2018年01月30日
寒さと風にへこたれるな! みんなのタイムトライアルジャパン 2nd stage
1月27日(土)、「みんなのタイムトライアルジャパン 2st stage」が、千葉県成田市の下総フレンドリーパークで開催された。決められた距離を単独で走るタイムトライアルは、自分との戦い。さらに今回は寒さや風といったコンディションとの戦いも加わるなか、54人の出走者が全力でコースを駆け抜けた。
コンマ数秒差の接戦も!
3年前まで開催されていた「タイムトライアルジャパン(TTJ)」がリニューアルして復活した「みんなのタイムトライアルジャパン」。今回は2017年11月から2018年9月までの全6戦のシリーズ戦で行われ、平均速度をポイントに換算したランキング争いも参加する楽しみのひとつ。もちろん1戦のみの参加も可能で、今回も2戦連続で参加する人、初参戦の人と合わせて54人がスタート台に上がっていった。
会場は第1戦と同じく、下総フレンドリーパーク。数日前に関東地方に大雪が降り、当日もまだ公園内に雪が残る厳しい寒さに。ただ、コース上は一部凍結で狭くなっている箇所があるものの、走行ラインはクリアとなり、無事スタートが切られた。
頭上には雲一つない青空が広がっていたが、冷たい風が吹きつけ、これが参加者たちを苦しめることになった。こういうコンディションこそウォームアップとコース確認が大事と、本番前の試走にも力が入っていた。
下総フレンドリーパークのコースは、1周1.5km。タイムトライアル専用バイクや機材が使えるクラシックはここを6周(約9㎞)、セミクラシックは3周(約4.5㎞)して、タイムを競う。コンディションの影響で全体的にタイムが伸び悩むなか、参加者たちは年末年始になまった体に鞭を入れつつ、力強くコースを疾走。クラスによってはコンマ数秒差での争いが繰り広げられるなど、最後までハラハラドキドキするサイクリストたちの表情も見られた。
また「みんなのタイムトライアルジャパン」は、若年層の力試しの場としてU-18部門も設けられている。18歳以下の参加費は、一律2,000円とエントリーしやすいのも魅力だ。今回も小学生から高校生までフレッシュなサイクリストが参加して、盛り上げた。
第3戦は、3月10日に「TOKYOエンデューロ2018in 彩湖」と併催で彩湖・道満グリーンパークで開催。仲間と一緒にダブルエントリーで参加すれば、楽しみ倍増間違いなしだ。
各クラスの表彰台の顔ぶれと参加者の表情は、以下の通り。
コース脇にはまだ雪が残る寒さの中、疾走するライダーたち。写真はクラシック男子優勝の香野祐一さん
会場内に設置されたモニターに表示される速報の順位表にみんなくぎ付け
苦しんだ後は笑顔の表彰台!
◆セミクラシック男子
優勝:大竹 淳さん(中央)
2位:須藤良太さん(右)
3位:島崎稔史さん(左)
セミクラシック男子優勝は、大竹淳さん。唯一アベレージ40km/h超えの41.28km/hと快走を見せた。「前回4位で、今回は表彰台に上がれればと思っていたので、びっくりしています。チーム練習やローラー台で練習してきました。彩湖も表彰台狙って頑張ります」
前回優勝の須藤良太さんは2位。「寒かったし、今日優勝した人は強かった。リベンジしたいです!」
3位は初参戦の島崎稔史さん。「TTは普段走る機会がないので楽しかった。力試しで参加しました。冬場はレースが少ないし、こういう時期に開催してもらえるのは助かります。次も出ようかな」
◆セミクラシック女子
優勝:石井美絵さん(右)
2位:杉崎千映子さん(左)
セミクラシック女子は、石井美絵さんが連勝。「今日は雪に萎えました(笑)。1週間ぶりの自転車だったので、75点。前回より20秒ぐらいタイムが落ちました。なるべく全部参加したいので、皆勤賞いただきたいです(笑)」
◆セミクラシックU-18男子
優勝:七里龍明さん(中央)
2位:ウッド・ルークさん(右)
3位:ウッド・マークさん(左)
高校2年生の七里龍明くんが、トラブルを乗り越え2連勝。「今回はスピードを上げようとクランクをコンパクトからノーマルに変えたけど、寒くて脚が回らなかったです。試走でスローパンクしてそのまま走ったので、前回より平均速度も1㎞/h落ちました。悔しかったので、次回の彩湖も頑張ります」
2位、3位は、ルークくんとマークくんの兄弟。地元・新潟は「僕の頭ぐらい」まで雪が積もっているそうで、第1戦以来2カ月ぶりに自転車に乗れたのが楽しかった様子。
◆セミクラシックU-18女子
優勝:篠塚萠依さん
セミクラシックU-18女子優勝は、小学校4年生の篠塚萠依さん。2年前からロードバイクに乗り始め、レースは今回が2度目。「疲れました。(自己採点は)95点」と、ニッコリ笑顔。
◆クラシック男子
優勝:香野祐一さん(中央)
2位:ウッド・アンディさん(右)
3位:山倉幹丈さん(左)
大接戦となったクラシック男子の優勝争い。前回優勝のアンディ・ウッドさんとの約0.5秒差の接戦を制したのは、初参戦の香野祐一さん。タイムは12分46秒199。
「最高にうれしいです。絶対に入賞してやるぞと、1周2分5秒ペースで刻もうとしましたが、5周目以降はタイムを見る余裕がなかったです。0.5秒差で勝ててうれしいです。彩湖も全力で挑戦したい」。じつは2年前までアルペンスキーをやっていたという香野さんだが、「こっちのほうが性に合っている」と、最近は自転車の楽しさにどっぷりつかっているという。
惜しくも2連勝を逃したアンディさんは、イギリス出身新潟在住の英語教師。「新潟は雪国なので、青空の下で走れて最高でした。帰りたくないです(笑)。3月のレースも頑張ります」と晴れ晴れとした表情。ちなみに、息子のマークくん、ルークくんは「ダディはラストスパートしなかった」と僅差での2位が悔しかった様子。それでもアンディさんは、855ポイントでランキングトップをキープ!
前回2位の山倉さんは、3位。「楽しかったけど、風が強くてDHバーを半分も握れませんでいた。練習してきます」
◆クラシック女子
優勝:梅山佳子さん
前回3位の梅山佳子さんが、優勝。「風が強くて、つらかったので70点。ちょっとだけくじけました。今後はあったかくなるので、もっと走れるようにしたいです」
◆クラシックU-18男子
優勝:當麻佑哉さん
初参戦の當麻佑哉さんが、U-18制覇。「風が強かったけど、走り切れてよかったです。今回が初めてのTTだったけど、次は今日のタイムを超えられるように頑張りたいです」
参加者の表情「寒さに負けず頑張った!」
セラミック男子で前回2位だった後藤與四也さんだが、今回は惜しくも4位。「寒さと風で前回よりタイムも遅かったです。あと、年末年始は練習不足でしたね。次は表彰台に返り咲けるように頑張ります」
今回のシリーズは初参戦という斉藤誠吾さんだが、「以前、利根川のTTに参加したことがありますが、またファンライドのTTが復活したので参加しました。TTの大会はなかなかないし、トレーニングにもなる。機材やセッティングにこだわれるのも楽しいです。風は強かったけど、日差しあったかくてよかった。次の彩湖もエントリー済みです!」
クラシックTTに初参戦の前川真彦さん。「先輩に誘われて初めて参加しました。風は強くて気温も低かったけど、コースは走りやすかった。春先、あったかくなったら練習ですね」
2戦続けてクラシックTTにエントリーの根本正和さん。「前回はTTバイク、今回はロードバイクで参加しました。でも、今回もTTバイクの方がよかったかな。下りは向かい風が強くて、前回よりきつかったです」
神奈川県で活動するチーム「湘南アヴァンサール」の澁谷剛さん(左)、関大地さん(右)も2戦連続の参戦。関さんは「寒くてアップしても身体が冷めちゃう。心拍も上がりにくいので、踏むか回すか悩みましたね」とコンディションに苦戦した様子。
厳しいコンディションの中、前回からタイムアップを果たした冨安雄一郎さん。「前回があまり踏めなかったので、最初から強めに踏むのを目標にして出し切れました。今日のコンディションで前回より3秒上がったのでよかったです。TTは風を切るスピードや自転車の見た目が魅力、モチベーションになります。次回もぜひ出たいです!」
前回クラシックTT3位の吉田勝彦さんは、今回は振るわず。「風が苦手で、途中でやめようかと思ったぐらいでした。パワーの差を感じましたね。次回は頑張りたいです」
みんなのタイムトライアルジャパンHP ⇒ http://www.timetrial.jp/
第3戦はTOKYOエンデューロ2018 in彩湖(3/10)と併催です! TOKYOエンデューロ2018 in彩湖 HP⇒ http://www.tokyoenduro.jp/saiko/
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著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。