2018年11月14日
景色にグルメ! 栃木県北の魅力を再発見する秋の1泊2日サイクリング!
サツマイモに日本酒…。2日目も盛りだくさん!
夜は矢板市内のホテルに宿泊し、2日目は再びバスで「58ロハスクラブ」に戻ってからスタート。上空は前日よりも晴れ間も見えて暖かく、薄手のジャージでも大丈夫そうだ。
「58ロハスクラブ」の敷地内にはヤギも飼われていて、エサやりでふれあい
この「58ロハスクラブ」は、もともとゴルフ場だったところを改修した施設で、レストラン、キャンプ場、バーベキュー場、いちご狩りなど様々な食事やアクティビティが楽しめるとのこと。まずは、その敷地内をサイクリング。最初に見えてきたのが、ゴルフコースだったところに設置された一面の太陽光パネル。ここで生み出される電力は、この施設だけでなく矢板市の全世帯に匹敵する1万3~4000世帯をまかなえるということで、そのスケールの大きさには圧倒される。
さらに敷地の奥へと進んでいったのだが、この道がなかなかハード。道も細くて、激坂の上り下りが続く。自転車を降りて押したりしながら、次に見せてもらったのが有機栽培のサツマイモ畑。「食とエネルギーの自給自足」をモットーに掲げる「58ロハスクラブ」の環境や健康へのこだわりを感じつつ、ちょっとだけ芋掘りも楽しんだ。
身体も十分に温まったところで、前日と同じグループでいよいよこの日のライドがスタート。コースは矢板市から前日とは違うルートで北上し、大田原市を経て、那須町に戻る約60km。獲得標高は700mぐらい。「昨日よりもちょっと上りが多いです」という若杉さんだが、自転車乗りの「ちょっと」は注意が必要だよね。
先頭を走るのはガイドライダーの長沼隆行さん。現役時代は国内トップクラスのヒルクライマーで、北関東に拠点を置く宇都宮ブリッツェン、群馬グリフィンでも活躍。この日も軽やかな走り!
20kmほど走ってこの日最初の立ち寄りスポット、100年以上の歴史を持つ大田原市の酒蔵「天鷹」を見学。昨日のバーベキュー会場でも出されていた日本酒で、地元の有機純米を精米した吟醸酒、大吟醸酒が人気。スパークリング生酒、はちみつ酒などのちょっと変わったお酒もおいしそうだ。サイクリング中はさすがに飲めないので、お土産で買って帰りましょう!
「天鷹」3代目の尾崎宗範社長の説明に、真剣に耳を傾けるサイクリストのみなさん
さらに20分ほど走った「湯津上村民食堂」にてこの日のランチ。栃木県産の食材を使ったローストビーフ丼は、味もボリュームも抜群。新鮮なサラダバーもおいしかった。
芭蕉になりきって 俳句体験!
ここからはよりアップダウンが多いコース。そしてついに、今までおとなしくしていたブラーゼンの永吉選手、椎貝選手がときおりアタックごっこをしかけてきて、僕らは引き回されることに。グループ唯一の女子YOPIさんが軽々とついていく中、僕はたびたびチギられてしまう…
そんなアタックごっこも楽しみながら、「芭蕉の館」に到着。2日目のテーマは「江戸の史跡を訪ねる」だったのだが、ここは松尾芭蕉が奥の細道の旅のときに長期間逗留した場所だとか。
隣接する黒羽城址はあじさいの名所、大雄寺は携帯電話のCM撮影でも使われたところだそうで、周りにも見どころが多いエリアだ。まだ紅葉には早かったが、静かな木立の中に囲まれていると、ちょっとだけタイムスリップしたような雰囲気になる。
ここでは芭蕉になりきって、俳句体験。みなさん素敵な句を詠まれていて、サイクリストは詩人が多いな~。
さて、ツアーもいよいよ大詰め。引き続きアップダウンを繰り返しながら標高を稼ぎ、ときおり始まるブラーゼンのアタックごっこに必死にくらいついていく。途中から始まる「りんどうライン」は道も整備されていて、クルマも少なく、自転車で走るには最適な道。しばらく行くと2015年の全日本選手権ロードレースのコースに合流。上り坂は多いが、グループで走っていると、きついより楽しい気持ちが勝ってペダルも気持ちよく回ってくれる。
最後はちょっと雨が降ってきたけど、大きなトラブルもなく、全員が無事ゴールした。
2日間のツアーを終えた参加者のみなさんは「とにかくご飯がすごくおいしかったし、コースも走りやすかった」「知らない道、知らないお店を新たに知れたのがよかった」「地元の方も応援してくれたし、ブラーゼンの選手たちと走れたのがよかった」「また走りにきたい」と、大満足の笑顔を見せていた。
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。