / 愛三工業レーシング
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▷ VC福岡 ~リモートでプライベート自転車教室~
▷ 愛三工業レーシング ~インスタライブでファンと交流会!~
VC福岡
~リモートでプライベート自転車教室~
当面のレースもなく、屋外でのトレーニングも制限される状況だが、国内最高峰のJプロツアーに参戦する各チームは前向きにこの危機を乗り越えようとしている。VC福岡の佐藤信哉監督は、自転車に乗れない男の子にリモートでプライベート自転車教室を行ったという。
「Zwift3時間耐久」に約50人が参加!
Jプロツアー唯一の九州を拠点とするVC福岡。レース参戦以外に、自転車イベント開催など地域に根差した活動にも力を入れている。
自らも選手として活動する佐藤信哉監督は「VC福岡には医療従事者が多く在籍していますが、第一線でコロナウイルスと戦う者ものもいて、免疫力低下による重症化リスクなどのアナウンスがあり、チームとしてはそれを尊重していました。シーズン開幕も見通しが立たないこともあったため、一度トレーニングのペースを落とす雰囲気がありましたが、それ以外は選手の自発的な行動に任せました」と専門的なアドバイスをもとにトレーニングを考えてきたという。
トレーニングの一環とチームの士気を高めるため、4月29日にはZwiftを利用して「Zwift3時間耐久」を開催。VC福岡のサテライトチームや他チームの選手ら総勢約50人が参加する盛り上がりを見せた。
「Zwiftもクラブ全体で課題を持って取り組んでいました。VC福岡はJPTチーム8名をトップに置き、サテライトチームのVC福岡エリート25名、そして今年から新たにマスターズというクラブを設立し、総勢60名規模になります。そのクラブ員にとっても、VC福岡選手とともに競い合うことができ、コミュニケーションがとれるので有意義という声がありました。また、Zwiftの大会を行ないたいということで『チーム名の冠と賞品の用意をお願いします』と伺いがあり、それもメンバーの自発性により実現したものだが成功させていた。これも有能なメンバーに恵まれたと思っています」
「入学式までに自転車に乗れるようになりたい」思いをリモートでサポート
佐藤監督のもとに、自転車に乗れない新中学生の男の子のご両親からSNSのダイレクトメッセージで相談があった。「入学式までに自転車に乗れるようになりたい」が、他の自転車教室は遠かったり、中止になったりしていたという。
そこで、4月1日に佐藤監督自らプライベート自転車教室を開き、男の子は2時間足らずで乗れるようになったという。その後は直接会えない中、リモートで佐藤監督が「スラローム」、「遅乗り」など課題を提出して動画で報告を受けるかたちで教室を続け、「学校まで安全に通学できるようになる!」という目標を達成したという。
「滅多にないことなのですが、このようなご時世であり、1ヶ月にわたりリモートで親御さんとメールのキャッチボールを続け、無事に入学までに自転車に乗れるようになりました」と佐藤監督も喜ぶ。
5月にはチームのオンラインショップを開設。思わぬ商品が反響を生んだという。
「VC福岡の支援企業の商品(お花)が、このコロナの影響により大量に売れ残っているとのお話があり、VC福岡でもECサイトを立ち上げるきっかけになりました。母の日のタイミングも合い、たくさんご購入頂いたのですが、今後もVC福岡の支援企業のアイテムなどをPRする場になればと思っています」
レース再開後のシーズンに向けては、フレッシュな新戦力に期待が集まる。
「JPTはキャプテンの武井裕を中心にチームは纏まっています。九州を地元とする持留(もちどめ)叶汰郎、花田凱成の新戦力で集団を抜け出し、存在感を示すシーズンにしたいと考えています。持留はツール・ド・おきなわでの上位が定着しており、相応の登坂力、そして長時間のタフなレースに耐えうる選手。花田は地元福岡の祐誠高校出身で、高校時代から交流のあった選手。明治大学の学生で、学連と並行してタフなシーズンになりますが、花田の姿を見てVC福岡に興味を持ってもらえるような学生が増えて欲しいと思います」
正式名称 | VC福岡 |
正式名称(カナ) | ブイシイフクオカ |
欧文表記 | VC FUKUOKA |
創立日 | 2010年11月 |
ホームタウン | 福岡県 |
公式HPアドレス | https://www.vc-fukuoka.com/ |
メインスポンサー名 | 福岡トランス株式会社、株式会社イシバシ |
使用バイク | – |
使用コンポーネント | – |
関連URL:
Twitter https://twitter.com/VC_FUKUOKA
Facebook https://www.facebook.com/vcfukuoka/
JBCF https://www.jbcf.or.jp/
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。