2018年08月22日
バラ❤︎サイ VOL.9 テイ ヨウフウさん「次も一緒に走ってもらいたいから、もっと走れるようになろう」
お久しぶりのバラ♡サイです。2018年の夏はこれまた暑い暑い夏になりましたね。
サイクリストの皆さんにおかれましては、慎重にライドのスケジュールや補給、冷却のポイントの工夫などを取り入れてサイクリングを楽しんでくださいね。
今回のゲストは2018年 Mt.富士ヒルクライム 年代別カテゴリで見事3位となったテイ ヨウフウさんです。
よく日焼けした肌をお見受けするに、本当に良く乗っていらっしゃるようです。
右端がテイ ヨウフウさん(第15回Mt.富士ヒルクライム)
ちゅなどん:毎日暑いですね。自転車、乗ってらっしゃいますか?
テイさん:えぇ。一応、夏も毎日乗っていますね。
ちゅなどん:では、これ皆さんに聞いている質問なのですが、自転車を始めたきっかけをお聞かせください。
テイさん:わりと女の子でよくある「マンガ」ですね。
ちゅなどん:マンガといえば…… 弱虫ペダル?
テイさん:そうです。4年くらい前ですね。
ちゅなどん:マンガを読んで面白いなぁと思ってすぐに自転車買っちゃった感じですか?
テイさん:いえ、結構悩みました。大学4年生の頃で学業も忙しかったし、金銭面でも厳しかったんですけど、半年後くらいに買いました。
ちゅなどん:買ってみてどうでしたか?自転車は乗り始めてすぐにハマれましたか?
テイさん:最初はマンガみたいな感じで乗れるのかなって感覚もあったんですけど、実際に乗ってみると……、あ、やっぱりちょっと違うのかな、っていうのはありました。
ちゅなどん:マンガの中って、ライド(の描写)が激しいじゃないですか。
テイさん:マンガではわかりやすく、自転車とはこういうもので、乗ってる人もこういう感じ、と、例えば脚質などが描き分けられていて。私自身もそのいずれかに当てはまるんだろうな、って思ってたんですが、乗ってみると体ができていないこともあって「それどころの話じゃない!」って感じでしたね。
ちゅなどん:まずはどこから手をつけましたか? とにかく乗ろう、っていう感じ?
テイさん:そうですね。まずは乗ろうってことで。自転車を買ったお店から自宅までの距離が15kmくらいだったんですが、はじめて乗ったそのたった15kmで、ものすごい達成感がありました。
最初は車道を走るのが怖かったです。となると、自転車はどこで走ればいいのか……。サイクリングロードが安全かな、と多摩川のサイクリングロードまで行ったりしていました。しばらくそうやって走ってたんですが、そのうち飽きてきてしまってーー。
自転車に乗っている人はたくさんいるはずなのに、どこを走っているのだろうって思っていました。
ひとりで自転車を始め、最初のうちはひとりで乗ることが多かったというテイさんですがーーー
ちゅなどん:どんな風にお友達や仲間ができていきましたか?
テイさん:最初はマンガを通じたお友達が多かったんですけど、ひと口にそうは言っても、熱の入れ方はそれぞれ違っていましたね。その中で、SNSを通じて自転車に乗る人たちと知り合う機会が増えていきました。
ただ、最初の1年くらいーー乗り始めてすぐの頃は、やっぱり少し怖くて。
始めたてであまり上手く乗れないこともあって、人と一緒に走ること自体を敬遠していたようなところはありました。
ちゅなどん:じゃあ、しばらく一人で乗って、自信がついたら誰かと一緒に走ってみよう、みたいな感じですね。
初心者ならでは、のちょっと無謀な大冒険
テイさん:そうですね。ひとりで走っていた頃には、今思えば結構無謀だったなぁと思うこともしていました。
ちゅなどん:無謀……ですか? ど、どんな?
テイさん:まだ新宿に住んでいた頃で、家から立川まで…片道30km、往復60kmくらいを走って、その翌日に60km走れるんだったら、もっと遠くまで行けるかなぁ、って。
マンガで好きだったキャラがいるんですよ。新開隼人っていう。彼が秦野に住んでいる設定で。
ちゅなどん:秦野ということは、ヤビツですね!
テイさん:ヤビツというよりは、とりあえず秦野にいってみようと思って。まずは秦野ってどこにあるんだろう? とスマートフォンで調べました。新宿から国道246号を使って60km。もう60kmは走れるようになったから「行けるな」と思ってーー。
ちゅなどん:ん? 片道60kmってことは往復すると倍の120kmになるわけですが、帰りのことは考えてなかったの?
テイさん:往復は、60kmを2回走ればいい、って考えちゃって。
ちゅなどん:1ユニットを60kmとして、それを2回やれば往復走れるってことですね(笑)。
テイさん:しかも12月末くらいで、ものすごく寒い時期だったんですよ。でもその時、とくに冬の装備をもっていなくて。普段着ているパーカーと伸縮素材のジーンズみたいな格好で、しかも当時はまだフラペだったのでスニーカーで。
ちゅなどん:そうしてたどり着いた秦野はどうでしたか?
テイさん:本当に感動しましたね。やったー! 秦野だー! ってひたすら写真を撮ったりしました。もう、暗すぎて何にも見えなかったですけど、秦野ってわかるものを探して片っ端から撮りました。そうして3~40分してから、寒い、ってことに気づいたんです。
ここからどうやって帰ろう、って。
ちゅなどん:もしかして、まだその頃は輪行も知らなかったのかしら?
テイさん:輪行はぜんぜんできなかったので、走って帰るしかないな、って。
ちゅなどん:ロードバイクを始めたばかりの方が、少し慣れてきて目標にするのが100kmという距離だと思うんですが、テイさんの場合は期せずして120km走っちゃった、って感じですね。
その後、距離を伸ばす方向で乗る感じになりましたか?
テイさん:そうですね。最初のうちは距離を伸ばす方にも興味があったんですけど、だんだん、山というものが気になるようになりました。
ちゅなどん:山、は好きだったマンガのストーリーにも出てきましたか?
テイさん:マンガにも出てきましたし、SNS上で「ここ上ってきました」なんていう投稿を目にすることで、私が山に上ったらどうなるんだろう、って興味が湧いてきました。
はじめて実際に向かったのがヤビツだったんですが、地図でルートを出したのが裏ヤビツだったんです。橋本を通って行くルートなんですが……。
ちょうどその時が2月くらいでーーー。
ちゅなどん:いやいやいや。2月のヤビツ、しかも裏はまだ上まで行けないでしょう。
【(ちゅなどん注)ヤビツ峠、表と呼んでいるのが南斜面で、裏ヤビツというのは北斜面のこと。裏はとくに冬に一度でも積雪すると、なかなか溶けないのです】
テイさん:当時はまだそういう情報にも触れることがなくて、行ってしまったんですよ。
で、ある程度上ったところからはやっぱり雪があって、乗ったり押したりを繰り返しながら峠まで行きました。3時間ちょっとかかって。
ちゅなどん:都心からだと輪行してもいい距離だと思うんですが、その当時、輪行そのものについてはご存知だったんですか?
テイさん:えぇ。知ってはいたんですけれど、電車に乗るくらいなら、走ってしまった方が楽しい! と思っていました。
ちゅなどん:あぁ~わかります。わたしにもそんな時代がありました(笑)。
最初のうちってそうですよね。そこから興味は俄然山の方へ向いたのですか?
テイさん:意外とそんなこともなくて、山は思ったより辛いっていう印象でした。達成感はすごくあるんですけど、あまりに辛かったんで、私は山に向いてないんじゃないか、ってヤビツ峠の1回しか上ってないのに思っちゃったんですよ。
著者プロフィール
ちゅなどんちゅなどん
自転車好きが高じて一時期飽きるほど自転車に乗り、とうとう自転車に"乗る理由"がなくなってハンドメイドサイクルキャップを制作販売、自走納品する『自作自演型サイクリスト』 その傍ら、あるときはサイクリングイベント会社で、あるときは自ら企画するイベントでアテンドライドしています。持ち味はよく通る声と年の功からにじみ出る安定感。 ハマっ子歴19年。関西弁ネイティブ。