2024年05月04日
目標達成のためのヒントをつかめ!「FUNRiDEトレーニングキャンプ2024 in Mt.富士ヒルクライム試走会」
「第20回Mt.富士ヒルクライム(6月2日開催)」まで約1カ月と迫った4月29日、大会と同じ富士スバルライン(山梨県富士吉田市など)のコースを舞台に「FUNRiDEトレーニングキャンプ2024 in Mt.富士ヒルクライム試走会」を開催。講師に元プロロード選手の別府匠さんを迎え、参加した45人のサイクリストと一緒に座学と試走を行った。
講師は富士ヒル元コースレコードホルダーの別府匠さん!
今回の試走会には一般参加29人、ビオレーサードリームチーム16人の計45人が参加。中には、大阪府や山口県から来られた人も。今年富士ヒルに初挑戦する人も含め、それぞれ自己ベスト更新やブロンズ(1時間30分切り)、シルバー(1時間15分切り)といった目標を掲げていた。
今回の講師は、別府匠さん。国内外のロードレースで活躍し、現役引退後は愛三工業レーシングチームで監督を務めた。何よりも富士ヒル2007年大会に招待選手として出場し、58分35秒の当時のコースレコードを樹立。この記録は、その後9年間破られなかった富士ヒルとも縁の深いサイクリストだ。
試走前には、富士北麓公園体育館で座学が行われた。別府さんは、ケイデンスと心拍数をもとにマイペースを維持することが結果的にタイムにつながるとアドバイス。自身のレースでの経験をもとに「心拍数が一度上限を超えてしまうと、その後のペースが安定しなくなる。回転数(ケイデンス)と心拍数が合っていれば、平均速度は後からついてくる」と伝えた。
スマートローラーを使って、ペダリングも実演。緩斜面で使える軽いギアで太ももと足の甲を上げる意識で回すペダリングを披露し、参加者のみなさんは熱心に見つめていた。
また現在、別府さんは話題のショートクランク(165mm)を使用中。「(ノーマルクランクより)ヒザが上がり切らないので、コンパクトに回せる。ただし、ピークパワーが必要」とメリット、デメリットを挙げていた。
スバルライン実走! 全員で五合目へ!
続いては、いよいよ富士スバルラインを実走。目標タイム別にグループ分けし、サポートライダーの先導でコースへ。この日は富士山が見えたり見えなかったりの空模様だったが、風は穏やかで走りやすいコンディション。ただ土砂崩れの影響で2カ所片側通行の区間があり、また連休中でクルマやバスの通行も多かったため、安全第一で走行。別府さんは走りながら参加者の走りをチェックしたり、休憩中に質問に答えたりした。
スタート地点では20℃前後あった気温も5合目では12℃と肌寒かったが、全員が自分のペースで走ってゴールへ。下山についても、別府さんから「前の人の減速に気づかないのが危ないので、集中して。抜くときは、声をかけて右側から」と注意事項が伝えられ、安全に下った。
参加者のレベルの高さに感心していた別府さんは、「自分も初めてで不安だったけど、普段あまり伝えられていないようなことにスポットを当てて話をしたんですが、参考になったと言ってもらってよかった。自転車の乗り方にもいろんな方法があって、その方法を知っているか知らないかで、楽になったり速くなったりする。そういうことに気をつけて、楽しんでほしいですね」とサイクリストのみなさんにメッセージを送っていた。
参加したサイクリストにとって実りある1日に
「今日は途中から頭が痛くなったんですが、大沢駐車場で止まったときにヘルメットを緩めたら回復して、その後は全力で走れました。本番じゃなくてよかったです。今回は別府さんの話を聞きたいと思って参加しました。緩斜面で休むときのペダリングをさっそく今日やってみて、こういうことかな、と自分なりにつかめたので、だいぶ活かせそうです。今年はシルバー獲りたいなと思って走っています。毎年毎年、富士ヒルが楽しくなって、今年もワクワクしているので本番に爆発させたいです!」
「最初はゆっくり走ろうかと思っていたんですけど、サポートライダーの方が『(パワーウエイトレシオ)3倍で引きますよ』と言われて、自分の力より頑張っていい感じで走れました。別府さんの話で、補給は固形のものを食べるのは難しいと私も思っていたので、本番もドリンクにジェルなどを入れようと思います」(光さん)、「ペダリングのこととか聞けたのもよかったです」(遼さん)
「試走会は初めて参加しました。なかなかここに試走に来ることができないのでその理由づけと、別府匠さんのお話が聞けるということで申し込んでみました。ペダリングのこととか役立つことが多くてよかったです。本番はブロンズを目指しているけど、今のままだと厳しいので、無理せず追い込んでいきたいです」
富士スバルラインは、復旧に向けて作業が継続的に行われていますが、現在片側通行を行なっている状況です。試走の際は特に下りにおいては十分にスピードの管理に気をつけて、対向車と譲り合って走行をしていただきますようお願いします。
また観光バスなどの交通量も増えてきますので、十分に気をつけて走行をしてください。
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。