2018年04月20日
【CARRERA 2019モデル発表】独特のスタイルにスピードと快適性が共存する「フィブラ ネクスト」
イタリアのレーシングブランド、カレラが2019年モデルを発表。人気モデル「フィブラ」の4代目となる「フィブラ ネクスト(PHIBRA NEXT)」がリリースされた。
猛獣の第4世代「フィブラ・ネクスト」
過去のフィブラよりオーソドックスな第一印象だが、全体的に性能の見直しが図られている
カレラのCEOダビデ・ホイファーバは、元プロ選手。エディ・メルクスとチームメイトだったこともあり、ジロ・デ・イタリアではステージ優勝を挙げてマリアローザを獲得するなどプロ通算30勝を誇る名ライダーだった。引退後はプロチームを立ち上げ、監督として500勝以上を獲得。そして1989年、自らのチームで使うバイクを作るためにカレラを創設。まさにレースで戦うために生まれたバイクブランドと言えるのだ。
その後、マルコ・パンターニ、クラウディオ・キャプーチ、パオロ・ベッティーニなど偉大なチャンピオンがカレラを駆って多くの勝利を獲得。現在は世界各地で若手育成に力を入れており、国内では東京ヴェントスもカレラのバイクを使用している。
そのカレラが2008年にリリースした初代フィブラ(PHIBRA)は、ダブルアーチ構造という独特のフレーム形状で注目を集めた。ダブルアーチ構造とは、上側のコンフォートアーチ(トップチューブ&シートステー)、下側のパワーアーチ(ダウンチューブ&シートステー)という2つのアーチを組み合わせた曲線的なデザインで、レーシングバイクと同等の動的性能と疲れを残さない快適性を両立させている。その丸みを帯びたスタイリングは、今にも獲物にとびかかろうとする豹やチーターのような猛獣の姿を想像させ、数あるロードバイクの中でも存在感が際立つモデルとなった。
その後、2011年にフィブラ・トゥー(PHIBRA TWO)、2014年にフィブラ・エヴォ(PHIBRA EVO)と進化し、第4世代として登場したフィブラ・ネクストはハンドリング性能と快適性がさらに磨き上げられている。前モデルまでは複雑な形状をしていたダウンチューブやシートチューブが直線的になったものの、65tスーパーHMカーボンをはじめ5種類の素材を適材適所に使い分け、性能向上を図っている。
フレームカラーはブルー系、レッド系、ブラック系の3色。これまで派手めなグラフィックが多かったフィブラだが、フィブラ・ネクストはシンプルながらもグロス、マット部分を塗り分けるなど手が込んでおり、落ち着いた中にもイタリアンバイクらしいスタイリッシュさを忘れていない。レースでもロングライドでも使える乗り手を選ばない懐の深さを見せつつ、個性も主張できる満足度の高い一台だ。
別売りながら、フィブラ・ネクストにアッセンブルされるカレラオリジナルのホイール、ステム、ハンドルバーも発表されている。
フィブラ ネクスト フレームセット
価格(税抜):28万0000円/フォーク重量:350g/フレーム重量990g(サイズM)/BB:プレスフィット86×41/専用エアロシートポスト、電動コンポーネント対応、カーボンインテグレーテッドチェーンステイ/サイズ:XS、S、M、L、XL
ブレーキは、ダイレクトマウントのリムブレーキのみ装着可能。今後、ディスクブレーキ仕様が追加される可能性もあるという
フィブラ ネクストと合わせるカレラオリジナルのステムとハンドルバーも発売される(別売)
カレラオリジナルのホイールもリリースされる。リムハイトは写真の32mmのほか、25mm、45mmもラインナップされる
フィブラ ネクスト専用のサンマルコ製サドル。エアロシートポストもリッチー製の専用品
イタリアンカーボンロードをお手頃価格で「ヴェレーノ ライト」
同じく2019年ニューモデルの「ヴェレーノ ライト」は、従来モデル「ヴェレーノ TS」をベースにしたエントリーモデルで、フレームセットの価格はなんと9万8000円。フルカーボンのイタリアンロードフレームがこの価格で手に入るのは驚きだ。エントリーモデルの位置づけながら、ヘッドチューブは短めでレーシーな走りも楽しめる。
ヴェレーノ ライト フレームセット
価格(税抜):9万8000円/フォーク重量:410g/フレーム重量:1080g(Mサイズ)/BB:プレスフィット86×41/電動コンポーネント対応、ケーブル内蔵フレーム、カーボンインテグレーテッドチェーンステイ/サイズ:XS、S、M、L、XL
ディスクブレーキ仕様を追加したエアロロード「TD01-AIR ディスクブレーキ」
エアロロードの「TD01-AIR」には、ディスクブレーキ仕様が追加された。カレラのエアロフレームの中ではフラッグシップの「AR-01」、セカンドモデルの「エラクルエア」に続く3番目の位置づけで、高剛性な上位モデルと比べて快適性を兼ね備えたモデル。ディスクブレーキの追加で、より操作性も高まるだろう。
TD01-AIR ディスクブレーキ フレームセット
価格(税抜):25万0000円/フォーク重量:430g/フレーム重量:1190g(Mサイズ)/フラットマウントディスクブレーキ対応/プレスフィット86×41/サイズ:XS、S、M、L、XL
写真と文 光石達哉
著者プロフィール
光石 達哉みついし たつや
スポーツライターとしてモータースポーツ、プロ野球、自転車などを取材してきた。ロードバイク歴は約9年。たまにヒルクライムも走るけど、実力は並以下。最近は、いくら走っても体重が減らないのが悩み。佐賀県出身のミッドフォー(40代半ば)。