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2018年08月22日

バラ❤︎サイ VOL.9 テイ ヨウフウさん「次も一緒に走ってもらいたいから、もっと走れるようになろう」

自転車を通じての出会いが向上心に火をつけた

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テイさん:ほどなくして、少しの間、自転車から離れた期間があったんです。卒論や就職活動など私生活が忙しくなってしまったのもあって。
生活環境も変わったある時、マンガで繋がりのあった女性たちと一緒に江ノ島から箱根の方を走るグループライドを企画したんです。
その時は、自分としてはうまく走れないし、山もうまく上れないし、自分のペースで走ってたんですが、人と一緒に走ることで、すごくいい刺激を受けたんです。
自分が坂を上る時はひと漕ぎひと漕ぎ、すっごいしんどいんですけど、そうやって上っていてーーー。その目の前で一緒に走ってた人がスイスイ~っと上って行くのを見ると、あんな風に上れるとかっこいいな! と思うようになったんですね。
次も一緒に走ってもらいたいから、次の機会までにもっと走れるようになろう、って。

ちゅなどん:なるほど。知り合った方がきっかけで、テイさんの興味が山へ向かったというわけですね。で、またヤビツ峠に行ったのですか?

テイさん:最初はヤビツ峠しか知らなかったんです。なので、ひたすらヤビツを何回か乗って、そのうち和田峠、近くの大垂水峠、都民の森など東京から自走で行ける山という山へ向かうようになりました。
そうしていくうちに、死ぬ気で行けばなんとか上れるな、っていう手応えを感じるようになって、自信がつきました。

ちゅなどん:そこから走るフィールドを山へ? 距離を走るライドは遠のいていった?

テイさん:平地を走る能力の向上というと、スピードが速くなった、くらいの進歩しか思いつかないんですが、それが山だと、同じ山を走って、前回走って辛かったところが今回の方が楽に上れた、と成長を感じやすいっていうのがやる気に繋がります。それが山にハマった理由ですね。

ますます気持ちは山へ向かい、その結果……

『もっと山に近く』それが理由で新宿から町田へ住まいを移されたテイさん。自転車のせい(おかげ?)でライフスタイルまでもがガラリと変わります。

ちゅなどん:都心からだと、どの山を目指すにしても、アプローチだけで片道50kmは走らなければいけませんものね。

テイさん:山へ通うようになった頃は新宿に住んでいて、輪行を覚えて小田原まで行ってから箱根の近辺を走ったり。あとは相模原の友人のところをベースにすると宮ヶ瀬や道志みち、山梨方面まで走る範囲を広げることができるので、週に2~3回は通うようになりました。

ちゅなどん:週に2~3回!? 多いですねぇ。

テイさん:もうぜんぜん新宿から走って行く気がなくなってしまったんですよ。
電車に乗ると40分くらいで橋本まで行けるから、そこから一日中走って、また輪行で帰る、というのを2~3ヶ月続けているうちに、これはもう引っ越してしまったほうがいいんじゃないか……ということになって、町田へ引っ越しました。
で、それを機に、仕事もまとまったお休みが取れる職へ移すことにしたんです。

ちゅなどん:えー!?お家だけじゃなくて、お仕事まで自転車のために変えられたんですか!

テイさん:自分で言うのもアレなんですけど、いま思えば、若かったなぁ、って(笑)。当時、24時間働いた後、仮眠も取らずに走りに出かけたりしていましたから。

ちゅなどん:タフ!!!若いですねー。

テイさん:ただ自転車に乗るのが楽しかったんですね。
その頃は、他の人と休みが合いにくかったのもあって、1人で走るか、SNS繋がりの友人で休みが合う人がいれば一緒に走ろう、っていう感じでしたね。
自分自身がだんだん乗れるようになってきて、より遠くまで一緒に行ける方というのは限られてはいたのですが、1日をフルに使って走りたい、という思いが強くて。
そうするうちに昔よりも距離を乗っても疲れなくなってきたな、なんていう手応えは感じられるようになりました。あと、前日乗っても、翌日また乗れるみたいなところに成長を感じます。

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©️テイ ヨウフウ

ちゅなどん:私も過去を振り返れば、1ヶ月に3000km乗っていた頃がありましたから、テイさんの、その「乗っても乗っても楽しい感じ」というのは本当によくわかりますよ。

テイさん:なんにもやる事ないし、とりあえず自転車乗っておこう、みたいなところはありましたね。

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