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2020年11月12日

【Road to Okinawa詳報】「ツール・ド・おきなわ」の名の下に876名がZwiftに集結/新大会会長 知念正和氏のコメントも

11月8日は、本来であればツールドおきなわが開催されていたはず。 しかし新型コロナウイルス感染症を受け、苦渋の決断のすえ大会を中止。その代替としてバーチャルレースに注目。
“おきなわ攻略”ワークアウトシリーズを従えたバーチャルレースを企画しようと。そして10月からワークアウト開始し、その集大成として、11月8日のその日にバーチャルレース「Road to Okinawa バーチャルレース」が実施された。
このバーチャルレースは国内外からのエントリー総数は1391人と非常に大きな規模に。最終的なレース出走者は約876人となった。

カテゴリーごとの内訳は
Aカテゴリー:出走267人/完走124人
Bカテゴリー:出走156人/完走100人
Cカテゴリー:出走378人/完走258人
Dカテゴリー:出走335人/完走220人
Eカテゴリー:出走33人/完走14人
という数字だ。もっとも距離の長いAカテゴリーの100kmから、Dクラスの25km、女子の50kmと実際のクラスを想定してカテゴリー分けしている。
もっとも人気を集めたのはCカテゴリーの50kmだ。実際のレースでは市民100kmだ。

ズイフトでトレーニングやレース・イベントを普段から行なっているチーム右京、宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼンの選手といった日本のトップロード選手から、Zwiftランク上位のプレイヤーたちがオンラインで汗を流した。

Aカテゴリーの結果

YOUTUBEでAカテゴリーのレースを中継(クリックすると動画が再生されます)
ツール・ド・おきなわ市民最上級クラス6勝の高岡亮寛さんも参加。
ワフー・キッカーとクライムを使ってカテゴリーAに挑んだ

ワークアウトの監修を務めた高岡亮寛さん(Roppongi Express)もAカテゴリーに参加。通信トラブルで集団からは遅れてしまったが、完走を果たす。

高岡 亮寛選手(Roppongi Express)
「コロナ禍で大会開催が困難で目標がなくなってしまっているサイクリストが多い中、このような企画で”11月のおきなわ”を、例年と違う形ではあれど、開催してくださった関係者の方々に感謝いたします。 海外選手も参加するバーチャルレースにおいて、日本人のトップズイフター達が非常にレベルの高い走りで存在感を示してくれました。 これを機にリアル・バーチャルともにツール・ド・おきなわがより一層世界的な注目を集めるようになればと願っています」
リオオリンピック代表の内間康平選手はCカテゴリー50KMに参加

沖縄県からはリオ五輪ロードレース代表の内間康平さん(元・チーム右京)が出走。現在は国家試験の競輪選手資格検定に向けてトレーニングを続ける。新城 銀二選手(沖縄輪業)、久保田 寛栄選手(くぼた かんえい・朝日大学)の3選手も参加。

新城 銀二選手(沖縄輪業)
久保田 寛栄選手(くぼた かんえい・朝日大学)
内間 康平選手 「Zwiftでは相手の姿が見えないぶん、力がわからない難しさがあった。久しぶりの長距離の長時間のレースは体に刺激があってすごく厳しかった。自転車に限らずマラソンとかもどんどん中止になっている中でのこういった実施はすごく価値のあることだと思います」

Zwiftよりメッセージも

「この度は国内屈指の市民レースである「ツール・ド・おきなわ」にちなんだイベントをZwift上で無事開催できたことに、参加されたライダーのみなさま、関係者のみなさまにまずは感謝いたします。
国内外を取り巻く情勢は相変わらず厳しいものはありますが、それは必ずしも人々から自転車の楽しみを奪うものではありません。
今回のイベントを通じて、より多くの人々に目標を持ってチャレンジする機会を設けることができたのであれば幸いと感じています。
またいつか、自転車を愛する人々が熱帯の花となり、風となる日が来ることを願ってやみません」

知念 正和 新大会実行委員長インタビュー

31年間、実行委員長を務めた森兵次氏の後任として知念 正和氏が大会実行委員長に着任となった。そこで知念会長にこれからの「おきなわ」について、コメントをいただいた。

=今回のイベントを経て心境は=

「今年はこれまでのロードレースの開催が出来なかったが、おきなわを合言葉に選手達を繋げたいと考えて、バーチャルレースを実施した。世界の人たちが参加できるので、今後のツール・ド・おきなわ大会でも実施したいと考えている」

=ツール・ド・おきなわ中止までの経緯をおしえてください=

「3月から5月頃までは、対策をしながらできるのではないかと考えていた。
また、県外からの皆さんから、国内で大会が中止になっているので、ぜひおきなわを開催してほしいという意見がありました。
しかし7月から感染が広がった状況となり厳しくなった。
ロードレースは地域の道を走ります。ボランティアや地域の方に不安をあたえることはできません。
また選手の安全を担保できるかどうか、確信がありませんでした。
8月に開催可否の実行委員会をもって、最終的には中止の判断し、9月に公表しました。
サイクリストたちが楽しみにしている大会なので、中止ではみなさんにもうしわけがたたない。
そこで、Zwiftをもちいたバーチャルのイベントを開催しました。そして来年はサイクリングイベントを計画しています」

=競技は中止ですが、サイクリングイベントを年明けに計画をしているということですが=

「2021年の1月5~31日の間に、実際におきなわコースを走りたいというひとのために「やんばるライド」を実施します。
これは交通ルールを守った上て、自分の走りたい参加カテゴリーを走るというもので、現在準備をしています。
210kmから50kmのコースを、ソロライドで楽しむという趣旨です。
自分の好きな日程・時間に走ることができます。募集については現在準備中です。

また、3月6~7日を予定して、サイクリングイベントを準備しています。本島一周サイクリングをはじめ、やんばるセンチュリーライド、チャレンジライド、本部半島ライドの4つのクラスを走ります。合計で430名ほどの募集となりますが、3月の初旬で少し暖かくなってきた頃ですから、気持ちよく走れると思います」

=次回大会はどのような形で開催したいと思っていますか?=

「コロナウイルスがどのような形で収束するか読めない状況ではありますが、状況が好転していくことを望んでいます。
従来どおりに開催ができればいいのですが、どうなるかわからない。いろいろ改善をしながら、最大限に工夫を重ねながらやっていきたいです。

今回のバーチャルについては、事前に見せてもらっていたが、今回のレースはとても面白い仕組みだった。
沖縄の真夏の暑いときに部屋の中でやったほうがいいという人たちのニーズもあります。そういう人たちも取り込んでいける方法が、今回のバーチャルを見て可能性を感じました。eスポーツのような形で大会の中にその分野があってもいいですね」

=今後やっていきたいことを教えてください=

「森兵次前会長がこれまでの形をしっかり保っていく中で、絶えず改革の精神をもってやってきた。
UCIのプロも走れる場所であり市民まで走れる場所、かつこれから自転車を始めるような小学生や未就学児たちもとりこんだ一大イベントです。これは今後とも継続していきたいです。今後はさらなるカテゴリの拡大、人数の調整なども進めていきたいと思っています」。

【ツール・ド・おきなわより、アンケート調査ご協力のお願い】

新型コロナウイルスの影響により、第32回「ツール・ド・おきなわ2020」大会のロードレース部門の開催中止を決定することになりましたが、その代替イベントとして、Zwiftを活用したバーチャルレース及びレースに向けたワークアウトシリーズイベント「Road to okinawa」を実施しました。
今後のツール・ド・おきなわ大会開催の魅力向上の為にも、皆様方のご意見を参考にさせていただきたく存じます。
以下のURLからアンケートにお答えいただき、率直なご意見・ご要望をお聞かせください。
NPO法人ツール・ド・おきなわ協会

アンケートフォームはこちらから


写真:山本健一

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