2020年01月17日
【山中湖シクリスムフォーマション】チームが掲げる選手育成のカリキュラムとは
先日プレゼンテーションを行った、トム・ボシスさんが運営を行う山中湖サイクリングチームが今後取り組んでいく、選手育成のためのカリキュラムを簡単ながら紹介したい。
これは山中湖シクリスムフォーマションを内包する運営母体で、レースだけでなくモビリティとして、教育として、健康維持、そして環境保護などに影響力がある乗り物、それが自転車という発信をしていこうというのが当チームの趣旨となる。
来年(2021年)はさらにそこを強化して活動していく。
今、東京オリンピックによって自転車に対しての機運が高まっている。オリンピック以降、自転車文化を山中湖村に定着させていくのが目的だ。
元U23ロードレースアジアチャンピオンの木下智裕氏がアドバイザー
©️山中湖サイクリングチーム
チーム育成プランの中にあった④段階(チームプレゼンテーション記事参照)、フランスのアマチュアトップチームで3年間走った経緯がある。トムさん同様にフランスでのレース経験があるが、日本人だからこそ感じた経験を活かし、ヨーロッパを目指す選手にアドバイスを行う。
一般社団法人としての取り組み
自転車カリキュラムは教育と自転車を両立できる仕組みだ。
教育というのは誰でも受けられるもの。そして幅広く「自転車」を伝えていく。
トムさんはこう話す。
Photo:FUNRiDE
©️山中湖サイクリングチーム
「まずは地域を盛り上げること。そして学校を巻き込む重要な取り組みです。地方では少子高齢化が進んでいる。若い人に魅力的な取り組みを推進することで、少子高齢化対策に少しでも貢献できればと考えています。
もうひとつは、最終的に教育につなげていく。
自転車競技に興味を持ち、選手を目指したいという人も出てくるはずです。こういったプロジェクトを推進していくことで地域に将来のオリンピック選手が生まれる環境にもっていければ理想です。
日本では“部活”が選手の教育と育成を同時にしている現状がある。選手としてスポーツをするには部活に入って、大学の授業と並行する。これが一般的な筋道ですね。
ただ、世界で活躍していきたいと思っていても進学をすると4年間大学に通わなければならない。自転車競技で言えば、アンダーのカテゴリ世代をすべて大学に通って部活で過ごすためインカレが目標となる。
残念ながら進学をしながらプロ選手を目指す、という道が存在していません。
この自転車カリキュラムが“新たなやり方”というとおこがましいですが、最終的にはこういった形を目指していきます」
具体的に2021年から実施する計画がある。その計画とは? 次ページ に
ー 次ページへ ー
著者プロフィール
山本 健一やまもと けんいち
FUNRiDEスタッフ兼サイクルジャーナリスト。学生時代から自転車にどっぷりとハマり、2016年まで実業団のトップカテゴリーで走った。自身の経験に裏付けされたインプレッション系記事を得意とする。日本体育協会公認自転車競技コーチ資格保有。2022年 全日本マスターズ自転車競技選手権トラック 個人追い抜き 全日本タイトル獲得